アンドロイド
アクバルが言う通り、階段を10段ほと降りたところにその部屋はあった。
畳の部屋と同じくらいの大きさ。
そして、
「これは一体……」
並んでいたのは数々の化学薬品や器具。
そして、大きな筒に入った、アンドロイド。
「爆乳……」
つい声をだしていた。
「爆乳さ」
誇らしげなアクバル。
筒は何かの液体で満たされていて、アンドロイドには様々なチューブが張り巡らせてあった。
と、背後に人の気配。
振り向くと、
白衣を着たメイドが立っていた。
なぜメイドかというと、やはりカチューシャがあったためだ。
「いらっしゃいませ」
メガネをかけていた。
「紹介するよ。この子は科学班のタマちゃんだ」
「タマちゃんじゃないです!ヘルムです!」
メイドが抗議する。
アクバルは間違うのが得意だな。
「まあ、実をいうと」
アクバルが言う。
「宮中のメイドたちがあんなに若いのもタマちゃんのおかげだ」
「え?どういうことです?」
と聞くと、
「彼女こそが年齢を18で止める薬を作っているのだ!あっはっは!」
私はアクバルをロリコンに認定した。
「だから僕にもメイドたちの年がわからないのさ。あっはっは!」
陽気である。
私は先ほどのアンドロイドに目を移した。
目をパチパチさせている。
アンドロイドといっても、機械らしいものは見当たらない。
それがアンドロイドだとわかる
唯一の手がかりは、
「あんどろいど」
という汚い字の張り紙。
「この張り紙は僕ちん作だよルカ君」
やはりか。
「ご主人様、ようやく、先ほど完成しました」
と言ったのはヘルムである。それにしても、なんだかこのアンドロイド、やけに私を見ているような。
気のせいか、頬が赤い。
「ルカ君!これが世界最強の」
一息ついて、アクバル。
「ダッチワイフだよ」
ダッチワイフだったのかよ。随分高級なダッチワイフだな。
「いや、ダッチワイフとしてもバリOKという意味さ」
すると、ヘルムが私に少し下がって下さいと言う。
素直に下がっていると、
「これから刷り込みを始めるから見ていてね」
とアクバル。