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01.プロローグ
あやかし和風ファンタジー始めました!
よろしくお願いいたします!
「やっと、会えたね」
息を切らしてたどり着いたその先には、一面に紅葉したもみじが広がっていた。
紅葉するにはまだ少し早い気がするけど。
私の力に反応するように紅く輝いて見えるその光景は、とても幻想的で美しい。
「そんなに焦らなくても、俺はいなくなったりしない」
「もう、私の手を離さない?」
「ああ。今度は絶対離さない」
「……約束、だよ?」
彼とは昨日も一緒にいたはずなのに。
愛しいその人に数百年ぶりに会えたような気がして、私からは涙がこぼれそうになった。
真っ赤なもみじに包まれて、その中にぽつりと立つ彼の白銀色の髪がとても美しくて。
私には彼がお伽噺の中から出てきた神様に見えた。
「何度生まれ変わっても、俺が必ずおまえを見つけてやる」
「うん……、銀夜、大好き」
溢れた涙を拭って彼に駆け寄ると、銀夜は嬉しそうに口角を上げて私を抱きしめてくれる。
「俺も。もう二度と離れない」
銀夜が一緒なら、私はなんでもできるような気がした。
恐れるものは、もうなにもない――。