攻防戦
『大英帝国に上陸したフランス陸軍はサウサンプトンに1個軍団が上陸を決行し、2個空挺師団も降下した。フランス陸軍は第5総軍を新設し、残りの部隊も順次派遣された。これによりサウサンプトンはフランス陸軍が占領。オランダ陸軍も第16方面軍をサウサンプトンに派遣した。早くもフランス陸軍とオランダ陸軍はポーツマスをも占領。すぐ南にあるワイト島も占領し、初期作戦目標は達成されていた。フランス陸軍とオランダ陸軍はまずは兵站線の確保を最優先に行った。港は占領し物資輸送の拠点として、大陸側から続々と輸送船団は出港した。
頼みの綱の大英帝国海軍本国艦隊はこの時、一体どうしていたのか。答えは根拠地のスカパフローにて閉じ込められていたのだ。フランスはドイツの優れた技術者を開戦前からスカウトしており、その潜水艦技術によりフランスは潜水艦の建造し、大英帝国海軍本国艦隊を封じ込める事にしたのである。それはものの見事に成功し、上陸を知って出撃しようとした大英帝国海軍本国艦隊は凄まじい数の雷撃を受ける事になった。その数は常軌を逸するものであり、その無誘導魚雷である故に数で補った計画は見事に実を結んだ。フランス海軍潜水艦の放った魚雷は大英帝国海軍本国艦隊を次々と襲いかかり、スカパフローを出港を阻止した。撃沈したのは5隻で済んだが、殆どの艦船が大破し良くて中破という有様であった。これにより大英帝国海軍本国艦隊は出撃出来ずに、スカパフローに閉じ込められる事になったのである。
作戦の最大の障害と思われた大英帝国海軍本国艦隊を封じ込めた事により、フランス陸軍の作戦は順調に進んだ。オランダ陸軍の援軍も無事に上陸した事により、大英帝国本土には強固な橋頭堡が築かれる事になった。』
小森菜子著
『欧州の聖戦』より一部抜粋




