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帝國連合艦隊〜史上最大の空母艦隊出撃!!〜  作者: 007


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空中戦

太平洋上空5000メートル


蒼空を海鷲が飛んでいた。その数は実に1567機にも及ぶ。これだけの機数を誇る海軍は世界中を探しても大日本帝國海軍連合艦隊しか無いだろう。しかもその1567機は戦闘機・攻撃機・爆撃機だけで、半数出撃の数である。空母には未だに1567機残っており、偵察機・早期警戒機も残っているのだ。




『全機に伝えます。敵編隊は高度5000メートルで前方90キロ地点にいます。戦闘機60機・攻撃機45機・爆撃機45機です。健闘を祈ります』

「了解」


攻撃部隊総隊長百瀬友子中佐はそう答えると、スイッチを切り替えた。切り替えた先は、自らの本当に指揮する戦闘機部隊であった。


「全機、上昇しつつ最大速度で突撃。敵は倍だけど、私達の零戦と敵のF2Aでは性能は段違いだから。けど気を引き締めて頑張るように。以上」

『了解!!』


部下の返事が受話器から聞こえた。あまりの声の大きさに、百瀬中佐は受話器を耳から離した。


「元気が良いわね」


百瀬中佐はそう言いながら、受話器を元に戻した。




敵の数は150機。迎え撃つ味方の総数は75機である。大和・武蔵・信濃3隻の戦闘機部隊が百瀬中佐の指揮する部隊であった。今回は全航空部隊を指揮する総隊長も兼任していたのであった。






「見付けたわよ」


百瀬中佐はそう言うと、受話器を取った。


「全機急降下!!攻撃開始!!」


そう命令しつつも、機体は急降下を始めていた。部下の機体も慌てて急降下を行った。


百瀬中佐の作戦は、敵の真上から攻撃するものであった。敵は高度5000メートルで進撃している為、高度6000メートルからの奇襲を零戦部隊は仕掛けたのであった。隊長機には実験的に機上レーダーが搭載されており、その真価が発揮されたのである。






「隊長!!真上です!!」

「くそったれ!!全機上昇!!」


攻撃部隊総隊長であるエンタープライズ戦闘機部隊隊長のベック大尉は口汚く罵りながら命令を下した。


「何てこった。イエローモンキーの戦闘機は紙飛行機じゃないのか?」


ベック大尉は機体を上昇させつつ呟いた。彼の乗るF2Aバッファローは無理な上昇に泣いていた。しかし敵は涼しそうな顔をしながら急降下を続けていた。


ドドドドドドドドッ!!

「くっ!!」


ベック大尉は攻撃せずに、敵を攻撃を避けるのが精一杯であった。


「早い!!」


第一印象は速度の違いであった。急降下の相対速度は別にしても、敵は600キロは出している。対するこちらは420キロが最大だ。速度が違い過ぎる。


「化け物かよ……なに!?」


ベック大尉が振り向くと、味方が半数に減っていた。







「柔なもんね」


百瀬中佐は機体を引き上げながら呟いた。


「13ミリ機銃で落ちたじゃない」


背後では複数の敵機が爆発していた。


百瀬中佐は次の敵機に狙いを定めた。敵機は追撃を逃れようと速度を上げながら、右に大きく旋回した。


「甘いわよ」


百瀬中佐は速度を上げて敵機の真後ろに付いた。


ドドドドッ!!

ドグワァァァァァン!!


13ミリ機銃の1掃射だけで、F2Aバッファローは爆発した。


「次!!」


百瀬中佐は気を引き締めて、次の敵機へと向かった。







グバァァァァァァン!!

「くそったれ!!」


ベック大尉は叫んだ。敵の攻撃を受けて、右翼が吹き飛んだのだ。F2Aバッファローは揚力を失い、海面に一直線に落ちていった。


「悪夢だ。悪夢だ。悪夢だ」


ベック大尉は『悪夢だ』と呟き続けながら最期の時を迎えたのであった。








大日本帝國海軍連合艦隊第1機動艦隊旗艦超弩級空母大和艦橋


『零警より報告です。[零戦部隊は敵航空部隊を壊滅させり。脅威は排除された。敵艦隊に対しての総攻撃を仕掛けんとす。]以上です』


通信室直通スピーカーからの報告に、艦橋にいた幹部達は拍手していた。初戦において敵航空部隊を全滅させたのは、大きな戦果だろう。しかし問題は敵艦隊への攻撃であった。


「長官。いよいよ敵艦隊への攻撃ですが、戦艦を沈められるのでしょうか?」



松田参謀長が中野司令長官に尋ねた。


「沈められるわよ。急降下爆撃で対空火器を破壊して、攻撃機の雷撃で止めをさす。戦艦を沈める為に訓練に励んできたのよ?『月月火水木金金』の賜物を見せられる機会よ」

「大日本帝國海軍連合艦隊とアメリカ合衆国海軍太平洋艦隊の決戦です。雌雄を決する重大な戦いの時に、参謀長が弱気でどうするのですか!!兵達の士気に関わります!!」


飯島艦長が怒鳴った。艦橋は水を打ったように静まり返った。その静粛を打ち破ったのは、中野司令長官であった。


「今ここで争っても仕方ないわ。あの子達の活躍を祈りましょう」

「分かりました」

「すいませんでした」


2人は頭を下げた。






こんな状況であるが、航空部隊は刻一刻と敵に向かっているのであった。





次回、太平洋艦隊への空襲です。

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