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アラビア半島打通作戦2

『石原莞爾中将の指揮する大日本帝国陸軍第1方面軍は、大日本帝国海軍連合艦隊機動艦隊の支援により大英帝国保護国オマーンから進出し、アラビア半島打通作戦を開始した。中東派遣艦隊司令長官兼中東派遣総軍司令長官である第1機動艦隊司令長官中野真知子中将は、陸軍第1方面軍を完璧に支援する事を約束しており第1〜第4機動艦隊は艦載機の全力攻撃を行っていた。第1機動艦隊は超弩級空母大和級3隻と正規空母長門級2隻が配備、第2機動艦隊は正規空母金剛級4隻が配備、第3機動艦隊は正規空母扶桑級4隻が配備、第4機動艦隊は正規空母赤城級2隻と正規空母蒼龍級2隻が配備されており、空母総数17隻艦載機総数2080機という凄まじい数を誇っていたのである。しかも前回のオマーン防衛戦の時と違い、全ての空母艦載機が陣風艦上戦闘機・彗星艦上爆撃機・天山艦上攻撃機に更新されており、攻撃力は恐ろしいまでに向上していた。

第1方面軍司令官の石原莞爾中将は増援として連れてきた三四式戦車を装備する1個戦車師団を先頭にして突撃を開始した。大日本帝国陸軍の戦車師団は4個戦車連隊・1個自動車化歩兵連隊・1個自動車化砲兵連隊により編成されていた。1個戦車連隊は55輌の戦車で構成されており、1個戦車師団で合計220輌の三四式戦車を装備する事になった。その為に突撃の先頭は220輌もの三四式戦車が務める事になったが、その威容にフランス・オランダ陸軍は騒然となった。

九五式戦車の倍以上に巨大な戦車が突撃してくるのだ。フランス陸軍は砲兵部隊の47ミリ対戦車砲を接近してくる、大日本帝国陸軍の新型戦車に向けて発射した。発射された砲弾は確実に命中したが、カーンという甲高い音と共に弾かれたのである。唖然とする砲兵部隊であったが、その仇を取るためにIV号戦車が突撃し砲撃を開始した。IV号戦車の75ミリ砲も全弾が命中したかに思われたが、その砲弾も甲高い音と共に弾かれたのである。ここに至りフランス・オランダ陸軍は完全に浮足立った。大日本帝国陸軍の戦車は前回の戦いで、ブリキ戦車との烙印を押す程に軟弱であった。警戒すべきは航空隊だけだと判断していたのだ。それが目の前で繰り広げられた光景は異様であったのだ。接近を続けた三四式戦車はここに至りようやく停車すると、一斉に砲撃を開始した。その正確無比な砲撃はIV号戦車の、一番装甲が分厚い砲塔正面を撃ち抜き次々と撃破していったのである。

この戦い方は三四式戦車の性能を把握した石原司令官の作戦であり、フランス・オランダ陸軍に戦車の格の違いを見せ付ける為に行われた。その為に支援攻撃に出撃した大日本帝国海軍連合艦隊機動艦隊の艦載機は、大日本帝国陸軍第1方面軍上空に展開しただけで攻撃は仕掛けていなかった。前線部隊から三四式戦車が次々とIV号戦車を圧倒しているとの無線連絡を受けた第1方面軍司令部では、石原司令官が第1機動艦隊旗艦超弩級空母大和に座乗する中東派遣艦隊司令長官兼中東派遣総軍司令長官である第1機動艦隊司令長官中野真知子中将に対して、支援攻撃を要請した。

その要請を受けた中野司令長官は全機動艦隊艦載機に対して支援攻撃を命令。フランス・オランダ陸軍に対して壮絶なる攻撃が加えられる事になったのである。』

小森菜子著

『帝國の聖戦回顧録』より抜粋

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