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中華民国軍事援助

1942年4月1日に行われた史上初の日中首脳会談で、旧式兵器譲渡と軍事顧問団派遣が決定された。それを受けて大日本帝国は海軍省と陸軍省・大蔵省が旧式兵器譲渡について話し合い、海軍省と陸軍省は軍事顧問団派遣について話し合った。それにより旧式兵器譲渡第1段階として海軍から零戦560機・九九式艦上爆撃機490機・九七式艦上攻撃機510機・一式爆撃機495機が、陸軍から一式戦闘機隼550機・百式爆撃機呑龍430機・九五式戦車5000輌・一〇〇式機関短銃3万丁が、それぞれ中華民国軍に軍事援助として無償譲渡される事になった。海軍の一式爆撃機と、陸軍の一式戦闘機隼・百式爆撃機呑龍が旧式兵器扱いなのは新型機が完成間近である為に、山本総理兼海相と東條陸相が少し早く旧式兵器として扱う事にした結果であった。

そして1942年5月1日。旧式兵器と軍事顧問団を載せた輸送船団が、中華民国上海港に到着した。その歓迎式典には中華民国蒋介石国家主席が直々に参加し、旧式兵器と軍事顧問団を歓迎した。大日本帝国が派遣した軍事顧問団は航空機全般の空戦を指導する為に大日本帝国海軍の原忠一中将が、陸戦全般を指導する為に大日本帝国陸軍の山下奉文中将が、それぞれの代表とされた。その為に原中将と山下中将は蒋介石国家主席から大歓迎を受け、蒋介石国家主席は握手をしながら原中将と山下中将にお礼の言葉を述べていた。軍事顧問団は総勢60名から構成されており、海軍と陸軍で丁度30名ずつであった。その任務は中華民国軍の練度向上にあり、近代戦を戦える軍隊にする事にあった。

蒋介石国家主席は歓迎式典での演説に於いて、中華民国は陸軍と空軍を強化すると発表した。蒋介石国家主席は空軍について特に力を入れており大日本帝国からの譲渡兵器である零戦・一式爆撃機・一式戦闘機隼・百式爆撃機呑龍を配備し、遠距離進出可能な空軍にする、と高らかに宣言したのである。陸軍も人口規模から大規模な陸軍、50個にも及ぶ師(師団相当)を編成していたが、その装備は三八式歩兵銃が主体で九五式戦車は数輌しか配備していなかった。それでは今回の第二次世界大戦は戦えないとして、大日本帝国は陸軍が三四式戦車と41式機関短銃マンドリンを導入した事から、九五式戦車と一〇〇式機関短銃の大量譲渡を決定したのである。その為に中華民国陸軍は一気に近代化される事になり、歩兵主体から機動力のある部隊に発展する事になった。それを支援する為に大日本帝国各財閥の軍需企業が大量生産を行っている、軍用トラックの無償譲渡も行われており大日本帝国陸軍と共に中華民国陸軍も自動車化歩兵師団が大量編成される事になった。

蒋介石国家主席は海軍は当面拡大させない事にしていた。それは名実共に世界最強となっていた大日本帝国海軍連合艦隊がすぐ隣に存在している事もあり、中華民国は大陸国として陸軍を強化し海洋帝国たる大日本帝国の支援を行うべきだとの、蒋介石国家主席の判断であった。

それは日中首脳会談で蒋介石国家主席が山本総理兼海相に直々に説明しており、山本総理兼海相もその判断を強く支持していた。何にせよ大日本帝国の泣き所は典型的な人口ピラミッドによる徴兵可能人口の少なさであった。大日本帝国は生後間も無い赤ん坊から子供までの人口が特に多く、老人は少ないという典型的な人口ピラミッドを形成していた。1937年の山本五十六内閣成立後の重厚長大産業育成による大日本帝国全体の経済成長は、出生率を大幅に向上させ人口は爆発的に増加していたがそれが即座に徴兵可能人口増加に繋がらないのが唯一の欠点だった。しかも山本総理兼海相と東條陸相の会談による取り決めで、大日本帝国は徴兵を無闇矢鱈と行う根刮ぎ動員はせずにある種選抜徴兵制とする方針とした。その為に兄弟全員の徴兵はせずに家督相続・家業継承の為に基本的に長子は徴兵対象外とした。更には熟練工も軍需企業の生産性維持の為に徴兵対象外とし、銃後の兵站を維持する為に様々な工夫をしていた。そんな事もあり中華民国が陸軍を増強してくれるのは、大日本帝国としては有り難い限りであった。

蒋介石国家主席は原中将と山下中将に対して、軍事指導の全権を与えるとして中華民国陸軍と空軍の練度向上をお願いした。原中将と山下中将は全力で取り組む事を約束し、必ずや蒋介石国家主席の期待に応えると宣言したのである。

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