第49話 クリムゾン・クレイドル
レッドエリアのコアモンスターだが、サイラ君がぱっぱと発見してくれました。
これで、モンスターが加速度的に増えていくというクソみたいな現状は改善できる。
ちなみに、『捕獲』ではなく『討伐』してしまった場合、ガチでマジの無法地帯になるので、あくまでも捕獲だ。
とはいえ、できるのは『改善』程度であり、『制御』ではない。
まあ、このあたりの仕様の話を始めると日を跨ぐのでこの辺りにしておこう。
要するに、『大規模な結界が存在する』ということと、『コアモンスターを捕獲している』という二つの条件を満たして、それを公表することは、『レッドエリアであっても、一応、人が住むことはできるような気がする』程度のレベルを示すことになるのだ。
まあ、『直感に反しない』というだけの話で、『一応』だとか『ような気がする』だとか、なかなか断言ゼロの言葉が含まれているが、実際に行ってみればわかる。
結界の外はモンスターがあふれまくっているのだ。これで原始的な恐怖を感じない人間はまずいない。
そして、先ほどの二つの条件だが、これらはいいかえると、『結界が崩壊する可能性』と『コアモンスターを取り逃がす可能性』がゼロであると証明することもなかなか難しいのだ。
それらの可能性がゼロと証明できない以上、結界内部を利用する人間にどれほど『格安の土地提供』や『激安の税率設定』などの優遇処置をとったところで、『命』という掛け金が付いて回る。
そして、『命』という掛け金の適切なリターンは、『存在しない』のだ。
適切なオッズが存在するという意見があることは自由。しかし、それらが絶対的に信じられるものであってはならない。
命は命。それはある種、絶対的な価値を持つ。
死者の蘇生ができない以上、『人の価値』に差はあっても、『命の価値』に差はないのだから。
重要なカギになる部分があるとすれば、現状は二つ。
一つは、『結界とコアモンスターの管理計画者』の名前に『ヴィスタ・アルバ』の名前が存在するか。
もう一つは、『ヴィスタ・アルバ』という人間をどこまで信じられるか。
この二つ。
そして……ヴィスタのこれまでの功績を並べて、『その恩恵にあやかりたい』と思う人間は、思ったより多かったようだ。
レッドエリアの中心地に作られた巨大結界。
そこから三方向、王国と神聖国と帝国、それぞれの首都に向けて『結界で作られた道』が整備された。
結界の中に作られた都市の名は、『クリムゾン・クレイドル』
訳すれば『紅の揺りかご』と言ったところか。
ヴィスタを信じる……いや、ヴィスタの『頭脳』に魅了された『信者』が集まる、ある種の狂気すら感じる領域である。




