3・詩織と伊織と私といつメンと・・・
「あー私、時間あやつれるんだ」
「・・・ごめんなさい。こんな時に冗談はやめて・・・」
「冗談じゃないよ。ほんとに!」
私がにこっと笑うと、伊織ちゃんは顔をしかめた。
「・・・気持ち悪い・・・」
「え」
「・・・魔法を使える、というような非現実的な女の子が友達にいると知られたら、私、みんなにひかれちゃう」
「伊織!」
叫んだのは、詩織だった。
「あんたいい加減にして!ときのことバカにしないでよ!」
「は?あんたには関係ないでしょ?」
「関係なくない。私はときの友達なんだから!」
「・・・友達とか・・・どうでもいい!私はもう、ぁ・・・」
伊織は口ごもった。詩織がここぞとばかりに言葉のマシンガンを浴びせる。
「大体いつもいつも、人の気持ち考えないでさ。こうやって助けてくれたことに感謝したら?とき優しいもんねー。男子に殴られた方が、むしろ私はうれしかったけどね?人の気持ちも考えないでそーやって人が傷つくこと言って、そーいう姉を持っている私の方が、ひかれちゃうと思うんだけど!」
「ちょっ、詩織ちゃ・・・やめて!」
ひなが叫んだ。
「・・・あ、ごめん。こんなきょうだいげんか、ここでするべきじゃないよね。変なとこ見せちゃったね」
詩織があははと笑う。
「・・・ただ・・・私のせいなんだけど・・・なのに、責めちゃうんだよ。なんで?」
「詩織ちゃん・・・?」
不思議そうに、のあ。
「私は、詩織ちゃんが伊織ちゃんのことを心配してるのだと思って・・・」
「心配なんて、いらないから。私はもう、友達に心配されたこととか、ないしね」
伊織ちゃんは教室から出ていった。
「詩織ちゃん。何があったの?」
「教えて」
「・・・悪いけど、これは家族の問題だから。ありがとね」
詩織はそう言った。
『気持ち悪い』・・・って?
わたしはやっぱり、気持ち悪いって思われているの?
伊織ちゃん・・・。
「とき、大丈夫?」
「・・・う、うん。私・・・やっぱり気持ち悪いのかな?」
「えっ、そんなことないよ!ときは神!ときは神なり!」
「それ、時は金なりでしょ」
「えへへ、ばれたかー」
さらがあははは・・・と笑って、いつメンもアハハハ・・・一緒に笑った。