美しさ
「ここよヘンタイ」
ララがそう言って前方を指差した。
ここは王宮の地下深く。階段を何十、何百と降りたところにある終点。
「ってただの壁じゃんか」
男が呆れて声を上げた。
どうもおかしいと男は感じていた。さっきから扉らしいものが見当たらないのだ。
「バカね、こうするのよ」
人差し指をつんと壁につけるララ。
すると
岩がこすれる重々しい音とともに、
「おわあっ」人が通れるほどの空間と、
うっすらと向こうに扉が見えた。
「行くわよ」
さっさとララは歩きだす。
男は置いていかれないように必死に後に続く。
そして扉の前。
「でかい……」
3メートルはありそうな巨大な扉。
扉には様々な彫刻が施されており、並々ならぬ装いである。
そのままララが扉を開けると、
中には、
雄大な緑が広がっていた。
「なんだこれはっ!」
「いちいちうるさい。ここが私の部屋」地下深くだというのに豊かな緑。
熱帯の植物から針葉樹まであるちょっとした植物園の向こうにはまた扉。
どうやらそこがゴールらしかった。
ララはさっさと歩く。
男が続く。
最終的にたどり着いたのは、お姫様の部屋かと思うような、美しい部屋。絵画でしか見たことがない天板のついたベッドや数々の細密な調度品。
そして
「フリフリのパンツ!」
感動した男は思わずそばにあったパンツを高らかに掲げていた。「フリフリバンザーイ!!」
そして男が最後にみたのはララの足と血しぶきだった。