ニューヨーク空襲2
ニューヨークに大量に降り注いだ1トン爆弾は、重力加速度を味方につけて甚大な被害を与えた。高層ビルには貫通し基礎から爆発し破壊されるもの、途中で爆発し真っ二つになるもの等々凄惨な光景が広がった。瓦礫や爆弾は逃げ惑う人々を巻き込み、被害を拡大させた。ただでさえ破壊力のある1トン爆弾の爆発であり、死が一瞬なのがせめてもの救いだった。
空を埋め尽くす戦略爆撃機富嶽からは、次々と1トン爆弾が投下され続けた。その為に摩天楼が立ち並ぶニューヨークは、無慈悲な破壊の嵐にぶち壊された。何せ高射砲が届かない高空から一方的に爆撃が行われていたのだ。アメリカ合衆国は戦略爆撃機富嶽に対して圧倒的に無力だった。
何せ実用上昇限度13500メートルというアメリカ合衆国の汎ゆる、航空機や高射砲では到達不可能な高度だったのだ。そこから一方的な爆撃が加えられており、しかもアメリカ合衆国が想像しなかった掃射機型が爆撃機型を護衛していたのである。
掃射機型は爆弾倉に100門もの20ミリ機関砲を装備しており、対地攻撃のみならず護衛機を兼ねる事になり長距離進出が必要不可欠な戦略爆撃機の頼れる存在だった。これならわざわざ長距離戦闘機を開発せずに、機体を共有出来る為に作戦が柔軟に変更可能になっていた。今回も掃射機型は爆撃機型の護衛を行っており、アメリカ合衆国の戦闘機の接近を阻止していた。
あらかた爆撃を加えた戦略爆撃機富嶽の爆撃機型編隊は、爆弾倉を閉じた。そして仕上げとして掃射機型が高度を下げ始めた。ここで戦略爆撃機富嶽の下を飛行していたアメリカ合衆国の戦闘機は攻撃を開始したが、いつものように20ミリ機関砲の弾幕に叩き落された。
そして掃射機型は高度5000メートルで対地掃射を開始した。降り注ぐ20ミリ機関砲弾はチタン被覆を施した徹甲榴弾であり、ニューヨークの地上を地獄絵図に変えた。その時異変が生じた。1機のP-51マスタングが明確な意思をもって猛スピードで、戦略爆撃機富嶽の掃射機型に突撃したのである。
それはパイロットが覚悟を決めた結果だった。攻撃を加える事無くただ猛スピードで突撃してくるP-51マスタングは、戦略爆撃機富嶽の20ミリ機関砲の弾幕を受けても明確な意思で突撃を続けた。それはパイロットの決心の現れであり、戦略爆撃機富嶽の1機へ体当たりに成功した。
胴体と翼の付け根に突撃したP-51マスタングにより、戦略爆撃機富嶽は右翼が吹き飛び錐揉み状態で墜落した。その予想外の突撃に掃射機型の戦略爆撃機富嶽は高度を上げて、爆撃機型と合流しニューヨークから撤退していった。
まさかの突撃により初めて戦略爆撃機富嶽を喪失した大日本帝国だったが、ニューヨーク空襲は成功した。死傷者20万人という甚大な被害を与えたが、戦略爆撃機富嶽を1機失うという結果となってしまったのだ。




