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ジャワ海の南遣艦隊

1941年12月10日


マレー半島リンガ諸島沖



大英帝国東洋艦隊は、ボルネオ島南部へ進撃していた。


明日の夜半にはボルネオ島北部ブルネイ駐留の、陸軍が主力となり南部に侵攻する予定だ。


大日本帝國海軍南遣艦隊もブルネイ南部の要衝、バリクパパンに上陸作戦を慣行する。








大英帝国東洋艦隊旗艦戦艦プリンスオブウェールズ艦橋


「日本機より入電。『貴艦隊ノ到着ヲ歓迎ス。貴艦隊ノ上空直掩ハ任サレタシ。』以上です」


伝令が電文を読み上げた。


「頼もしいではないか。世界最強の大日本帝國航空機に、直掩をされるんだからな」

東洋艦隊司令長官トーマスフィリップス中将は、紅茶を飲みながら言った。



「しかし凄いですな。爆撃機で、直掩機の代わりになるとは」


プリンスオブウェールズ艦長の、リーチ大佐は感心しながら言った。



「あぁ、そうだな。しかし、これは素晴らしい考えだな」


「そうなんですか?爆撃機ですよ?」


「爆撃機だから良いんだよ」


「?」


リーチ大佐はキョトンとした。


「良く考えてくれ。上空直掩を担当してくれる、大日本帝國海軍の爆撃機は4発機だ。これはアメリカのB−17よりも、武装・装甲・速度が強力だ。私はこの『一式爆撃機』こそが、『空の要塞』の異名に相応しいと思う。まあ、こんな爆撃機が直掩をするんだ。頼もしい限りだよ」


「確かにそうですね」


「あぁ、そうだよ」


フィリップス長官は、再び紅茶を飲んだ。


「しかし日本機は素晴らしいですね」


「その通り。大日本帝國には航空機で学ぶ事が多い。時代は流れ、戦争も変わる。空母を主力とする、大日本帝國海軍は時代を先行したのかもしれんな」


「確かにそうかもしれませんね」


「戦艦が海軍の主力なのも、1年か2年くらいかもな」


フィリップス長官の言葉に、艦橋は騒然とする。


「早くクリタに会いたいもんだ。こんな心遣いをしてくれたんだからな」


フィリップス長官は、上空を飛ぶ一式爆撃機を見つめた。








1941年12月10日


時刻は0100時。


月明かりがマカッサル海峡を照らし、戦場とは思えない光景を醸し出していた。


こんな中を、南遣艦隊はバリクパパンに向かって進んでいた。


大日本帝國海軍はワシントン軍縮条約により、戦艦の建造・保有が禁止された。


これはアメリカ合衆国の理不尽な理由であるが、大日本帝國も国家が破綻しかねない計画を立案した時であったため、これと言った反対も無しに調印した。


これにより大日本帝國、とりわけ海軍の方針は『大艦巨砲主義』から『航空主兵主義』に転換された。


長門級を筆頭に、金剛級・扶桑級・赤城級は航空母艦に改装された。


この戦艦改装空母の後に、建造されたのが大鷹級であり、大和級である。


南遣艦隊には長門級と大鷹級が配備されている。





大日本帝國海軍連合艦隊南遣艦隊第2機動艦隊旗艦正規空母長門艦橋



「偵察機からの連絡は?」


南遣艦隊兼第2機動艦隊司令長官栗田健男中将が、航空参謀に尋ねた。


「まだありません」


「そうか」


「大丈夫ですよ、長官。必ず見つかります」


長門艦長の渡部満七大佐が、栗田長官に言った。


「うむ」


栗田長官はそう答えると、双眼鏡を手に持ち、外を見つめた。


「………よし!!」


航空参謀が、伝令から電文を受け取り喜びの声をあげた。


「長官、朗報です。オランダ艦隊を発見しました」


「本当か?」


栗田長官が聞いた。


「はい。大まかな位置は、本艦から7時の方向です。詳しくは、偵察機が随時報告してくれてます。」


「よし。攻撃隊出撃!!陸奥にも、出撃命令だ」


「「「了解」」」


艦長や参謀達が、勢いよく答えた。









長門飛行甲板



飛行甲板では、攻撃隊の出撃が進められていた。


ストレートデッキとアングルドデッキに設置された、蒸気カタパルト4基をフルに使用して、航空機が射出されていく。


アングルドデッキと蒸気カタパルトは、大日本帝國海軍が発明したものである。


金剛級を空母に改装するとなった時、問題となったのは航空機の発進方法だ。


最初に提案されたのは、アングルドデッキだ。


従来のストレートデッキだけでは、発着艦を同時に行うには無理があった。


そこでアングルドデッキが発明されたのだ。


発明と言っても、左側に飛行甲板を造っただけだが、これが素晴らしい発明であった事は明らかだ。


しかし、斜め方向に着艦出来ると言っても、発艦するにはストレートデッキの殆んどを滑走するしかない。


そこで事故が発生しかねないとの意見が出たため、カタパルトを装備する事が決められた。


そこで問題が発生した。


従来のカタパルトは火薬を使用したものである、これを空母のカタパルトに使用するのは自殺行為だ。


そこで海軍技術工廠の技術者達は、機関から得られる蒸気に目を付けた。


蒸気ならば攻撃を受けた時の被害も無く、蒸気は機関から得られる。


この2つの発明が、大日本帝國海軍空母を戦後も活躍させる事になるとは、誰一人として気付いていなかった。








長門艦橋


「全機発艦したな?」


「はい。発艦しました」


航空参謀が、栗田長官の問いに答えた。



「この太平洋戦争初の、海戦だ。出撃した攻撃隊に、激励電を打て」


「了解!!」


通信参謀が、通信室に電話を掛けた。


(初戦で勝てなければ、小沢長官はもとより山本総理、陛下に申し訳ない。)


栗田長官はただただ、祈るばかりであった。





次回予告


長門・陸奥から出撃した、攻撃隊はオランダ艦隊への攻撃を開始した。


同時にフィリピンへの攻撃が開始され、日英連合軍の進撃が始まる。


その頃、首相官邸には………

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そういやなんでオランダは敵側なの?
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