プロローグ
この地球では人間や動物が暮らしていたが、特殊な者もいた。
異種人
彼らは姿、形は人間に酷似しているが、一つ一つに人間とは変わっているところがある。
尾、耳、翼など出し始めるとキリがない。
彼らは、二つの派閥に分かれており、一つ目は"平和主義派"二つ目は"対抗派"の2つに分かれる。
平和主義派は、人間との共存を目指し人間には危害を加えんとする派閥である。
それに対し、対抗派は昔からの習わしを守り人間とは共存はもちろん、同じ立場に立つことさえも許されない派閥である。
もちろん、異種人の対抗派と人間は対立しており、人間と平和主義派は同盟を組んでいた。
しかし、平和主義派の異種人との共存は認められず、関係は軍の中だけは許されていた。
2015年 第一次異種間戦争勃発
戦争に参加した総人数は約10億人以上で、対抗派は約3億人に対し人間、平和主義派連合軍は約7億人であった。
そして、
2017年 第一次異種間戦争終戦
勝利したのは人間、平和主義派連合軍であった。
推定死亡人数は、約3億人。
勝った人間、平和主義派連合軍は、対抗派に対し、ある法を作ろうと提示する。
2017年 異種間交流法
内容は、異種人と人間の戦争を禁じ、交流を進めるというものである。
負けた対抗派は、これを呑みこの法が作られる。
対抗派のほとんどは平和主義派にまわり対抗派は元の7%程にまで減少した。
平和主義派にまわった対抗派は、酷い仕打ちを受けると思っていたが、そんな事はなく、
2021年、今現在では異種人の95%が人間と共存をしている。
異種人は自分の能力を駆使して、仕事も見つけている。
そんな異種人にも、もちろん使えない能力を持つものもおり、どうすべきか頭を抱えていた。
部屋の端に無造作に置かれた、真っ白いベッドに背を預け眠っているのは紛れもない俺だ。
「くあぁ〜。そろそろ起きるか。」
昨日の疲れで体が重く倦怠感を帯びている体を無理やり起こさなければ。
寝ぼけている目をこすり、頭を掻きむしり、やっとの思いでベッドに腰掛ける。
「くそねみぃ〜」
実際、この状態でも寝れる。
エンジンがかかってきた体を起こし、洗面所に向かおう。
足だけを動かし体は空中に置きっぱなし。っていうくらいキツイ。
洗面所の前に立ち、蛇口を捻り、両手を丸めてくっつけお椀の形を作った手で水を汲み顔にまんべんなくかける。
4、5回繰り返したら、死にかけていた目もさっきに比べたら見開いていて、我ながら整っている顔を認識する。
目鼻立ちはそれなりに良くて、けどイケメンではなくてとても平凡的だ。目は少し鋭く、髪型はそれなりに伸ばしていてツンツンしていて髪は茶色で、染めてはいない。
目覚めた顔は、ついでに体も目覚めさせ、エンジンは全開。
洗面所からリビングに向かい、窓を開けた。
「飯……作るか」
元気なこの体ならどんな料理も作れそうだが、そんな事しているなら時間の掛からない軽い飯で十分だ。
なにせ寝起きだからな。
台所に立ち、料理をしようと裾を肘から少し上にまくり上げ準備をし始め……
あれっ?・・・・卵がない。
冷蔵庫の中を端から端まで見渡すも……やはり無い。
卵焼きや目玉焼きを作ろうと考えていたが、まぁいいだろう
今日は簡単にパンを焼きインスタントのコーンスープを飲もう
パンもスープもとても美味しいので、まぁこれでも十分だ。
ぱぱっとご飯を済ませ、暫しの食休みをとる。
その間はテレビでニュースを見ていたのだが、これといったニュースは無かった―――――――――――
今日のトップニュースは、やはりこれ。〇〇の□□で起きた殺人事件ですね〜。
そうですね〜、やはりこのバラバラの死体が猟奇的な殺人事件を物語っていますね〜。
まぁ、このニュースがとても怖いところだろ。なにせ自分の住んでいる隣町がこの事件の現場なんだから。
それにしてもニュースキャスターは皆こんな感じなのか。
「いくら何でも他人事すぎだろ〜」
まぁ家をあまり出ない俺にしては関係無い事だが。
いや、ニートじゃないよ?自宅を警備してないから。
こんなんでもしっかり仕事はやっている。稼ぎはそれなりに良いし前にいた所に比べれば、もっと良い。家だってマンションだが、1人暮らしにしては十分なくらい部屋はある。今使っているのはリビングとひとつの部屋で、あまりの部屋は2部屋もある。
僕は自分で言うのもあれだが、それなりに綺麗好きな方なので、空き部屋も1ヶ月に2回は掃除している。
ふと時計を見ると仕事まであと30分ぐらいになっていた。
俺は部屋を暖めるために灯油ストーブを付け、部屋の端の方にある自己主張バリバリのパソコンの電源をつけた。
えっ?なんで、ストーブをつけて、パソコンを使おうとしているのかだって?
だってそりゃあ
俺、ネットを使った何でも屋だし。
お前ら絶対に、どんな仕事だよって思ったろ
稼ぎ悪いに決まってるって思っただろ。
まぁまぁ俺はこれがチャンスだと思ったからやってるんだよ。
俺の脳のヒラメキに今も感謝している。
そして何気に仕事は舞い込んでくるものだ。
今日も3件も仕事が舞い込んでくる。
さて、何から始めようか――――――――――――
ピンポーン
ん?誰だ?
誰も誘った覚えはないし。
うぅ〜ん、と唸り声をあげながら悩んでいるとまた
ピンポーン
1回目から10秒もしないうちにまた鳴った。
どれだけせっかちなんだ、なんて考えても進まないので取り敢えず玄関に進む。訪問客も足音が聞こえたのか待っているようだ。
見ていないけど。それなりには分かるもんだ。
玄関の前に立ちチェーンを外し、ドアノブを握り―――
なんだ?この悪寒は。嫌な予感がする。
20代前半の俺でも、多少の勘はある。
まぁ、それでもドアを開けなければ始まらない。
さっきの不安はどこかへ、僕はドアを開けた。
今回は読んで頂きありがとうごさいました。
誤字脱字が多いと思います。
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