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陸軍航空隊イタリア展開

東條陸相が小倉陸軍造兵廠を視察している頃、中東オマーンに展開していた大日本帝国陸軍航空隊は、イタリアへの移動を終えたのであった。



『中東オマーンに展開していた陸軍航空隊2個は、東條陸相の命令により一斉に飛び立ちイタリアへの移動が行われた。司令部たる第3飛行師団も師団長菅原道大大将と参謀長下山琢磨中将以下首脳陣含め全員が、イタリアにまで進出する事になっていた。陸軍航空隊の移動は海軍航空隊の移動に比べると、ヨーロッパ横断をしない分は楽であった。その為に陸軍航空隊は無事に問題無く、イタリアへの移動を完了し、ローマ近郊の空軍基地に全機が着陸した。

空軍基地にはムッソリーニ統領が直々に出迎えており、熱烈なる歓迎を受けた。イタリアの歓迎振りは凄まじく、ムッソリーニ統領は「国王陛下も殊の外お慶びです。」と伝え、イタリア王国・大日本帝国・大英帝国という君主制国家の同盟が、世界に冠たるものだとアジを飛ばしていた。第3飛行師団の菅原師団長はムッソリーニ統領にお礼を述べると、移動して来た陸軍航空隊を紹介した。主力戦闘機たる一式戦闘機隼は、海軍連合艦隊の零戦や陣風艦上戦闘機に比べると性能は低いがそれは海軍連合艦隊の艦上戦闘機の性能が隔絶し過ぎている為であり、陸軍主力戦闘機の一式戦闘機隼も世界的には圧倒的な高性能を誇っていた。

菅原師団長が紹介したカタログスペックを聞いたムッソリーニ統領は、イタリア王立空軍の主力戦闘機である[M.C.200サエッタ]と[G.50フレッチャ]との性能差に驚いた。速度・航続距離・武装汎ゆる面で、一式戦闘機隼に負けていたのである。その差は大きくムッソリーニ統領に同行していたイタリア王立空軍の面々は、大日本帝国に比べて航空機技術は遅れていると判断した。それに追い打ちをかけるように菅原師団長は、「本国では新型機開発が進んでおり、更には海軍と共同開発したジェット戦闘機が夏には実戦投入可能です。」との説明を聞くと、技術格差は深刻であると判断した。恐ろしい事態だった。ここまで圧倒的な差がついているとは思ってもいなかったのである。イタリア王立空軍の首脳陣はムッソリーニ統領に対して、大日本帝国に航空機の輸出を要請するべきだと直訴した程である。それはムッソリーニ統領も痛感しており、大日本帝国に対して早速航空機購入の要請を出す事にしたのであった。

これ以後イタリアに展開した大日本帝国陸軍航空隊は、ヨーロッパを制圧したフランス・オランダの空襲を防ぐ為に、獅子奮迅の活躍をみせる事になったのである。』

小森菜子著

『欧州の聖戦』より一部抜粋

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