1・転校生登場!
「えー、今日は、転校生がやってきました」
小日向時、小学6年生。
前に立っている女の子は、ツンと澄ました表情です。
「自己紹介をおねが・・・」
「言われなくてもわかってます。前田伊織です」
・・・あれ?これで終わり?みたいな、雰囲気が漂う。
伊織ちゃんは、空いている席を見つけて、あそこですねと先生に言うと、すとんと座った。
改めまして、私小日向時のクラス、6年3組に転校生がやってきました。
そして、私たちいつメン含めるクラスの人たちは―――――
「あっりえない!転校したてであの態度!」
「先生にも偉そうだし!」
「なんかうちのクラスをバカにしてますオーラ出てたよね」
「ねえ、ときはどう思うの?」
突然ひなにそう聞かれて、え?と、言ってしまった。
ひな、のあ、りりか、さら、ゆいか。そして私は、仲良しのいつメンです。
「どうって・・・まだしゃべったこともないのに、わかんないよ」
「いやしゃべったことなくたって、わかるでしょ!いろいろと!」
「そんなこと言われても。まだ転校してきたばかりで、つい冷たくなっちゃってるけど、本当はすごく、クラス思いの子かもしれないじゃん」
私は自分でそう言って、ため息をついてしまった。
だって・・・今は昼休みだけど、伊織ちゃんは誰ともしゃべらずにずーっと不機嫌そうな表情してるから・・・。
「伊織ちゃんって、双子なんだって。双子のもう一人の妹が、1組にいるらしいよ」
「え?そーなの?あってみたい!会いにいこーよ!」
ゆいかの一言で私は笑顔で言った。
「え、でも・・・あの、伊織ちゃんの妹でしょ・・・?」
「いいから会ってみようよ。ね、さら!」
さらは仕方がなさそうについてきた。
「ん?あれが・・・伊織ちゃんの妹?」
「詩織ちゃん・・・ていうらしいね・・・」
「すっごい明るい子じゃん?ホントに血つながってるの?」
「・・・それ、思った」
詩織ちゃんは・・・1組でニコニコと笑っていた。
まるで、伊織ちゃんとは血がつながっていないみたいに。
「ん?とき、ひさしぶり♡」
「え゛っ・・・あ、あ、いや・・・しおん・・・ひ、久しぶりだね・・・あは」
しおんがにこりと笑ってきて、私は顔をひきつらせた。
「何?まだ何かしたいの」
「ううん、いや。何も。しおんは、詩織と仲良くなったんだよぉ」
「うん。しおんちゃん、詩織ちゃんとすっかり親友になったんだ」
そう言ってひょっこり出てきたのは、夢ちゃんだった。
「夢と詩織としおんは、仲良し三人組だよ!」
「って、詩織はまだ来たばっかりでしょ」
そこに、詩織ちゃんがやってきた。
「こんにちは!えーと・・・」
「あ、私は、小日向時です」「風間日奈!」「島崎乃亜です」「沙良!よろしく」「前田莉々花です。よろしくね」「伊藤結花です」
「うん!私は、前田詩織。詩織って呼んで。よろしくね!」
詩織は笑顔で言った。