アリス・マイルズ17才、富豪商家嫡男とインテリ宰相嫡男のハッピーエンド
ごきげんよう。
アリス・マイルズ、17才です。
ロスシュリ国王女ユージェニーがワイト国王子アンリの王子妃の居室で暮らすようになった後、わたくしは学園を辞めて、エドワードのいるロスシュリ城で暮らすようになりました。
今日は、久しぶりにマイルズ伯爵家に里帰りしています。
ヴィヴィアンは、アンソニーに甘えまくって、目が当てられません。
アンソニーは、幸せそうなので、これはこれで良いのだと思います。
魔王ノアも元気です。
ノアと従弟のローレンが種子を買い付けては魔王領に蒔いているのが功を奏して、魔王城周辺にも少しずつ緑が戻ってきたようです。
むしろ以前より多種多様な植物や動物が暮らす神の園になっているそうです。
従弟のローレンは、アンソニーに伯爵位を譲った兄君の嫡子です。
予言の書の茶目茶髪の商家の息子ローレンです。
予言書のローレンは、伯爵業を継ぐよりも、商会の流通網を広げることに興味がありました。
爵位の返上を検討中だったので平民を装って学園に通います。
そして聖女と出会い、彼女に励まされて、卒業後、爵位は継がず自分の道を進むことを決意します。
現実では、13才の頃に魔王領の瘴気関連施設を作った時に、アンソニーがお兄様に相談して、建設会社の手配や資材の発注を手伝ってもらった頃からのつきあいです。
アンソニーのお兄様の監督の下ではありましたが、ローレンの商人としての初仕事でした。
翌年、アンソニーが還俗して爵位を継いだことにより、14才の頃に本格的なビジネスを開始し、人的資源も探してくれますし、研究開発用の特殊機器なんかの受託発注も職人を探すところからやってくれました。
最初は、伯爵だった御父君に顔つなぎをしてもらって、具体的な部分をローレンが詰めることで信頼を積み上げていき、今では立派に独り立ちしています。
15才の時にはちょうど仕事が面白くてたまらない時期で、学園に通うことなど考えもしなかったようです。
最近では、特殊資材の開発・製造関連のビジネスインキュベーター的なこともやっていて、起業したい職人さんたちのスポンサーやSMEオーナー業もやってます。
ノアと種子を買い付けに行くのは、単なる旅行感覚です。
つるんで楽しいから、っていう理由だそうです。
かなり自由に生きています。
わたくしの印象では、彼がまだ爵位に縛られていたとしても聖女が思っていたような不幸な人ではなかったと思います。
ローレンが聖女の魔王討伐に同行したのは、純粋に面白そうだったからなのではないでしょうか?
ローレンは、予言書の聖女よりも、ノアとの方がよっぽど仲良しな気がします。
誰かが幸せにしなくても、自分で自分を幸せにできる素晴らしい人ですから、この商家嫡男は、どんな人生でもハッピーエンドでしょう。
ノアは、ローレンにバンバン発注して、お金がいっぱいかかりますが、ヴィヴィアンの「ディヴァインライト」に照射されて生成した鉱石が、なかなか純度が高くて高値で売れるようです。あの埋蔵量だと魔王領はしばらくお金に困ることはないでしょうね。
そういえば、ノアは、アイザックともよく遊んでいます。
鉱石回収ドローン、魔石純度測定器、魔石研磨機などいろいろ開発しているようですわ。
開発した機器の動力は瘴気から変換された有機物を利用したバイオマス発電とのことで、派生機器も電動にシフトしているようです。属人的なエネルギー供給からの離脱を目指しているのですって。楽しそうよ。
予言の書のアイザックは、趣味の魔道具開発において才能がありながら、宰相の後嗣という重責との間で葛藤しています。
聖女が二人目の部員として参加してくれることで「魔道具部」を立ち上げることができたアイザックは、聖女のために魔王討伐に加わり、聖女を慕うようになっていきます。
実際のアイザックは、今年3つの学術賞を受賞して、お父上から政治ではなくエンジニアの道を突き進んだ方がいいのではないかと勧められたそうです。
アイザック的には、ノアとわちゃわちゃ開発しているのは「趣味」で、政治が本業になることを疑っていないようでした。
「技術畑の知識が政治の邪魔になるとは思っていませんが?」
逆に聞き返してしまったそうです。
ノアだって、魔王業の合間に趣味でやってるわけですから、アイザックが宰相業の合間にやってても別に不思議ではないですね?
ノア曰く「アイザックは、婚約者に甘々だから、予言書の聖女に浮気はしていなかったと思うけどね」とのこと。
「予言の書だと、聖女に頼まれたらなんでも作っちゃっているから、よっぽど愛されてると誤解しちゃったんじゃないかな?」とも言っていました。
アイザックの婚約者へのプレゼントは魔道具ではなくて、自分で育てたお花らしいです。
というわけで、予言の書のインテリ眼鏡に関しては、「僕は、ハッピーだー!」っと声高にアピールするタイプではないけれど、ちゃっかりハッピーだと思いますわ。
来年のエドワードとの新婚旅行の際には、魔王領をゆっくり周遊させてもらうのが今からとても楽しみです。
後日談①です。
最初は15才時として書いたものですので、不自然な点があるかもしれません。
m(__)m




