第47話 夜
夜になった。
ので、レッドエリアから離れて、近くの土地に降りて休むことになった。
「……結局、丸一日倒し続けても無理だったな」
「まあでも、よくよく考えると、三人で一日でどうにかできる量なら、苦労しないか」
「とはいえ、倒し続けているのに、魔石を回収することもできないとはな……」
晩御飯はあらかじめダイナが用意したものを食べました。
サイラ君は仮設拠点の中にあるベッドでセラと一緒に寝ている。
そういうわけで、男三人で適当にしゃべっているわけだ。
「あー。魔石ねえ。確かにモンスター討伐の醍醐味みたいなもんだからな」
モンスターと動物の違いは、『体内に魔石を持っているかどうか』である。
そして、『ダンジョンのモンスターと地上にいるモンスター』の違いは、『倒すと魔石を残してチリとなるか、亡骸が残るか』だ。
ダンジョンのモンスターは魔石を持ち、倒すと魔石を残して体は塵となって消えていく。
そのため、解体する必要もないので魔石を手に入れるだけで終わりなのだが、あまりにも多すぎて魔石を拾う暇もない。
魔石は耐久性に関しては石と大して変わらないので、モンスターに踏まれてすでにバラバラになったころだろう。
なかなか残念である。
「まあ、そんな暇がないのはわかりきってたけどね」
「モンスターに踏まれてなくなっているだろうし、そもそも自分たちの攻撃の余波に耐えられないだろうからな」
ちなみに、魔石はモンスターの体内に実際にあるわけで、そもそも攻撃の段階でモンスターの肉体を塵に変えるかのような攻撃をすると、魔石自体もなくなる。
そのため、『対モンスター』として作られた戦術というのは、『バカ高い火力』というよりは、『削る』というものに近い。
しかし、宝剣や聖剣を持ち出して戦っているわけで、こちらの火力が高すぎて魔石すら残らない。
基本的に、『大量のモンスターを倒す』という話だと『大量の魔石を手に入れる』というリターンが付いて回るものだが、今回の場合はそうもいかない。
要するに……この世界に生きる『常識』と照らし合わせると、『なんかもったいない』ということだ。
「まあ、だからって、モンスターを一体一体倒して、その都度魔石をちゃんと拾うなんてこと、やってる暇ねえしな」
「日が暮れるというか寿命が尽きるね」
「とはいえ、こちらの火力が理不尽なのもまた事実だ。朝にここに来た時よりは減っている気がする」
「そうか?」
「……気がするだけかもしれんな」
まあとにかく、確定していることは一つ。
明日も頑張ろう。という話である。




