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《エピローグ フラワームーンとボクの秘密》
ボクには誰にも言えない秘密がある。
いや、あった。それが正しいかな。
その秘密は、ボクが「月見夜ルーナ」として配信者をしていること。
ボクの趣味が女の子の服を着ること。
この二つの秘密がボクも通っている大学の男子「真神陽太」くんにバレてしまったこと。
はぁ、油断したなぁ。
バレないと思って高を括ったのがまずかったかな。
真神くんがバイトしているお店で、
ルーナのイベントするなんて、
でもいいライブハウスだったし、
もう他のライブハウスを探すのも時間的に難しかったし…
でも、ボクの秘密を知った真神くんをマネージャーにすることに成功した。
真神くんが快く引き受けてくれたから良かった。
それにまだ、あの秘密はバレてない…
「お嬢様?」
中村に声をかけられた。
「なにかな?」
「お嬢様。西園寺様から頂いたメイド服をクリーニングをいたします。脱いでもらえますか?」
「フフフ。もうちょっといいじゃない?このままでいさせてよ」
ボクは鏡の前で、上機嫌にくるっと回ってスカートをひらつかせた。
窓の外には大きな満月がオレンジ色に輝いていた。




