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君の目には星が映る  作者: 宙
2/2

進路ッテナンデスカ

「この前言ってた進路調査!今から紙渡すからみんな書けよー。」


げっ。

忘れてた…。


進路だとぉ〜??

まだ高1の夏じゃないですか、先生。私には夢もなにもまだあったもんじゃぁありません。


なんて書こう…。



キーンコーンカーンコーン


「煌星ー!お前なんて書いた?おれ、ぜんっぜん考えてなくてさー。保育士とか、おれ似合うくね??」


「いや、イメージできん。田口そういうキャラじゃなくないか?」


ずばり。

うん、私も想像出来ないわ。田口。


「いやいや、案外子供に好かれる体質〜!……だったりしたら良かったのにな。ちぇ。で、煌星なん書いたの?」


「おれは―」


「宇宙飛行士。」


ずばり。

煌星を指さして言ってみた。

ね?宇宙飛行士、でしょ?


「うん。宇宙飛行士。はは!月乃に先言われたんだけど〜!」


ざわつく教室。


「えっ、えぇ〜!!お前、ガチかぁ?!煌星!宇宙好きなのは知ってたけどさ、そこまで高い夢持ってるなんてなあ!」


「夢は高く!なのであーる!」


ヘンッと照れくさそうにする煌星。

君は気づいてないだろうけど、きっとこのクラス(田口含め)みんな、半分ネタだと思ってるよ。


普通、高校生で宇宙飛行士になりたいー!ってドーンと言っちゃうやついるかァ?

本気の本気でなりたい、いや、なるって決めてる君を知ってる私だから、ちょっと切ない。


「ところで、月乃は?なんて書いたの?」


突然に話題は私の進路に。


「月乃は煌星と同じくらい頭いいからな!夢はでっかく、高く!なんだろ?どーせ。」


「田口くん、私は煌星と同じではないのだ。上をいく頭脳なのだよ。」


トントン、とこめかみを人差し指でたたいてみる。


「ほほぉー。そんな、おれよりも頭いいと豪語する月乃さんの進路、ますます気になっちゃうなぁ〜。ハハハハハ実際同じくらいの成績だろうがよ。」


「そのちょっとの差は全国的に見れば大きな差となるのよ!」


「おいおい、天体カップル。もう、お前らふたりが頭いいのは承知の上だからさ、とりあえず月乃は進路調査なんて書いたんだよ?」


「天体カップルってな、なによ?!付き合ってないから!」


「月乃の進路は?!」


「私の進路は!!!!!」


っ……!!

あ〜…。どうしよ。

ひ、ひ、


「秘密!!」


トイレ行く!と言って教室をあとにする。

後ろから私を呼ぶ煌星の声がしたけど、振り向きたくない、今は。


なんにも決まってない私なんて、これからどうやって煌星のそばにいたらいいわけ?

君は大きな、もしかしたら大きすぎるかもしれないくらいの夢を持ってる。

なのに、私は……どうしたいんだろ?


やりたいことが無い、とは違うんだけど、一生をかけてやりたいことがあるかって言われたらそうでもないものばかり。


君のあとばかり追いかけていくなんて、絶対後で振り切られちゃうから。


自分の夢を持ちたい。

そして、できればそれが煌星に繋がる道であって欲しい、なんて。強欲だなぁ、私。


田口「なぁ、天体カップル片割れ行っちゃったぞ。追いかけないのか?」


煌星「その天体カップルっての、なに。」


田口「知んねーの?煌星は太陽と星、月乃は月。ほら、天体!」


煌星「その前に俺ら付き合ってないんだけどー。」


田口「付き合ってるように見えるほど、仲がいいってやだなコレは!ハッハー!早く付き合っちゃえよ。」


煌星「…簡単にね、出来てたらね、苦労はしませんー、っての。」

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