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03 跡継ぎとして

義時は、茜が実家に戻った事を聞き、不安を覚えました。

桂との事は、不幸な出来事と思っていました。縁組を強要した自分にも責任があると感じていました。

しかし、時房の娘であり、気心が知れている茜が、一時であれ離縁を考えたのは、泰時が「人との接し方」が分からないせいではないかと思いました。


泰時の母:小枝は、兄(山木兼隆)の死で、心を病み、泰時を生んだ後はずっと伊豆にこもったままでした。泰時は母から離され、乳母(小枝の縁者)に育てられました。

泰時は母は死んだと言われて育ちました。


二番目の義母:月子は実子の朝時の事でさえ気にかけなず、泰時にとってはいないも同然でした。

(月子は泰時を害する気持ちもありませんでした)


伊賀の方は、政村を溺愛し、泰時を敵視していました。

義時は伊賀の方の兄弟の力を必要としていたため、伊賀の方のをあえて無視していました。


義時は、自分の「心」は小枝の死で失われた事を自覚していました。

小枝のために、泰時を跡継ぎにしようと自分は権力目指した。

泰時を愛してきたが、それは、普通の父親としての愛情ではなく、死なせてしまった小枝への愛情。小枝を不幸にしてしまった自分(北条家)への恨みを、泰時への愛情に変換しただけ。


泰時を跡継ぎにするため、子供の時から学問ばかりさせ、弟:朝時と過ごさせることもなかった。

朝時には何も学ばせずいたが、却って時房に育てられる事につながり、朝時は愛情に包まれる生活を送ることになった。


若菜が急死した時に、三浦義村に言われるままに桂と結婚させたのは、失敗だったと後悔しているが、茜と幸せになってくれると信じていた。


茜の子を(時氏を乳人に育てさせるのはともかく)、赤子のうちに婚家に育てさせるのは、さすがにやりすぎと思っていた。娘を二人も取り上げられた茜が、実家に帰りたいと思うのは仕方がないと思っていた。

泰時が茜のために、力を持とうとして、結果として茜を不幸にしているの見ると、自分がやってきたことが、泰時に跳ね返ってきていると、後悔を覚えるのでした。


嫡男の泰時は、跡継ぎとして申し分ないと信じて来たが、漠然とした不安を抱き始めるのでした。




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