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第50話 ルーディ・ズエアリト

 クリムゾン・クレイドルは、王国、神聖国、帝国、大樹国の四か国の連携力を高めるために作られた。


 ……訳なのだが、『誰を配置するのか』という話になる。


 かなり重要な地点であり、生半可な人間に任せられない。

 そのため、それ相応の人間を配置する必要がある。

 が、すぐに決まった。


 というか、レッドエリアで結界を作るときに参加していたリューガ、マックス、八風は『それぞれの国でかなり重要なポジション』なのである。


 このエリアは王国にとって南西であり、リドナーエ伯爵領は近く、そこの長男であるリューガが対応するというのも分かる話。


 ……余談だが、宝剣はあるので、すぐにリューガに当主の座を渡して『領都フェラリム』に押し付けつつ、ゴードンが来るという方法もなくはない。リューガはリドナーエ家の次期当主だからだ。

 領地経営なんてヴィスタが置いていった本をもとにやっているわけで、別にフェラリムの屋敷にはどちらがいてもと変わらない。


 ということを言われた時のゴードンとリューガの反応は『あっはっはっはっは!』である。大雑把もここまでくると芸術である。


 とまぁ、とりあえず当主交代にはならず、リューガが来ている。

 ただ、彼自身がいずれゴードンからリドナーエ家を引き継ぐので、いずれ誰かに任せることになるだろう。


 ちなみにこのようになった一番の決め手はヴィスタの意見だ。


 ただし、ゴードンとリューガはその精神性と大雑把さとカリスマの種類は似通っているが、ヴィスタからすると『いろいろ違う部分がある』ので、今のところクリムゾン・クレイドルにおいておくのはリューガである。


 で、マックスは神聖騎士団の中でもかなり上の役職を持ち、八風は帝国の裏宰相で、『十分な能力がある』とされたため、彼らも残すことに。


 最後にアルバからだれを出すかなのだが、参加していたのはセラではあるが、これはサイラ君をうまーく利用するための『太もも要員』である。


 ……太もも要員ってなんだ? まあいいか。


 セラに関してはアルバに残ったほうがよく、ダイナはヴィスタからの指示を最も出される人間なので、遠いところには置けない。


 じゃあ誰が? となるわけだが……人材があまりいない。

 とはいえ、誰が行ったとしても『絶対お前の資料ヴィスタが書いただろ』となるのは目に見えているので、誰でもいい。


 とはいえ、多少は器用な方がいい。


 そして大樹国アルバには、ものすごく器用な人間がいた。


「王国の何でも係と言われた『ズエアリト子爵家』の次女を採用しない手はない。というわけで任せるよ」

「わかりました。ヴィスタさん」


 起伏の乏しい体つきをしている青色の長髪の女性。

 年は十八で、かなり穏やかでおとなしい雰囲気をまとっており、浮かべられた笑顔は他人を安心させる力が優れている。


「ルーディ・ズエアリト。『王国で部下にしたい人材ランキング一位』と言われるズエアリト子爵家の中でも天才……か」


 話しているのはヴィスタの執務室なのだが、そこにやってきていた八風は微妙な表情だ。


「あの、八風さん。何か?」

「いやー。まあ、その、『もうちょっとどうにかならなかったのか?』と思う部分はあるけど、どうでもいいことでもあるね。同じくクリムゾン・クレイドルを動かしていく人間として、一緒に頑張ろう」

「はい。頑張りましょう」


 まあ、八風が微妙な表情になっている理由はとりあえず置いておくが、このルーディという少女はかなりの手腕だ。


 とにかく『器用』であり、抜群の頭脳を誇るヴィスタの下につくというだけで『なかなかの存在感』を誇るだろう。


「ルーディがいれば、クリムゾン・クレイドルに来る連中の中でも『知ってるやつ』は調子に乗らないだろうな」


 ダイナが良い笑顔でそう言った。


「ルーディはものすごく器用だからね。何より、記憶力に関してはダイナは足元にも及ばないし」

「そんなに覚えるのが上手いのか……」

「上手いというか、『完全記憶』のスキルがあるから、認識したすべてを記憶できるんだよ」

「すげぇ!」

「……あの、誰にも話したことはないのですが……」

「まあ、マスターならいつもこんな感じだろ」

「それもそれでどうかと思うけど……」


 八風としては、確かにヴィスタが他人が持つスキルを知っていても不思議ではない。


 が、別にそれを直感的に受け入れられるかは別である。


「というわけで、ルーディにクリムゾン・クレイドルでの『アルバ代表』を任せるとして……あとは『帝国』だね」

「問題はそこだな」


 冒険者が出しゃばってきたりルイベルが暴走したりといろいろあったが、それは『大樹国アルバ』という、『帝国からめちゃくちゃ遠い場所』の話。


 クリムゾン・クレイドルは『帝国にも隣接している場所』なので、十分接触しやすいし、受け入れない理由もない。


 そのため、強硬派として潜んで活動している連中にとっても入りやすい場所だ。


 というか、帝国内だと国民が馬鹿すぎる上に多少煽られても寝たら忘れるので『成果がほぼない』ため、クリムゾン・クレイドルに入ってくる理由は十分にある。


 それに対応できなければ、ある種の『反強硬派』としての力が発揮できない。


「というか、ルーディは荒事には対応できるのか?」

「穏やかに見えてるでしょ? 実はSランク冒険者をワンパンできるよ」

「なぬぅ!?」


 細腕だからといって油断できないのが魔法がある世界の女性である。


 ……ということを前提としてもパワフル過ぎんか?

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