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スヤサキ君って実は…  作者: みえないちから
《第一章 陽太、昔馴染みと再会する》
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《第十話 アタシが想像してた通り》

目の前にいる俺好みの見た目をしたお姉さんは、高校時代ギャル軍団のリーダー格だった、日向桜子だという疑惑がある。が、まだそれは確定したわけではない、ただ俺がドスケベ男子だということだけがお姉さんに露呈したことになる。俺の恋は終わってしまうのか?


「真神くんはもう少し誠実に女性を見たほうがいいかな」

「やめろ!俺がいつもスケベ丸出しみたいに言うな」

「だっていつもボクの胸に敏感じゃないか?」

「はぁぁぁぁ?!おおおおおっぱいなんて見てないし、お前のその偽乳なんか、きょきょきょ、興味ねぇし」

「また偽乳って言ったぁ!ムー!」

スヤサキは、赤い顔で頬を膨らまし憤慨する。


「ねぇ?アタシをおいて二人でイチャつくの、やめてもらえる?ドスケベマカミ」

俺とスヤサキの会話を聞いて、なぜかイラツイてるお姉さん。だんだんと俺に対するあたりも強くなった。これも日向桜子と同じだ。


「ドスケベじゃありませんよ」

「じゃあ、ムッツリ?」

「ぶふっ!」

「ああ〜。ムッツリかもね真神くんは。おっぱい揺らすとすぐ反応するから」

「キモ〜アタシの胸も見られてたりするわけ〜?」

お姉さんは、自分の胸を抱き寄せるように腕を組み胸の谷間を強調させた。


悪いが、初めて会ったときからずっとチラ見させてもらっている。その白い無地のTシャツの生地が盛り上がりは見逃すことができない。

ジーーー。


「ちょっ!顔を近づけないでよ!…変態!」

胸を腕を組んで隠すお姉さん。気づいたら俺はお姉さんのたわわな胸元に引き寄せられていた。ガン見である。


「なっ!?変態ではない!」

「変態だよ、真神くん」

「おまえ!俺の味方じゃないのか?」

「真神くんが女の子のおっぱいとお尻に興味津々なのは事実かな」

わかったようなことを………まぁそうなんですけどね。


「あの頃の真神の方がマシだったわ。ギラついて、誰も寄り付かせない孤高の狼」

「真神くんって高校時代、狼だったの?月をみたら暴れちゃうの?」

「男はある意味、狼よね」

「わぁ!本当だ!さすがサクラコちゃん」

何をうまいことを…しかし腑に落ちない。

やっぱりこのお姉さんは俺の過去を知っているようである。


「ところでヨゾラは水着に興味ない?」

何だ、突然?

「み、水着かな?もうすぐ夏だし、新しい水着欲しいかな〜って思っってたところかな…どうしてそんなこと聞くの?」

「ふ~んちょうどいいわね。アタシの水着着てみない?」

「へっ?サクラコちゃんの水着をボクが?…その…ボク…そんなに大きくないし…」

そうだな、スヤサキ。お前の偽乳は形は良いが、お姉さん(自称日向)よりは小さい。


「バカ、何を勘違いしてんのよ!アタシの水着っていうのはアタシが作った水着のことよ。アタシが何を選考してるか忘れたの?」

「あ!そういうことか!?サクラコちゃんが作った水着かぁ。でもどうしてボクに水着を着せたいのかな?」

「今度の夏休みに入る前のファッション科と俳優科でやる水着コンテストに出るためよ。アタシまだモデルの子が決まってないの」

何?水着のコンテスト?聞いてないぞ、そんな面白そうなイベント。


「う、嬉しいけど、確かその水着コンテストって女性限定だよね?男のボクが出るわけに…」

「大丈夫よ、アンタなら似合うと思うわ。」

「ええ!?そ、そうかなぁ…あ!違う違う!ボクは男だよ!女性用の水着は着れないよ」

まんざらでもない表情を浮かべるも、慌てて我に返るスヤサキ。


「着れるわよ。アタシの作った水着のモデルにピッタリだもの。ていうか見た目が女の子なんだからバレやしないわよ」

「ボクの女装姿にピッタリ!?」

「そう!アタシがイメージしてたモデルにピッタリだわ。今度作った水着は少しボーイッシュなものをイメージして作ったの。アタシの知り合いにはボーイッシュな子いないのよね〜。こんな感じ」

お姉さん(自称日向)はスマホの画面を見せてきた。


「わぁ可愛い水着だね。ボク、この色好きかな」

スマホの画面には水着のイラストが映っている。上は右胸が白で左胸が黒の水着。下は白のローライズ。スヤサキにピッタリとはよく言ったものだ。スヤサキがやっているVチューバーのキャラも白黒の猫をイメージしたキャラだ。


「実はアンタをイメージしたのよね、この水着は」

「え!?ボクを?」

「うん。アンタって女子に大人気じゃん?でもその人気って逞しいくて男らしいって言うより、可愛くて女の子みたいな感じでしょ?だから今回は少しボーイッシュな見た目にしたのよ。どう?イケてるでしょ?」


「これを…ボクが…」

スマホの画面に映る水着のイラストに嬉しそうな表情を浮かべるスヤサキ。なんだよ、興味津々じゃないか。


「気に入ったのか?」

「あ!…う、うん…」

「なに?気に入ってくれたの?じゃあ着てみる?」

「ボ、ボクは男だから…それを着るわけには」

スヤサキは両手を出して遠慮するもチラリと水着のイラストを見て物欲しそうな表情する。

「何を言ってる。もう女装してるのに」

まったくだ。偽乳まで作る本格派のくせに。

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