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対策会議2

ルーズベルト大統領は海軍のクイーン作戦部長に対して、海軍の拡張計画について尋ねた。それを受けてクイーン作戦部長は説明を始めた。拡張計画開始から3カ月が経過し、既に巡洋戦艦エセックス級1番艦と2番艦が空母への改装工事を終え就役したと語った。更に太平洋艦隊と大西洋艦隊の現有艦艇の対空兵器増設の緊急改装工事が終わり、大量の艦艇が起工され建造はかつてない規模で、類を見ない体制で行われているとも語った。それを聞いたルーズベルト大統領は喜びの声をあげた。だがクイーン作戦部長は険しい表情を見せると、艦載機が完成していないと説明したのである。中部太平洋海戦で大日本帝国海軍の艦載機に圧倒的な性能差を見せ付けられたアメリカ合衆国海軍は、新型機開発を全力をあげて行う事になった。各種航空機会社がF2Aバッファローに次ぐ新型機を開発していた結果、新型機は順調に開発出来ると思われたがその新型機は大日本帝国の投入した新型機により開発中止となってしまった。大日本帝国が大英帝国本土とアラビア半島に派遣した航空機は、中部太平洋海戦に投入されたジーク(零戦のアメリカ合衆国コードネーム)より更に強力な機体を装備していたのである。

その為にアメリカ合衆国海軍の艦上戦闘機F4Fワイルドキャットが開発中止となった。そして次々期戦闘機として開発していた機体の実用化が急がれる事になった。アメリカ合衆国海軍の艦上戦闘機F6FヘルキャットとF4Uコルセアの2種類であった。クイーン作戦部長の言葉にアメリカ合衆国陸軍航空軍のアーノルド司令官も続き、陸軍航空軍も大日本帝国の投入した新型機により開発中であった戦闘機P-38ライトニングを開発中止。次々期戦闘機として開発していた、戦闘機P-51ムスタングとP-63キングコブラの2種類を早期実用化する事にしたと語ったのである。更に新型機はエンジンを陸軍海軍で共有化する事にし、プラットアンドホイットニーが開発したR-2800ダブルワスプエンジンを使用する事になっていた。それを聞きルーズベルト大統領は早期実用化を何としても達成するように命令した。クイーン作戦部長は艦上攻撃機TBDデヴァステイターの改良型であるTBFアヴェンジャー、艦上爆撃機SBDドーントレスの改良型であるSB2Cヘルダイヴァーの開発も早急に終わらせる事を約束した。

それを聞いたルーズベルト大統領は戦闘機については聞いたので、改めて陸軍航空軍の戦闘機以外の状況について尋ねた。アーノルド司令官は長距離爆撃機としてB-25とB-26の2種類を開発中であり、更に大日本帝国や大英帝国本土を空襲する為の戦略爆撃機B-29とB-36も開発中であると語った。それを聞いたルーズベルト大統領はとても喜んでいた。B-29とB-36はルーズベルト大統領が直々に開発を命じた戦略爆撃機であった。大日本帝国にはアラスカ州から、大英帝国には現在進行中のカナダから、それぞれ直接飛行可能な航続距離を確保し爆撃を加えるという壮大な計画であった。あまりにも大規模な航続距離を確保しないといけない為に、プラットアンドホイットニーが開発したR-2800ダブルワスプエンジンでさえも馬力不足であり、B-29用のエンジンはカーチスライトに、B-36用のエンジンはプラットアンドホイットニーにそれぞれ専用エンジンの開発を命じていた。

陸軍航空軍の状況も把握したルーズベルト大統領は、陸軍のマーシャル参謀総長に新型戦車の進捗について尋ねた。マーシャル参謀総長は先月のT34ショック以後陸軍として抜本的な機甲戦力改善を行う事になり、駆逐戦車の開発加速と共に新型重戦車の開発を行い、既存のM4戦車は現在開発中の『M1 76mm戦車砲』を早期実用化しM4戦車の主砲を換装するとしていた。そしてM1 76mm戦車砲は8月には制式採用出来るとして、そうなれば即座に主砲換装を行うと力説していた。そんな中でマーシャル参謀総長はルーズベルト大統領に、フランス陸軍がドイツ人技術者をスカウトして開発中の新型戦車について語った。フランス陸軍が開発中の新型戦車も2種類あり、中戦車と重戦車であった。中戦車は大日本帝国陸軍の投入した新型戦車にコンセプトは似ており、避弾経始を重視した避弾経始を採用しており主砲も75ミリ砲ながら長砲身でありM1 76mm戦車砲に匹敵する威力を備えていると語った。そして重戦車に至っては長砲身88ミリ砲を採用し、驚異的な重装甲を採用していると説明したのである。それを聞いたルーズベルト大統領は現在開発中の駆逐戦車と重戦車に比べて、性能差はどの程度あるか尋ねた。マーシャル参謀総長は開発中の駆逐戦車とフランス陸軍の新型中戦車では、圧倒的にフランス陸軍の新型中戦車が性能有利だと答えた。そして重戦車同士の比較ではアメリカ合衆国は未だに開発を開始した段階であり、それに対してフランス陸軍の新型重戦車は実用化間近だと答えた。

その話を聞いたルーズベルト大統領は暫く考えていたが決断を下すと、フランスに対して新型中戦車と重戦車のアメリカ合衆国陸軍での採用を要請するように命令した。対価は大量生産をアメリカ合衆国が行うと共に、フランスへの更なる工作機械輸出を行うというものだった。そしてルーズベルト大統領はある事を閃くと、海軍のクイーン作戦部長に尋ねたのであった。

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