バスローブ
ララはなんだか嫌な予感がしていた。
浴槽に入りながらも、ルカが気になったのだ。
激しい胸騒ぎがする。
でも、今はお風呂だし。
それにアイツのとこに行って何もなかったらやだし。
しかもアイツなんか別に全然気にならないんだから。
でも、胸がドキドキする。
でも、着替えなきゃいけないし。
髪だって乾かさなきゃ。それに香水だって。お洋服はどうしようかしら。
ああ、お化粧もしなきゃ。ってええい、
キリがないわ。これじゃあ
一生アイツのところにいけないじゃない。
だからって別に全然気にならないんだけど。興味ないわ。
あっ、そうだ。今アイツが死んだか確認に行くのよあたし。
じゃあ、仕事だし仕方ないわ。
わざわざ行ってあげるんだから感謝してよね。
などと妄想したララは、
バスローブだけをまとい、
すぐ横の壁に手を当てた。
岩のこすれる重々しい音とともに、小さな空間とその向こうに
……昨日、ララが懸命に作った、隠し階段が現れる。
そして、ララはバスローブを乱しながら急いで登っていくのであった。
男の部屋のそばにたどり着いたララ。また手をかざすと空間が開けた。
とそこで
「火薬のにおいだわ」
おかしい。
ルカは火薬など持っていなかったはず。
ということは……。
足下にダイナマイト。
「リリのやつっ」
扉が爆破されていた。
「負けない」
ララはそういって駆けて行った。
そして、
彼女の後ろには白いバスローブが残されていた。