表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/51

巻物

次の日。

アクバルはルカを自室に呼んでいた。

「こちらでございます」

ルカの知らないメイドだ。

「ありがとう」

昼間のことである。

豪華な昼食が終わった直後であった。

ルカが部屋に通される。

すると

「畳?」

30畳ほどの部屋だった。

珍しく華美な装飾はない。

そして、奥の、


……ミカン箱で勉強していたのが、アクバルだった。

いや、勉強というのだろうか。

読んでいたのは

「排便の世界史」。



「随分な本を読んでますね」

「あははダミーさ、これは」

そう言って表紙のカバーをずらす。

すると、

「東方見聞録……」

有名なマルコ・ポーロの口述作品だった。

「オヤジの遺品さ」

アクバルが言った。

「ジャパンが好きだったからな」

どこかで同じようなことを聞いた気がするが……。

「で、キミを呼んだのは他でもない」

そう言ってひとつの巻物を手にとって、

「これだっ」

一気に広げた。

「なっ……これ」

春画だった。

「間違った!」

あわててくるくる巻き戻すアクバル。

「こっちだ」

別の巻物を

ばっと広げる。

そして、そこには、

「……戦」

日本国内の戦乱を描いたものだった。

「見覚えがあります」

誰かに見せてもらった覚えがある。

幼い頃のことだ。

「そうだと思ったさ」

だって、この巻物にキミが触った匂いがしたからね、とアクバルが続けた。

「におい!?」「はは、気にしないでくれ。ちょっとした能力、いや、勘さ……」

そうしてアクバルは巻物をしまった。

「それでな」

とアクバル。

「別に今のは本題じゃないんだ」

「え!?」

十分本題だと思っていた、というかさっき本題といっていなかったか、ルカは思う。

「まあ君とはさっきの絵の通り、縁があるらしいとわかったわけで」

続けて言う。

「そんな君にプレゼントだよ」

パチンと指を鳴らすアクバル。

すると、ルカの後ろの畳がガタガタと音を立て、

「開いたっ!?」

階段が現れた。

「今回はすぐだから安心しなよ」

アクバルが笑う。

「じゃあレッツゴー!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ