表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/64

第45話 大暴れ

 セラはサイラの傍にいる必要がある。まあ、遠距離攻撃ばかりをするのであれば、別にサイラの傍にいたままでもモンスターを殲滅できるが、『サイラがセラを警戒するとそれはそれでマズイ』ので、セラはドラゴンの上で待機だ。


 というわけで、リューガ、マックス、八風の三人が大暴れすることになった。


 ちなみに、河までギチギチにモンスターが詰まっているわけだが、それでも一つの『地方』と言える広さなわけで、『地形が様々』と言えるほどの広さがある。


 平原、森、小山、湖(こっちはモンスターも平気)、廃都などなど、様々だ。


 ただ、超えられないということは、言い換えれば空を飛ぶ個体や跳躍力のある個体は存在しない。


 そして、船を作れるだけの知性や技術も存在しない。


 彼らはレッドエリアから出てこない。だが勝てなかった。

 過去に様々な作戦が行われているが、そのどれもが『物量』に負けたのだ。


 とても長く放置されているが、いまさらそこに手を出すということは、この地には『理不尽』と『需要』が高まりつつある。ということだ。


「おりゃああああああ! ぜー。はー。宝剣って思ったよりキツイな」


 リューガは『宝剣ニブルヘイム』を握っているが、疲労困憊に近かった。

 周囲は『とんでもない膂力でたたきつけたような痕』があったり、高さ五百メートルに及ぶ『氷山』ができてモンスターが凍り付いていたりと、なかなか直感に反する現象が発生している。


「……なるほど、宝剣に『増幅装置』は備わっていないか。少ない魔力を大きな魔力に増幅させてから使うのではなく、もともと大量の魔力を要求している」


 マックスは『聖剣タキオングラム』を握って、モンスターを殲滅していた。

 『速くて重い斬撃を出せる』という超絶シンプルな能力故に、『物量自慢』のモンスターをなぎ倒しまくっている。


「もともと普通の人間が使うことを想定していない。ともいえるか」


 刀を構えている八風の周囲には爆風が荒々しく巻き起こっている。

 モンスターたちが風で作られた刃で切り裂かれ、暴風に巻き上げられて哀れなほど散っている。


「……」

「あら、トルちゃんも絶句してますね」


 トルちゃんというのはドラゴンのことだ。

 正式名称は『擬態魂竜(ぎたいこんりゅう)トルーテ・アムト』というので、愛称は『トルちゃん』になったのである。


 そして、『擬態』の名に恥じぬ性能を持ち、下に降りた三人はすでに、このドラゴンの場所がわからなくなっているだろう。

 ……ということはないか。八風が時々チラチラこちらを見ている。


 ただ、物量しか自慢することのないモンスターは個体では弱く、擬態に気が付く様子もない。


「しかし、突っ込みどころのある戦場ですねぇ。サイラちゃんもそう思うでしょう?」

「う~?」


 サイラの背中をなでるセラ。

 サイラは気持ちよさそうにしているが、まあ、セラが何を言っているのかはさすがに分からないだろう。


「それにしても、宝剣ニブルヘイム。『自分がやったことを、巨人がやったこととして再出力する』能力と、『絶大な氷属性』ですか、シンプル……な方ですね」


 特殊な効果というよりは、『膂力の強化』と『属性』というものなので、まだわかりやすい方だろう。


「サイラちゃん。将来、あなたはアレを使うことになるんですから、今のうちにちゃんと見ておきましょうねー」

「う~♪」


 撫でているゆえに気持ちよさそうにしているサイラ。

 ただ、その視線は……リューガのほうを向いている。


 幼く、周囲の認識が魔力によるもののほうが大きいのが今のサイラだ。

 リューガの魔力、のようなものがわかるのだろう。


 ……いや、コアモンスター云々に関しては、『五感よりも魔力感知のほうが優れているからわかる』というもので、別に魔力感知そのものも『赤ん坊レベルと言われれば納得するくらいのもの』だろう。


 空中にいながらサイラがリューガの魔力を感知できるのかは疑問ではあるが……サイラの様子を見るに、リューガの魔力を感じ取ることはできているのかもしれない。


「あ~♪」


 ただ、セラの太ももに張り付いて離れようとしないので、セラとしてはばかばかしくなってきているのも、また事実である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ