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異世界で『魔法幼女』になりました  作者: 藤咲ユージ
第1章 土の中の幼女
4/122

(買い出しの)旅に出よう

昨日はレベルを確認するのを忘れていた。


ステータス!



セシリア


Lv 4


HP 40/40

MP 80/80


土魔法 Lv 3

水魔法 Lv 1 

治癒魔法 Lv 1


スキルポイント 4



レベルが上がっている。


そして重要なのがスキルポイントだ。4ポイント。

猪モドキ×1、ゴブリン×3、で4ポイントなんだろうか?

それなら簡単でいいのだが。


4ポイントあれば土魔法をレベル4にできる筈だが、現状でも土魔法はかなり使えるレベルだ。


水魔法と治癒魔法にも割り振ってみようか? それぞれ2ポイント振ってレベル2にしてみよう。

ポチッとな。



水魔法 Lv 2

治癒魔法 Lv 2



治癒魔法を試すのは難しい。自分の体を傷つけたくない。

治癒魔法を試すのは機会を待とう。


次に水魔法で何ができるのか試す。


桶に水を汲んで、中の水を見つめる。動かせるかな? ぐるぐると掻き回すイメージをしてみる。


ぐーるぐる、ぐーるぐる。


水がゆっくりと回り始める。動いた! 次は反対に回してみる。


ぐーるぐる、ぐーるぐる。


反対に回り始めた。これで洗濯ができるかな? 次は……水を桶の外に持ち上げてみよう。


ふよん。


水がボール状になって浮き上がった。こいつを家の壁にぶつけてみる。


「ウォーターボール!」


べしゃっ!


水球が壁にぶつかって弾ける。

壁に近付いて水球が当たった所を見たら濡れているだけだった。攻撃には使えないな……待てよ? この水球で敵の頭部を包み込んで窒息させる、というのはどうだろう? いいかもしれない。

自分で試してみる。


ふよん。


「げふぉっ、げぼっ、ごぼぼ!」


やばい! すぐに水球を解除する。あぶねぇ! 危うく溺れるところだった。


「はぁ、はぁ、はぁ」


今の、もしかしたらダメージが入ったかもしれない。ちょっとだけかもしれないけど、一応ステータスでどうなっているか確認……


HP 36/40


1割も減っている! この幼女、虚弱過ぎぃ! ……今のは俺が悪かった。


「ヒール!」


HP 40/40

MP 79/80


俺はこの娘の弱さをまだ甘く見ていたようだ。今後は特にHPをまめにチェックする必要がある。

ステータスは常に表示していた方がいいな。



セシリア


Lv 4


HP 40/40

MP 79/80


土魔法 Lv 3

水魔法 Lv 2 

治癒魔法 Lv 2


スキルポイント 0



全部はいらない。



HP 40/40

MP 79/80



これを視界の隅の方に寄せて……よし。



水球による攻撃は使えなくもないが、相手が激しく動くと追随できないかもしれない。実際に使い物になるのか確認が必要だ。

水魔法は他に何ができるだろうか? 動かせるのは水だけなのか、それとも、液体全て?


昨日の肉で血が残っている部位を持ってきて、その血を引き抜くイメージをしてみる……血がじわじわと滲み出てきた。いけそうだな。


ついでに干し肉を作ってみよう。

血抜きが終わった肉に水分を抜くイメージで水魔法をかけると、肉がどんどん縮んですぐに干し肉が完成した。結構美味しそう……食べても大丈夫かな?


肉をナイフで薄く切り取って試食する。

ふむ……肉の旨みが感じられてまぁまぁ美味い。塩も香辛料もない割にはいい出来だ。熟成させればもっと美味くなるかな?

食べてしばらくたっても特に体の異常は感じられない。大丈夫そうだな。治癒魔法の出番は無かった。



次は「洗浄」にチャレンジ。水魔法ならできる筈! もう一度水球を作って、今度は体全体を包み込む。しゅわしゅわのナノバブルなイメージで。


しゅわしゅわしゅわ。


上手くいっているような気がする。

水球を解除して、服と体の表面の水分を飛ばすイメージをする。


ふわっ。


上手くいった。たぶん綺麗になったんじゃないかな?


消費MPは全て1だった。そういうルールなのか?

水魔法も地味に活躍しそうだ。


土魔法が有効なのは俺の視界の範囲までで、視界が遮られる場合、使う事はできるが精度は落ちる。

水魔法の場合はどうだろう?


空中に水球を浮かべて動かしてみると、20mぐらい離れると制御が切れて地面に落ちる。土魔法とは違うな? これはレベルの違いによるものなのか? ……水魔法をレベル3にするまで判断は保留にしよう。



重要な事に気が付いた。ここには塩が無い!

他にも無い物はたくさんあるが、特に塩は重要だ。この体がすぐにヘトヘトになってしまうのはもしかして塩分が足りていないからではないだろうか? これはいけない。どこか他の村か町へ行って塩を入手しなければ!


よし、買い物に出かけよう! だがしかし、「お金」が無い。村の中で金は見つからなかった。廃村だからそれは仕方がない。代わりに何か、売れる物を持っていく必要がある。


拾ったナイフや鎌は売れるだろうか? 後は……他に売れそうな物は無いし、猪モドキの肉を干し肉にして持っていこう。売れるかもしれない。



早速、肉を全て干し肉にする。

その前に少し肉を切り分けて、ステーキにして食べてみよう。


廃屋の中に入って台所の竈に薪を入れて火をつける。


「ストーンプレート!」


土魔法で作った薄い石板を竈の上に置いて、猪モドキの脂身を石板の表面にこすりつけて肉を焼く。


じゅうじゅうじゅう。


ステーキはまぁまぁの味だった。

残りの肉を干し肉にしたらMPが無くなった。出発は明日にしよう。


小屋に戻って買い出しの為の準備について考えてみる。


道があるのだから、その道を歩き続けていけばいつかはどこかの村か町に辿り着くだろう。たぶん。

だがどれくらい時間が掛かるか全くわからない。1日で着くのか、あるいは数日。もっとかかるかも。


買い出しというより「旅行」だな。旅支度が必要だ。

水は魔法で出せる。食べ物もある。後は……数日かかる可能性も考慮して、野宿の場合の寝床の快適さを重視しないと。この体は体力が無いから休息は重要だ。


藁を持っていこう。藁なら幼女の力でも持ち運べるし、地面の上に直接寝るよりはずっとましだろうから。


穴の中の藁を全部外へ出すと、露わになった穴の底の一部に少しだけ掘り返した跡のようなものが。怪しい……何か埋められているのか?


その跡を手で掘ってみると何か出てきた。これは……袋?

中を見ると、また袋が入っている。


中に入っていた袋は白色で長い紐が付いている。手触りが良くて上質な感じだ。

広げてみると、一辺が40cmぐらいの四角形。これはこの娘の物なのか?

土の中に埋めて隠していたという事は、何か貴重品が入っているのか。

袋の中を見てみると……何も見えない。真っ暗だ。何で?


穴の外へ出て明るい所でもう一度中を見てみる。やはり何も見えない。何だこれ?

試しに手を袋の中に入れてみると、いやに深くて大きいような……この袋、見た目と中の大きさが違う!


これはまさか、ファンタジー物の定番、「魔法袋」というやつでは!?

中に何が入ってるんだ? ……何も入ってないな。使っていなかったのか?


まぁいい。こいつはありがたく使わせてもらおう。

どうやって使うのか確認しないと。実験だ! まずは……藁で試してみよう。


袋より大きな一塊の藁を中に入れてみる……入るな。

次は取り出し。今入れた藁を取り出そうとすると……イメージ通りに出せる。

間違いない、魔法袋だ! 袋自体が貴重品だった!


続いてどれだけ入るのかを試す。……おおっ! さして大きくもない袋の中に藁がどんどん入っていくぞ!

穴の底に敷き詰められていた結構な量の藁も今日作った大量の干し肉も全て入ってしまった! 容量どれだけあるんだよ?

この袋の存在は大きい。旅行が捗るわ!


藁と干し肉の他に袋に入れる物はコップと皿とスプーン。ナイフ、鎌、薪、火付け道具。


後は……森へ行って梨モドキを取れるだけ取って持っていこう。

一晩寝て、MPを回復させたら出発だ!




翌朝、村を出た。

道は一本しかないから迷う事はないだろう。


魔法袋は希少な物かもしれないので、目をつけられないように袋に付いている紐を使って腹に直接巻き付けて服の下に隠す。

代わりに村で拾った袋を手に持って、これで準備は完璧だ!

買い出し旅行に出発!

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