4・前田家にて
こんにちは。私、前田詩織です。
今日はときやひなたちに変な所見せちゃいました。
「・・・あぁ・・・」
上から声が聞こえてこないので、私、声をかけちゃいました。
「ちょっと伊織!どーしてくれんの?」
「は?」
「今日のこと。伊織が人のこと信用しなくなったから、あんなことに・・・」
「私が?人のこと信用しなくなった?・・・私をそうさせたのは・・・」
―――――――あんたでしょ。
私はその言葉を聞いて、ため息をついた。
「・・・ちがうもん。私がそうさせたんじゃないもん!もとはと言えばあんたが悪いんだから!」
「なんで?私は何も悪くなかった。私は普通の友達関係を築いていただけなのに、詩織がなんか嫉妬してきたんでしょ?」
「・・・うるさいなぁ。私だって、何も悪くなかったよ・・・なのにさ、友達いなくてさ。あんただけ・・・」
私はそこまで言うと、ばっと立った。
バタン!
ものすごい音とともにドアが閉まって、伊織が「優しく閉めろ」とケチをつけてきた。
「伊織なんて嫌い」
「・・・」
「大っ嫌い。もう絶交するから!」
私がそう言うと、分かったのかわかってないのか、伊織は返事をしなかった。
聞こえてないだけ?それとも、絶交って言われてもうしゃべらなくなってるのか?
どっちだろう。
・・・でもそんなこと、どうだっていい。
ときたちに、どうやって説明すればいいのよ・・・。そればっかり考えてた。