回想
ようやくアンドロイドが脱力すると、ルカはアンドロイドを横によけて立ち上がった。
……アンドロイドはまだ潤んだ目で
「お兄様ぁ」
と言っていたが。
リリは、
「お兄様と呼ぶプレイもアリね」
と一人でつぶやいていた。
全身が未だ痛むルカ。
とそこにアクバルが、
「へー、ルカ君、昨日舐めたんだ!味はどうだった!?」
と楽しそうだ。
ルカはしまった、という顔をしたが、構わずアクバルが言う。
「男はやっぱり狼だなあ」
「違うんです、あれは事故で」
とルカが言うも、
「昨日のルカ様激しかった……」
と顔を赤くするリリ。
それを見てアクバルが、そうかそうか、と嬉しげに首を振る。
実は昨日、
「じゃあ私はこっち半分で寝るから、リリはそっちね!」
ベッドに座る二人。
「嫌ですぅ」
リリが抗議するも、枕で作った境界線を指差して、
「絶対入ったら駄目だよ!」
とルカ。
「入ったらどうなさりますの?」
とリリ。
「うーん、お仕置きとかかなあ」
「じゃあ入りますっ!」
と言ってリリが早速進入してきた。
「だ、駄目だって!」
「えっちなお仕置きお・ね・が・い」
スカートの中をみせる。
「なっ……」
ノーパンだった。
「ちゃんと剃ってきましたのよ」
うふっ、と怪しく笑うリリ。
ルカは顔を真っ赤にしながら、
「お仕置きはやっぱりなし!」
というと、
「では入りますわ」
と、元に戻らないリリ。
一体どうしたら……、ルカは頭を抱えた。
普通に寝れるのだろうか……。
「寝ましょう、ご主人様ぁ」
体をすり寄せてくるリリ。
もういやー!
ルカは心の中で思った。
なんとかしてください!この子!
仕方なくリリに抱きしめられながらルカは寝た。
するとなにやらリリがもぞもぞ。
取り出しだのは、
「目隠しかよっ!」
「わたしにつけてください」とリリが言う。
「たまにはそういうプレイも……」
「ばかあっ!てかプレイすらしたことないわ!」
「ではノーマルに正常位で」
「わかったつけるよ!」
実はルカ、この瞬間よいことを思いついた。
もしかして、
目隠しして、手足縛れば、普通に寝られるんじゃね?
「エウレカっ!」
思わず叫んだ。
「どうしましたの?」
「ちょっと待ってて!今縄持ってくる!」
とルカ。
「あら、ご主人様ったら激しいわ……」
顔を赤らめたのはリリである。
縄を持ってきたルカは、リリに目隠しをした後、戦争捕虜を捕まえる要領で縛った。
やん、とか悲鳴を上げるリリは無視する。
ようやく縛り終えると、
「だめ……お代官さまっ……」と言う
リリに目隠しをして、
そのまま抱きかかえて、
陣地にかえした。
自分の領域に戻ったルカがひとこと。
「おやすみ」
「なっ……」
リリはしまった!という声を上げるも、ルカはもう寝る体制だった。
悔しく歯を噛むも、無駄だった。
夜遅く。
完全にルカが寝静まった頃、ようやくリリは体をルカに密着させることに成功した。
手足を縛られながらもなんとかたどりついたのだ。
さらに移動しているとだんだんと縄が緩くなっていき、
ルカの元にたどり着いた時には、もう手首の縄はほどけていた。
「素人ね……ふふ」
妖艶な笑みをこぼすリリ。
そして、しばらくののち、
「かんせーっ」
裸にしたルカを得意の亀甲縛り。
ルカはなんだかうなされている。
「じゃあ、わたしからのおしおき、
たっぷりしてあげるんだから」
そうして
はっ、とルカが目覚めたとき、その顔の上には……。