いざない
羽根のようにまぶたに触れて
今日はなにもかも忘れて
お眠りなさいという
時に
希望は素知らぬ顔をする
すがるのはそちらの勝手、
そうつれないことを言って
光がないのなら
影ではなく闇だという
でも
眠るにはもってこいだと笑う
一握りの
安らかな気持ちを連れて
疲れた身体は重石になり
沈み行く底まで沈んだのなら
光があれども
あなたがいなければ
影もできないのだからと笑って
明日を恐れずに
お眠りなさいという
口づけは
眠りへの祝福
幸福の上澄みを漂い
一人では切ない夜を
越えるために
ひとは夢をみるという