《第二話 なんとも珍しい名前でいらっしゃる》
俺の名前をなぜ知っている?お団子ふたつ結びのお嬢ちゃん。
どこかでお会いしましたか?というかここの生徒ですか?
お団子ひとつ結びのお姉さんの方は、とてもグラマラスな見た目をしている。これから会う日向にも負けず劣らずのナイスボディだ。
連絡先を教えてください。
「そうですけど…どちら様ですか?」
「うっそ〜ウチらのこと忘れた〜?マジ?」
「ウチらは…覚えてるんですけど…ガン萎え」
ショボンと落胆するのはお団子ふたつ結びのお嬢ちゃん。
小学生と間違えそうなくらいのロリっ子だ。
二人のテンションは対象的だけど、ショックを受けているようだ。
そう言われても会ったことないんですけど…
「プププ、アタシら〜、真神のことよぉぉく覚えてっけど〜、これなら思い出せる?」お団子一つ結びのグラマラス美女が自分のお団子をほどいて、メッシュの帽子に付け耳が付いた帽子を被った。
その付け耳は狐がモチーフのようだ。そんなもの付けたところで何も思い出すことなんて……いや待てよいたなぁ。なぜか毎日その付け耳を付けていたやつが……
「ウチも…これつける…」
今度はお団子二つのロリ美少女がお団子をほどいて、ニットキャップを被った。そのニットキャップにも付け耳がついていた。こちらも狐がモチーフのようだ。
「じゃあこれなら…どう〜だぁ〜」とメッシュ帽子の方が、ペロペロキャンディの袋を開けて、口に咥えた。咥え方がエロいぞ。
「ウチも…」ロリニットキャップの方もペロペロキャンディを咥えた。こっちはエロくないぞ。お子様も安心して見れるぞ。
「む!…これでもまだ思い出してくれない…」
ムスッとするロリっ子がこちらをジトッとした目で睨む。少し涙目だ。
「ああ!真神が泣かしたぁ、ナデちゃん泣かしたぁ。キャハハハハ」
それを見て大笑いするグラマラスお姉さん。慰めてやれよ。
「あ、あの、ごめんて、泣かないでくれよ。思い出せないのは悪かったけど、本当に思い出せないんだ」
俺は大笑いするグラマラスお姉さんを無視して、今にも泣きそうなロリっ子に近づいた。
間近で見ると本当に小学生なんじゃないかと思う。迷い込んできたのか?
「あの…さっきから思ってたんですが、このちっちゃい子はここの生徒なんですか?」
「ウチも…ここの生徒…ショボン」
ショボンって口に出して言った。
「ああ!ひっどいぞ真神〜。ナデちゃんちゃんとここの生徒でウチらの同学年だし〜」
ポカポカと両手をグーにして俺の肩を叩くグラマラスお姉さん。全く痛くないし、逆に気持ち良い。しかもポカポカと叩くたびに大きなオパイが揺れるのだ。ボヨンボヨン。ボヨンボヨン。叩かれている肩は全く痛くないんだが、体のある一部分が大きくなって痛くなりそうだぞ。
「こいつ…ヒマちゃんのおっぱいの揺れを…マジマジと見てる…へんたい…」
「な!ななな!なにお!?」ロリっ子に不意をつかれて驚いてしまった。
「キャハハハ、真神っておっぱい好きなんだ、うける〜やっぱ男〜って感じ〜」
自分の胸をマジマジと見られていたのに大笑いするのはどうなんだ?
「うっ、うるせえなぁ、仕方ないだろ。そんなに揺れるんだから!見るだろ!」
「顔真っ赤〜、マジうける〜、キャハハハハ!」
「真神…ウブ…かわいい…かも…クスクス」
「てか、また鼻血出してるし〜アハハハ」
「え!?あ!マジだ」
鼻の下に人差し指を付けてみた。貸してもらったハンカチで押さえる。
「もうそのハンカチあげるよ〜」
「すまん、今度、何かお返しに何か持ってくるよ。連絡先を教えてくれ」
と少しいい声で言ってみた。
「キャハハ〜、なんで急にいい声になるの〜。意外と肉食なんだな、真神〜。いいよいいよ〜ヨインでおけ?」
「ああ、ヨインで」
これもいい声で言った。
「いえーい、真神の連絡先ゲット!ナデちゃんもいる〜?」
「ウチも…ほしい…」
ロリっ子にも一応連絡先を教えた。
「ところで、二人の名前はなんて言うんだ?」
「アタシは涼風ヒマワリ」
「ウチは…竜田姫ナデシコ」
「え!?」
なんとも珍しい名前でいらっしゃる。そしてよく知ってる名前でもいらっしゃる。
「ひ、久しぶりだな…涼風と竜田姫」
「アハハ、名字呼びうける〜ヒマワリでいいよ」
「ウチも…ナデシコが良い…ナデちゃんでも可…」
「いいね、あたしもヒマでいいよ〜」
「いや、それはその〜」
「なんでよ〜」
「きっと…恥ずかしがってる…真神…ウブ」
ロリっ子がにやりとした顔をする。小学生女子が男子をからかうように。
俺は先日の日向に引き続き、昔馴染みの女子に再会したのだ。
「ああ〜こんなところにいた〜真神〜♡」
あ!この声はこれから会う約束をしている日向さんだ。
凄く機嫌の良さそうな声色だな。
「あ、すまな〜い日向。もう行こうと思っていたんだ…げっ」
呼ばれた方を振り向くと、口角は上がっているが、日向の目は笑っていなかった。




