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12 落日

玉手が男子(時頼)を生んだという知らせが届きました。

時実は花夜の出産も近いので、家を長くは開けられないと一人で兄の許に祝いを述べに行きました。


その帰り、時実は得宗家の家人に殺されます。

犯人はその場で自害。


血まみれの時実の死体が、運ばれて来て、それを見た花夜はショックで産気づき、母子ともに亡くなりました。

呆然とする朝時・茜達の耳に、黒幕は泰時だという噂が伝わってきました。


嫡子の時氏は長生きできないとすると、次男の時実が跡を継ぐ。

時実の妻は朝時の娘で、将軍や三浦に近しく、得宗家と対立している。

孫の経時に跡を継がせるためには、次男は邪魔だと。


茜は、時実の死体にとりすがり泣いています。

朝時は亡くなった花夜が、沙夜に重なり、胸を引き裂かれるようです。


急を聞いた泰時がやってきます。

朝時は必死の思いで、泰時を時実の遺体のある部屋に連れていきます。

そこには、血まみれの時実と、時実の血をつけたままの茜がいます。


泰時は開口一番、自分ではない自分は知らない。安達が勝手にやったと言いました。

いかに自分でも我が子を殺すわけはないと。


茜は、あなたが命令したとは思っていません。

でも、結局あなたがさせたのと同じです。花夜も子供も亡くなりました。あなたが殺したんです。

そういうと、いきなり懐剣を取り出し、自分の喉をつきました。


泰時は茜に駆け寄り、茜を抱きしめます。泰時が茜の血にそまります。

茜は、あなたを愛さなければよかった・・・と言い残して、泰時の腕の中で息を引き取りました。


泰時は、ただただ茜の名を呼び続けます。


朝時は兄に言います。沙夜が死んだ時、本当に悲しかった。だが、今は、沙夜や時房が、死んでいてよかったと思う。こんな事を知らなくて済んでよかったと今、思っていると言います。


泰時は、自分ではないと、言い続けていますが、

朝時は、兄上は、自分がした罪(義時の死)では裁かれず、自分がしていない罪(時実の死)で裁かれるのですよと言います。


泰時は朝時に、自分の事をいくら憎んでも構わない。だが、今だけは茜と一緒にいさせてくれと叫びました。

時鏡の第三部の終わりです

時実が家人に殺されたのは事実です。

また、時氏の若死に、時実の妻は朝時の娘。(母は不明)

朝時の妻の一人に時房の娘がいるのも事実です。

学生の頃、吾妻鏡や系図を調べていて、時実が殺されなかったら、もしかして、時実=名越=将軍ラインが成立して、得宗家と対立したに違いないと思い。

この時実殺人事件は得宗専制を確立した要になる事件なのではないか?と思って、長い年月が流れました。



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