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スヤサキ君って実は…  作者: みえないちから
《第二章 陽太、水着に興奮する》
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《第三話 どこ見てんのよ!このエロオオカミ!》

「どこで道草食べてたのよ?マカミぃぃぃ?」

声色は優しいのにやっぱり目が笑っていない。

「ちょっと、トラブルがあってだな…」

「ああ!トラブルって何よ?」

日向の顔は作り笑顔も消えて心配そうな顔に変わった。

「あ!サクラコじゃん、やっほー何してんの〜?」

「こいつがいつまでたってもアタシのところに来ないから様子を見に来たのよ、ヒマワリ」

「サクラコ…今日もかわいい…」

「ありがと、ナデシコ。アンタもかわいいわよ」

ナデシコの頭を撫でてやる日向はまるで自分の娘にやってあげてるように見えた。


「アタシも撫でさせて〜ナデちゃん」

ガブっ!ナデシコはヒマワリの手に噛みついた。

「いったぁー!もう~痛いよナデちゃん」

ナデシコはヒマワリが撫でるのはお気に召さないようだ。

「ヒマちゃんは…だめ…」

「ええ〜じゃあハグは?」

「ハグなら…いい」

「ナデちゃん!」ギュッとナデシコを抱きしめるヒマワリ。ナデシコの頭がヒマワリの胸の谷間に埋もれてしまった。羨ましいなぁ〜。


「どこ見てんのよ!真神!」

腕を組んでこちらを睨みつける日向。時間に遅れたことに加えて、ヒマワリの胸を見て鼻血を出している男に苛立っているのだろうか。

「安心しろ日向。日向のことも見ている」

「ん…はぁ!?な、なに言ってんのよ!こ、こんなところで口説かないでよ…こ、こっちにだって心の準備とかあるし、告白するならもっとムードがないと困るわ…」

日向は髪の毛をいじくり、何やらボソボソと言い出した。よく聞こえない。


「ああ!サクラコ、顔真っ赤じゃん。照れてんの?可愛い〜」

「サクラコ…ゆでダコ…」

上手いこと言うな。


「もう!照れてなんていないし、ゆでダコじゃないわよ。二人とも茶化さないで」

茶化す二人を困った顔で弁明する日向はなんだか可愛く見えた。これは不思議だ。あんなに嫌っていたのに…


「ゴ、ゴホン!そ、それより真神。例のものはちゃんと持ってきたんでしょうね?」

わざとらしく咳払いをした日向は、本来の目的であるスヤサキのスリーサイズの書かれたメモを要求した。

「ああ、もちろん。これだよ」

俺はスヤサキのスリーサイズが書かれたメモを渡した。

「ほ、本当なら本人から直接もらいたかったけど、忙しいならしかたないわよね」


「サクラコ…それは?」

ナデシコは日向が受け取ったメモに興味を示した。つま先立ちになってメモを覗こうとしている。

「ああ。これは前に言っていたモデルさんのスリーサイズが書かれたメモよ、ナデシコ」

「ああ!アタシらの作った水着を着てくれる人の〜?」

涼風は竜田姫の頭に自分の胸を乗せて言った。ポヨン。

「ヒマちゃん…重い…」

う〜ん、素晴らしいものをお持ちだ。俺もその大きな…

「どこ見てんのよ!このエロオオカミ!」

日向は俺のお尻をドカッと蹴り上げた。


「いったぁ!?何も蹴ることないだろ!?」

「アンタがヒマワリの胸を凝視するからでしょ!」

「やぁ〜ん、マカミンのエッチィぃぃぃ〜でも嬉しいなぁ。アタシの胸気に入ったの?」

涼風はいやらしい声を出しながら、俺の顔の前で自分の胸を強調するように腕で持ち上げる。凄いでかい。日向も立派なものをお持ちでいらっしゃるが、ヒマワリのほうが若干大きい気がする。横に並ぶと身長も高いようだ。


「ヒマワリ!アンタもふざけてないで、真神から離れなさいよ!」

「やぁ〜ん、サクラコこわ〜い」

「何よヒマワリ!あ!?待ちなさい!コラ!」

日向からの攻撃を受けないために逃げ回る涼風。

二人のオパイ…もとい大胸筋!いや、オパイでいいや。オパイは激しく揺れていた。左右上下に揺れるオパイ。いきなり追いかけっこを始めた巨乳美女二人に周りの視線は集まる。男の視線も当然集まるのだ。仕方がないのだ。かくいう俺も当然見るのだ。隣りにいるロリっ子にジト目でボソッと「エロマカミン…」と言われても見るのだ。


「はぁ、はぁ、はぁ…ま…まちな…さ…いよ…はぁ…」

「あ!日向が止まった」

最初は涼風のペースについていけてた日向だが、早々にペースが落ちて息切れし始めて、ついには止まってしまった。


「サクラコは運痴…元バスケ部のヒマワリには敵わない…」

「はぁはぁ、うるさいナデシコ!運痴って言うな!」

竜田姫はコソコソと俺の後ろに隠れてしまった。お母さんに怒られた子どものようだ。

「涼風はバスケ部だったのか。知らなかったな、竜田姫は何の部活に入ってたんだ?」

「ウチは美術部…サクラコも一緒…」

「日向も美術部だったのか…」


美術部だったり、バスケ部だったりと日向たちについて知らないことばかりだった。あの頃の俺は意固地になって嫌いな相手を知ろうとしなかった。


「はぁはぁ、ほんと…運動部は…信じられない体力…」

ヘトヘトになって近づいてきた日向に俺は話しかけた。

「大丈夫か、日向?」

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