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9/22

命名

そろそろ表大陸に行きます。

「アリオス、彼を仲間にするわ。」

「…は?」


私、アリオスは主の言ったことが理解できなかった。

なぜならついさっきまで全力で次元の違う戦闘を繰り広げた相手を仲間にするなんて言われたのだから。

確かに、彼が仲間になってくれるということは我々にとってとても頼もしい限りだ。

だが、ついさっきまで主と殺し合い(殺し合いにしか見えなかっただけだが)をしていた相手を仲間にする??

流石に理解できない。

理解できないなら、質問するまで。

我らが主は『知らぬが恥』という言葉を良く使うくらい、知識、情報に対して貪欲だ。

だから、知識を得るための質問に対してはとても優しく教えてくださる。


「そうね、まず色々彼について説明しようかしら?」

「お願い致します。」


そして、知った。

彼女の強さの秘密、彼との関係を──。


━━━━━━━━━━━


氷華は悪魔アリオスに俺と氷華の関係、どうしてこの世界にいるのかを簡単に説明した。

三度の飯より情報を大切にする氷華がここまで教えるということは余程アリオスを信頼しているということだろう。

なんか胸のあたりがモヤッとする。なんでだ?


「━というわけで、彼を仲間にするわ。」


氷華の説明を聞きながら仲間に入れてくれるのか考えてみた。

うん、まずないよね。

だって自分の主を殺そうと(周りにはそう見えただけだが)してた人間だよ??いや龍なんだけどさ。


「分かりました。主の望むままに。」

「いいのかよ!!」


執事っぽい服と黒髪、そしてその台詞がアリオスのかっこよさを最大限に引き出している。

ってそうじゃなくて!

あっさりしすぎじゃないか…?というのが本心。


「ふふっ、ありがとう。」

「え、そんなんでいいのか…?」

「あなたに敵意は感じませんし、それよりも、主が嬉しそうなので。主の喜びは私の喜びでもあります。」


うおおおおおかっこいいなお前はァ!!??

だめだ、予想外のことがおこりすぎてツッコミ役みたいになってしまった。

まず落ち着くんだ。こういう時、素数を数えるといいって聞いたことがある。

2…3…5…

もう大丈夫、落ち着いた。

数える必要あったのかって?俺もよくわからん。

とりあえず落ち着けたので、俺も氷華に説明する。


「それで、俺らは何をするんだ?」

「いいでしょう、説明するわ。ただし、3人だけの秘密でお願いね。」

「わかった。」

「主の望むままに。」


━━━━━━━━


とりあえず方針は決まった。

1、俺と氷華で表大陸へ行き、冒険者ギルドへ加入し、この世界の情報をたくさん集める。もちろん本当の実力を隠すため、分身体をこちらに用意し、大半の力を分身に注ぐ、危ない敵が相手の時は分身から本体へ力を持ってくれば良いので何の問題もない。

2、アリオスが魔王代理と称し、裏大陸の統括。魔王城を中心に国を創設。名称は未定。

3、俺と氷華の命名。


1と2は決定事項なのでスルーする。

問題は3である。これは、この世界では俺と氷華の今の名前は『無い』ことになっている。

冒険者ギルドへ登録するには最低でも名前を記入する必要があるらしい。なので、命名は必須だ。

そして、命名するにも色々ルールがあるようで、アリオスに命名を頼んだら、、、

「で、出来ません!!本来命名とは我々魔物からしたら個体としての格を上げる儀式のようなものでありまして、命名は命名した側された側双方の能力が強化されます。しかし、対象は自分より強いか、それと同等の力を持つものに命名してもらう以外ないのです。」

「もし力の無いものが力のあるものに命名したら?」

「命名して強化される能力値は命名した者の強さに比例して増えます。ですので、力の急激な増大に身体が耐えられず、消滅します。そして、命名の儀式自体無かったことになります。」

「うわ…」

「「めんどうだな(ね)」」


2人の声が重なった。

うーん。なんか色々ややこしいんだな。

「最悪、昔と同じで『氷華』って名前で登録すればいいんじゃないか?」

「そうね、一応名前だし、あなたも『聖』でいいんじゃない?」

「そうだな。」

「あ…」

アリオスが何か言おうとしたそのとき、ウインドウが表示された。

《命名の儀式を確認しました。

個体名:なし が 聖に変更されました。

個体名:なし が 氷華に変更されました。

命名による能力強化を行います。

個体名:氷華よりスキルを複製しました。

スキル「叡智の真髄」「魔法王」「能力極強化」を獲得しました。

スキルが進化します。

スキル「剣聖」と「剣製」が「剣聖★」と「剣製★」になり、統合され、スキル「剣之神(タケミカヅチ)」を獲得しました。

スキル「魔道王」と「魔法王」が統合され、スキル「魔導神(マーリン)」を獲得しました。

最上位職業スキルを獲得しました。

これによりスキル「拳士」を獲得しました。

スキル「賢士」を獲得しました。

スキル「能力極強化」に「能力超強化」が統合されました。

スキル「源初之龍種」に「叡智の真髄」が統合されました。

これにより神説能力「叡智之神(ソピアー)」を獲得しました。

「源初之龍種」から「全智の情報」「叡智の真髄」が除かれ、「叡智之神」に統合されました。

スキル「鑑定解析」は「叡智之神」に統合されました。

神説能力の獲得を確認しました。

スキル「龍之神」を獲得しました。

スキル「源初之龍種」「思念疎通」「未来予知」「威圧」は「龍之神」に統合されました。

取得する予定だったスキル「人核創造」が「龍之神」によって取得してしまったため、スキル経験値へと変換します。

スキル「龍之神」「叡智之神」「能力極強化」「剣之神」「魔導神」「拳士」「賢士」「超再生」が「龍之神★」「叡智之神★」「能力極強化★」「剣之神★」「魔導神★」「拳士★」「賢士★」「超再生★」になりました。

スキルが進化します。

スキル「龍之神★」が「龍神」に進化しました。

スキル「能力極強化★」が個体名:聖と完全に同化しました。スキル「能力極強化★」を媒体とし、スキルで上昇した能力値分を基礎能力値として加えました。これにより、「能力極強化★」は消滅、残骸からスキル「能力強化」を獲得しました。

スキル「拳士★」が「拳師」に進化しました。

スキル「賢士★」が「賢師」に進化しました。》



ちょっと目眩がしてきた。なんだこれ…なんだこれぇ!?

なんかもう歩くチートって呼ばれてもおかしくないんじゃないかな?

自身に『鑑定解析』をする。ついでに氷華も

《確認しました。情報を表示します。


個体名:聖

レベル:26

属性:幻

種族名:黒幻龍(バハムート)


称号:歩くチート龍


種族スキル:「幻龍皇の卵」


取得スキル:「龍神」「剣之神」「魔導神」「叡智之神」「悪魔神」「美食神」「拳師」「賢師」「能力強化」「超再生★」


取得魔法:表示の必要がなくなりました。次回から省略。


魂の繋がりを確認しました。

個体名:氷華の全ステータスが確認できます。


個体名:氷華

レベル:42

属性:魔

種族名:悪魔王(デーモンロード)


称号:災厄の悪魔


種族スキル:「悪魔王」


所持スキル:「魔導神★」「色欲之神(アスモデウス)★」「叡智の真髄★」「全知全能★」「能力極強化・改」「超再生★」


取得魔法:省略します。》


俺も、氷華も、おかしい強さですね。はい…

初めて見るスキルを叡智之神(ソピアー)、もとい、全智で確認する。

《確認しました。


叡智之神:全ての知恵を得る。詠唱破棄、全鑑定可、神速演算、神速思考。


剣之神:神の領域に到達した剣士。武器創造。作成時グレードにプラス補正。神速。剣技全解放、消費精神力激減、疲労回復。


魔導神:神の領域に到達した魔導師。神速。詠唱破棄、魔力制御、魔法創造、魔法全解放、消費魔力激減、疲労回復。


龍神:龍の神。源初之龍種、覇気、思念、未来予知、人核創造、黒霧創作、全属性耐性_激減、状態異常完全耐性、能力改変、能力創造。


悪魔王:悪魔を統べる王。魔法耐性_激減、状態異常完全耐性。


色欲之神:色欲の神、意外と一途。魅惑、誘惑、陥落、魅了、洗脳、魔力増大_絶、カリスマ。



うーん。悪夢を見そうなくらい凄い効果だなあ…

でもやっぱ龍神がずば抜けてる感じが否めない。


《武器創造:無から有を創り出す。大量の魔力の消費、疲労を伴う。

魔法創造:固有魔法を創り出す。明確なイメージと大量の魔力の消費、疲労を伴う。

人核創造:人間の核を創り出す。莫大な生命力が必要。

能力創造:固有能力を創り出す。この世界に無いものも創れる。明確なイメージと基礎(ベース)としてこの世界のスキルが必要。

能力改変:能力創造で創り出されたスキルを統合、進化させることができる。この世界のスキルの仕様を変更可能。※変更可能なのは仕様であり能力そのものではない。》


本格的にやばいなこれ、仕様変更とか創造とか…。

今の状態だと魔力、生命力、疲労がどのくらいか分からないな。

攻撃力とかの実力はなんとなくオーラとかで感じ取れるけど相手の魔力とか分かるともう少し楽かもしれない。

そう思って能力改変にて叡智之神の鑑定解析の仕様を改変させた。

魔力、生命力、疲労項目の追加と欲しい情報のみを表示するように。

さっそく確認する。


《情報を表示します。


個体名:聖

レベル:26

種族名:黒幻龍(バハムート)


生命力

HP 1250000

魔力

MP 500000/520000

疲労

SP 0/100》


おお!わかりやすい!!

そして、数値がえぐい!!!

創造系スキルの消費魔力とか改変の時と同じくらいだとしたら節約とか気にせず作れそうなんだが…?

だめだ、怖すぎて俺には扱えん…


「氷華、俺は最強なのかもしれない。」

「今更よ、私に勝てたのだもの。」

「お二人とも、強くなりすぎですよ…。」

アリオスが憔悴しきった顔で立っていた。

ごめんな?アリオス。

「いえ、いいんです。とにかく、これで一段落しましたので、聖様に改めて自己紹介させていただきたいのですが、よろしいですか?」

「あ、ああ…頼む。」

「はい。…」

深呼吸をするアリオス。さすがにこんなの目の前で見せられたら疲れるよな…。

「私は、主である氷華様に召還された大悪魔アリオスと申します。悪魔の中では最上位に位置するクラスではありますが、実力はまだまだです。ですので、主に氷華様の『知恵』としてお側に仕えさせていただいております。改めて、よろしくお願い致します。」


そう言ってかっこいい完璧なお辞儀をするアリオス。輝いて見える。


「あー、俺は聖。異世界から転生してきた、今は幻龍(バハムート)って種族だ。この世界の最強は知らんが、多分勝てる。よろしくな。」


思ったことを口にしたらなんか自信過剰みたいになってしまった。そんなことないのに。

多分。


「自己紹介も済んだわね。聖、分身を創り出して頂戴。」

「おう。」


氷華に促され、新スキルの黒霧創作で自身の体を創る。

どうせなら強くないとね!と思って黒霧で作成したのだが…。

出来上がった身体は、とてつもない潜在能力を持っていた。

《情報を表示します。


分身

HP 1200000

MP 3000000

SP 0》


本体とほとんど変わんねーじゃねーか!!!

そしてアリオスも

「こんな力を持つ人間なんて殆どいませんよ…。」

頭を抱えていた。

なんだよ!しょうがないだろ!?初めてだもん!

「貴方加減ってものしらないの?」

追い討ちをかけないでくれ…

「氷華様、貴方も分身の潜在能力は初めこのくらいだったじゃないですか…。」

「余計なこと言わないで頂戴、それに、私は完璧に隠蔽出来ているわ。」

仲良く口論している2人。

仲良さそうですね!!こんちくしょう!!

何故かイライラする心を不思議に思いつつも、どうにかこの能力を隠蔽出来ないか考えていたら。


《スキル「幻龍皇の卵」の「偽装隠蔽」の発動を推奨します。》


!!??

叡智おい!!進化したのか!!!

さすがにこれは驚きを隠せない。

いつもは聞かないと答えてくれなかったのに今回からは助言をくれるようになったのだ。

これは頭脳が2つあるようなものである。

これで勝つる!

とりあえず、言われた通りに「偽装隠蔽」を発動させる。

どのくらいの強さにしようかな?って考えるまでもないか。

氷華の分身より少し強いくらいに設定した。


「ちょっと!」


そりゃバレるか。氷華が凄く睨んでくる。


「実力は大差ないんだから大丈夫だろう?」

「いや、まあ…そうなのだけれど…。」


ともかく、これで準備は整った。いつでも行けるよ!!


「はあ…まあいいわ。行きましょうか?」

「ああ。」

「お二人とも、ご武運を。」


じゃあ、行こうか。

いざ、表大陸!!

ステータスは数値化しません。(インフレ起きそうなので)

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