三人
なぜだか苦しい。
体の自由がきかなかった。
腕が縛り付けられているみたいな感じがした。
足が地面についていない気もした。
ゆっくり目を覚ますと、
「……」
目を真っ赤に腫らした黒髪がいた。
ってやっぱり私は木に縛り付けられていた。
「殺す」
鋭利な日本刀を構える黒髪。
ひいいいっ。
一体私が何したって言うんだよ。
「えと、何かの修行?」
そんな雰囲気でないとすぐわかったが一応聞いてみる。
「殺すっ……」
聞いてないよこの子。
ダメだ、早くなんとかしないと。
と、
「いやああああっ」
突然黒髪が切りかかってきた。
「ひいやああっ!」
ダメだ。もう死ぬ私。
しかし黒髪が切ったのは私の頭の少し上。
木が倒れる音がした。
「あわっあわわ」
「次は外さないからな」
黒髪の目は本気だ。
とここで、近くから爆発音が聞こえた。
「ちっ、邪魔が入った」
そして、
「ご主人さまあっ!」
リリが駆け寄ってくるではないか。
はじめてリリに感謝の念を感じた。
そのまま
「ん………ちゅ………ちゅ」
縛られているのをいいことに熱烈なキスをしてくるのだった。
やることが違ーう!!
「すみません。こちらが先でした」
と今度はズボンを弄りはじめる。
「やめーいっ!!」
黒髪は、というと、顔を抑えてみないように……、あなた、指の隙間開いてますけど。
とここで
「リリのやつ……」
といいながらララが登場した。
全身黒こげである。
「こんの、ばかリリっ!あんた狙ったわねっ!」
「あらたまたまですわ」
とリリ。
「あたしを踏み台にするなんて……このバカリリめ」
ララはすごくお怒りのご様子。
リリは無関心に私の縄をほどいていた。
と、ララが黒髪に気づいた。
「やっぱりレンっ!あんただったのね!」
レンと呼ばれた黒髪が返す。
「我は王宮の秩序を正そうとしただけですっ!」
「とか言って!独り占めは許さないんだからっ!」
ララは聞く耳を持たない。
第一、独り占めっておい。