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スヤサキ君って実は…  作者: みえないちから
《第二章 陽太、ゴスロリ美少女と食事をする》
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《第二話 おすすめはミックスジュース》

「ミックスジュース…なんてどうだ?」

「ミックスジュースか…」

ゴスロリ美少女はしばらく考え込んで、

「わかった、ミックスジュースにするよ」

「そうか、良かった。ここのミックスジュースはこっちで飲めるものとは違って大阪のミックスジュースなんだ」

「大阪の?こっちのとは何が違うのかな?」

はて?と首を傾げて見せるゴスロリ美少女。


「大阪のミックスジュースには東京と違って牛乳が使われているんだ。味がまろやかになって美味しいぞ」

「ほんと?ボク牛乳大好きだから楽しみかなぁ」

「牛乳好きなのか?良かった、良かった。だったら、ここのミックスジュースは本当に美味しいから気に入ってくれると思う」

ゴスロリ美少女は瞳を閉じてスンスン。俺のコーヒーカップから漂う香りを嗅いでいる。


「キミはコーヒーを頼んだんだね?とってもいい香りがするよ」

「そうだろう。コーヒーも絶品なんだよ、この店は」俺は自慢気に言った。

自分のバイト先だが、本当に美味しいから自画自賛してみても悪くないだろう。


「そっか、そっちも美味しそうだね…う〜ん…」

ゴスロリ美少女はコーヒーにも興味を示し、しばらく沈黙した。

ところで、このゴスロリ美少女は、一体誰なんだ?という疑問をお持ちではないだろうか?

今日この場所、「喫茶ペンブローク」で会う約束をした。このゴスロリ美少女の正体は…


「スヤサキ?…どうした?」


「うん、コーヒーも食後に頼んでみようかな…と」

ゴスロリ美少女の正体は同じ大学に通う男子大学生、須夜崎夜空スヤサキヨゾラだ。

もう一度言うけど、だ・ん・し♡大学生の須夜崎夜空スヤサキヨゾラ君だ。

大事なことなので二回言ったよ。


スヤサキはなんのてらいもなく、女装をしている。

ゴスロリをなんなく着こなしてる。

普段、大学内では女子に「可愛い、可愛い」とモテまくりの須夜崎夜空は正真正銘の男だ。

可愛い系のイケメン男子と言うことだな。

はぁ〜俺は男にドキドキしてしまったのか…

悲しいけど、見た目は本当に美少女なのよね。


「何にしようかな…カレーライスがいいかな?ナポリタンも美味しそうかな…う〜んでも服にソースがついちゃうと困るかな…」

スヤサキは注文を決めきれない顔で悩んでいる。

今日は一緒に夕食を取る約束をしていた。メニューを真剣に見ているスヤサキの顔を思わずジッと見つめてしまう。

こいつマジで美人だな…メイクってすげぇや。


「ん?ボクの顔に何かついているかな?」

「あっ!いや、何でもない。何もついてないよ」


つい見惚みとれてしまった。顔はタイプなんだ。

しかも今は女装しているから間違えてモッコリしないように気をつけよう。

スヤサキくんは男の子。スヤサキくんは男の子。スヤサキくんは男の娘。


「そう?ならいいかな。それよりも食べる物が全然決まらないよ〜真神くんは何がいいと思うかな?」

「服に汚れがつくのが嫌ならホットサンドはどうだ?玉子とツナがあるけど」


俺はスヤサキの要望を聞き、あまり服が汚れなさそうなホットサンドを勧めた。

「美味しそうだね、ホットサンド。うん、それにするよ」

「じゃあ俺は…カレーライスにしようかな」

「あぁ!ずるいぃ!ボクもカレーライス食べたかったかな〜」

「ずるいって、スヤサキは服が汚れるからカレーライスは避けたんだろ?」

「む〜そうだけど〜、でも、真神くんが食べるんだったら、ボクも食べたくなってきたかな」


俺がカレーライスを注文しようとしたことにより、本当は食べたかったカレーライス欲が復活したようだ。「うぅ〜ん」と再びメニューとにらめっこしだすスヤサキ。あ!そうだ。俺はいいアイデアを思いついた。というより思い出した。


「じゃあ、紙エプロンをつけて食べたらどうだ?」

「紙エプロン!?はぁっ!そ、そうだよ、その手があったかな」


そう、「喫茶ペンブローク」では紙エプロンのサービスをしている。今のスヤサキのようにお気に入りの服を汚したくないお客さんもいるだろう。

「それじゃあ、カレーライスとナポリタンも追加で頼んじゃおうかな」

「ナポリタンも!?じゃあホットサンドはやめておくか?」

「何を言っているかな?真神くん。ホットサンドももちろん食べるに決まっているかな」

エッヘン!と言わんばかりに胸の前で腕組みするスヤサキ。


「ええぇっ!カレーライスにナポリタン、これに加えてホットサンドも食べる気なのか!?」

こ、こいつ小柄な体しているのにいっぱい食べるんだな。

意外だ、人は見かけによらないか…今も男なのに女の格好が似合っているし、

こいつの体はどうなってるんだ?


「そ、そうか。お腹減っているんだな」

「うん、もうペコペコだよ〜」

自分のお腹をさすって溜息まじりに言うスヤサキ。

「そんなにお腹減っているってことは、お昼ご飯抜いてきたのか?」

「いや、食べてきたかな」平然と答えるスヤサキ。

「今日は朝から外に出る用事があったからお昼は定食屋さんで唐揚げ定食大盛りを食べただけだよ〜お腹すくわけだ〜」






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