第6話 忙しさと暇つぶし4
春は冬を越したことによって余計に暖かく感じ、とても快適なものになる。
春風を浴びているととても気持ちよく、さらに快適で過ごしやすくなる。
それは、誰にでも感じることが出来る訳であり、例え、疲れすぎでもそれは変わらない。
桜は咲き誇っていて、今はどんな時期なんて丸わかりな風景がこの公園の中にはある。
俺は公園のベンチに腰掛けて、近くの自販機で買った炭酸飲料を片手に一息ついていた。
超ハードな労働を終えた俺には、全然疲労回復にはならないけど。
ただ、帰る途中ですぐ求められる癒しはこれだった。
「ふぅ。」
今の時間は4時くらいで日が暮れるにはまだ時間がある。
最初の仕事から始まって、そのあとのふたつの仕事も大分きつかった。
仕事だからあまり文句は言えないけど、断れるなら断りたかった。
けど、それだと何でも屋じゃなくなるからできる限りの事はやるようにしている。
まあ、今日の仕事は総合的にきつかった、ってことだ。
今は公園でひと休みしているが、公園は自宅の近くでもあるので近くの娯楽施設の場所は分かる。
今一番行きたいところはゲームセンターだった。
しかも、この公園から一番近いときた、頭の中ではゲームセンターしか選択肢が無かった。
持っていた缶の炭酸飲料を一気に飲み干して、ベンチから立ち上がり公園を後にした。
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◆
◇
平日とはいえ学生達がザワザワしているのは、やはりいつも通りであり当たり前だ。
ゲーセンの中からは学生達の声が聞こえてきて、エンジョイしているのが目に浮かぶ。
僕だけなのか、ゲーセンに入る時少しだけ緊張する。周りの人の目が結構きついんだよ。
この見た目でこの時間帯に遊ぶとやっぱり、ね。
俺はそそくさと店に入り、どんなゲームがあるか回る事にした。
ゲームの音が重なり合って轟音に近い音は、ゲーセンを連想とさせ、自分がゲームをしている感があって結構好きだ。
一通りゲームを見終わったのでなんのゲームをやるか決めることにした。
麻雀
やっぱりこれが一番だ。やってて楽しいし、運が絡んでくるのがこれまたいい。
4台並んで置かれている中で俺は自分の特等席を持っている。
いつもやる時はここと決めていて、今まで取られたこともない。
俺は、自分の特等席に向かった・・・
『やったー!上がりー。』
のだが、そこには座っている奴がいて、背中を見ただけだが嬉々としているのが分かる。
少しイライラするが、それで俺はどうこう言うつもりは無い。
こんなのでいちいち言っていたらしょうもない。
広い心で見逃してやろう、と思い露骨に後ろに並んだ。
幸いあともう少しで終わりそうなので、俺はすぐここに座れるだろう。
しかし、願い叶わず一通りの試合が終わっても去る様子は無く、百円玉を投入しているのが見えた。
俺はもう辛抱たまらず、声を荒らげながら話しかけた。