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陸軍検討会議2

東條陸相も緊急閣議を終えると陸軍省にて、参謀本部も交えて会議を開催していた。東條陸相は挨拶も程々に、新型戦車の開発について尋ねた。フランス陸軍の投入した新型重戦車はまさに、予想外の産物であった。せっかく開発した三四式戦車を更に上回る新型戦車が投入されてしまい、散々な目にあったのだ。その新型重戦車への対抗は必要であり尋ねられた陸軍機甲本部本部長は、新型重戦車の開発状況について詳細な説明を始めたのである。新型重戦車は海軍の10センチ両用砲を改良した主砲を装備した物として開発が進んでおり、その65口径100ミリ砲はあらゆる戦車を撃破可能な威力を有していると陸軍機甲本部本部長は語った。海軍の艦載型10センチ両用砲と同じく射撃指揮装置を装備しており、射撃精度も従来の戦車砲よりも格段に向上したと説明し記録映画を見せた。

その記録映画には巨大な戦車が映し出されており、停車し砲撃をすると標的とした装甲を貫いた模様が記録されていた。陸軍機甲本部本部長は標的の装甲は120ミリの厚さを誇り、それを距離800メートルで貫いたと語った。そして次の映像は新型重戦車の装甲を試す試験が行われ、距離800メートルから新型重戦車に砲撃が行われた。その映像には見事に砲撃に耐え抜く新型重戦車が記録されており、その重装甲が証明されていた。陸軍機甲本部本部長は新型重戦車は最大装甲厚170ミリを誇り、車体後部でも80ミリの装甲厚を誇ると説明した。重量も50トンを誇るが650馬力を誇る新型エンジンにより50キロが発揮可能と断言した。その代償として搭載砲弾がやや少ないという欠点があると、陸軍機甲本部本部長は残念そうに言った。避弾経始を三四式戦車と同じく重視するのと、車体を小ぶりにしようとした結果搭載砲弾がやや減少する事になってしまったのである。それを聞いた東條陸相は継戦能力が低下するのは困るが、それを上回る程に攻撃力と防御力が向上しているので問題無いと語った。そしていつになれば実用化出来るのか尋ねた。陸軍機甲本部本部長は急いでいるが実用化は早くて年末であり、量産は来年早々から実行すると答えた。残念そうにする東條陸相であったが、陸軍機甲本部本部長は一式自走砲は来月には実用化可能であり量産も早期に行うと語った。

装甲車輌について話終わると、新型航空機について東條陸相は陸軍航空本部本部長に尋ねた。陸軍航空本部本部長は三菱重工がハ43エンジンの性能向上型を開発中であり、海軍との共有により陸軍機にもそのエンジンが配備される為に、川崎重工が新型機を開発中であると語った。それを聞いた東條陸相は大英帝国とイタリア王国への軍事援助を更に強化しても良いと判断した。そして生産ラインの一定程度を大英帝国とイタリア王国への軍事援助として提供する事に決定し、その方針を下した。そしてフランスが投入した大型噴進弾への対抗策を話し合おうとした時に、秘書官が会議室に飛び込んで来て東條陸相に通信文を渡した。驚く東條陸相であったが、内容を確認すると先程の大型噴進弾の件は一時保留にするとし、そして山本総理兼海相と共にコロリョフ技術者・糸川技術者に会いに行くと説明したのであった。

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