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ダンジョンと土魔法は相性がいいと思うんだ

「ブリリアントアロー!」


「槍使い」の強烈な一撃が魔物の顔を穿つ!


「ギョシェエエエエエ!」


顔に大穴を開けられて悲鳴を上げた魔物はすぐに痙攣した後、動かなくなる。

槍使い強いわ。

今のところ、こいつしか戦っていない。

俺の出番がない。


「エクササイズブレイク!」


「ギャアアアアアアアア!」


猿と蜘蛛が合体したような奇妙な姿の魔物が2体、易々と倒されていく。

こいつTUEEEEE!


「アピアランスマネー!」


「ギュオオオオオオオオ!」


「ふっ」


3体目もあっさりと倒す。

軽く槍を振った後、戦闘終了の合図を送ってくる槍使い。

格好良いぞ。

だが、しかし。


「なぁハミル。ちょっといいか?」


「何だセシリア?」


「素晴らしい技のキレだ。深く感銘を受けたよ」


「分かるのか? お前は見所があるな」


満足げに頷くハミル。

こいつ、どこからどうみてもランサー。イケメンである。

ただし、頭の方は(以下略)


「だが、ちょっと考えて欲しい事があるんだ。それは技の名前の事なんだが」


こいつの槍の一撃は凄まじいものだが、技の名前が一々おかしい。

もう我慢できないわ。


「名前がどうした?」


「その技の名は誰がつけたんだ?」


「その技を編み出した者に決まっているだろう? つまりこの俺だ」


お前か。


「俺は英語にはちょっと自信があるんだが、その技名には少々、問題があるように思えるんだ」


「『えいご』というのが何の事か分からないが、問題とは?」


「意味が間違っているんじゃないか?」


ハミルの槍は凶悪にねじ曲がりながら伸びる長大な物で、色は赤黒く濁った血の色をしている。

輝く要素ゼロ。

何がブリリアント?


「ブリリアントは『輝く』という意味で、アローは『矢』という意味なんだが」


「ほう、そうだったのか? 我が槍術の名に相応しいではないか」


「何でだよ」


理由を言えよ。


「我が槍術は俺に輝く金、つまり金貨をもたらすもので、我が槍は矢の如く遠大な射程距離を誇るものだからだ」


おかしい、間違っている。


「エクササイズは『運動』という意味だし、ブレイクは『休む』という意味なんだが」


動きたいのか休みたいのかどっちなんだよ。


「運動は好きだぞ? 休む事も大切だ」


そうじゃない。


「アピアランスマネーに至っては『有力な者に支払われる報酬とは別の参加料』という意味になるんだが」


「確かに参加料を受け取ったぞ? 成功報酬とは別だ」


そう、こいつだけ前金を貰っている。さすがAランク。

だがそうじゃない。

おかしい、何もかも間違っている。


「どうしてそんな名前をつけようと思ったんだ? 勢いか?」


「俺のゴーストが囁くのだ。『こんな名前がいいと思うよー』とな」


何てフレンドリー! そんなゴーストとお友達になってみたいわ。


こいつ絶対転生者だろ。もしくは転移者。

お前どこ中だよ? 偏差値低い系だろ?


「名前を変えた方がいいと思うんだ。本当だ」


「ふむ、よかろう。どうしてもと言うのであれば技名を付ける権利をお前に与えてもいいぞ? もちろん有料だ。『ネーミングライツ』というやつだ」


「あ、結構です」


なぜそこだけ合っている? こいつは絶対日本人。

だってネイティブはこんな間違った使い方はしないから。


「ネーミングライツの契約料については」


「本当に結構です」


何もかも間違っているこの世界。正解はどこにあるのだろう? (ネーミングライツは合っている)


「無駄話はそれぐらいにしてくれないかしら? 先へ進むわよ?」


「了解です」



ここはソードのダンジョン。第1層。


俺達は今、ダンジョンの中にいる。




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