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再会

再会します

魔界へ向かう途中に悪魔から色々この世界について情報を貰った。

どうやら100年程前にこの世界の3頭の龍種が闇堕ちして表の大陸に破壊の限りを尽くしたという。

龍種は5人の英雄と勇者に倒されたが、龍種はこの世界の神に近い存在なので魂が無くなることがなく、数百年の時を経てまた生まれてくるとのこと。

それを恐れて人間はまだ善か悪か判断出来ない状態である龍種の卵を片っ端から破壊してまた大陸を破壊されないようにしているらしい。

当時、裏大陸は入口の大きさが龍種が侵入出来る大きさでは無かったので被害が無かった。

それを知った人間が何故か龍種が闇堕ちしたのは魔族のせいだと言いお互いに不干渉だった種族が敵対するようになったという。

流石人間。理不尽だな。

「━という理由で人間に龍種が嫌われているのですよ。」

「成程。1ついいか?」

「はい、何でしょう?」

「人間が龍種に勝てたということは俺やお前に匹敵する強者がいるってことか?」

「そうですね、昔は、いましたね。」

「昔?」

「この説明のために、まずこの世界の冒険者について説明致します。」

冒険者、いい響きである。

冒険者とは、表大陸の中心地に建つ総統国ウルクスの冒険者組合(ギルド)が管理している対魔物討伐傭兵(ハンター)の通称だそうで、近くの村に農作物を狙って発生した魔物や洞窟や山、森に大量発生した魔物を狩って生計を立てるらしい。

そして、冒険者の実力に合った依頼を紹介するためにランクと呼ばれる制度があるという。

「どういう基準で上がるのかは知りませんが、冒険者ランクは上からL、S、A、B、C、D、E、Fまであるらしいです。」

ふむふむ。

「そして、Lランクの冒険者が、現時点で昔龍種を倒した5人の英雄と呼ばれる者達のみだそうで、今ギルドが管理している冒険者ではAランクが最高ランクです。」

「Sランクすらいないのか?」

「はい、Sランクに匹敵する強さの人間は何人かいますが、ギルドに登録されていないので推定の強さとなります。勇者も同じで、5人の英雄以上の実力と言われておりますが、ギルド登録をされていなかったので推定Lランクとしか分かりません。」

成程、ギルドとは冒険者ハローワークみたいなものなのか。

Sランクに匹敵するのにギルドに登録しないということは登録する必要がない。ってことは裕福である、その可能性が高いかな?

「Sランクは国王とかそんな立場の人間が多そうだな…。」

「ご明察です。今Sランクに匹敵すると言われているのはウルクスの国王ウルク・リ・シリューンとその護衛騎士オルグ・リザース。そして、ウルクスの隣国アルフの王女リズ・ストレイル・アルファ、ウルクスの反対側の隣国リングの王ライト・ジル・リングス、そして、イスカンダルと名乗る征服者の5人です。」

「そうなのか…って、イスカンダル?」

「はい。彼は自らを征服王を名乗り小さな村や街を強襲し、国を創ろうとしているらしい人間です。ふざけた言動とは似つかわしくない馬鹿げた力を振り回し小国の兵士およそ300人を1人で蹂躙したそうです。」

「征服王…!?」

イスカンダルで征服王ってもしかしなくても俺らの世界の人間だよな…?しかもえげつない強さだし多分異世界に飛んできたタイプだよな…?

「どうかされましたか?」

「いや…イスカンダルという名前に聞き覚えがあってな…」

「なんと!それでは仲間に引き込める可能性が━━」

「無理だな、俺の記憶が正しいならば彼は異国の英雄だ。英雄が魔族に手を貸すとは思えないよ。」

「英雄、でしたか…。わかりました。寄り道は諦め、裏世界へ真っ直ぐ向かいましょう。」

「わかった。」

ちなみに、まだ名前を教えてくれないのかな??

「申し訳ございません。主の赦しを得てくだされば。」

そうか、仕方ないな。

もう特に聞きたいこともないし急ぎめで裏世界へ向かおうか。


━━━━━━━━━


『龍種の一人(・・)とコンタクトが取れました。今から裏世界へ向かいます。』

悪魔アリオスから思念が届く。

意思のある魔族が最初から持っている『思念疎通』というスキルだ。

これは伝えたいことがスムーズに声に出さずに伝わるのでとても便利。

『わかったわ。一旦裏の私に力を分けるわね』

と一言伝えて私は町の宿屋の個室で裏の自分に力を分けるため眠りにつく。

(まさか1週間もしないでコンタクトを取れるとはね…やっぱりアリオスはとても有能ね。帰ったら何かお礼でもしましょうかしら。ふふっ。楽しみだわ。やっと会えるのね……)


━━━━━━━━━


悪魔に連れられて洞穴に入る。進んでいくと何か空間がひっくり返るような、そんな感覚に襲われたと思えば、洞穴の出口が見えてきた。

出口の先に広がるのはどうみても普通の大陸。森も山も国もある。昼も夜もあるようだ。が、表とは明らかに違うところがある。

それは、雲がない点と、今俺が立っている場所だ。

裏大陸に広がる空に不自然に穴が空いている。そこが裏と表の通路。今俺がいる所である。

「えっ、高…。」

というか、これって空飛べないと表大陸行けないってことだよね!?

「いえ、表大陸への転移陣が城にございますよ。」

「なら何故こっちで…ってそうか、何でもない。」

「理解していただけたようで恐縮です。」

まだ味方って決まったわけじゃないんだから転移陣の場所なんて教えられないよなあ…

まあ、仕方ないかな。

そんなことよりも、もっともっと大切なことがある。


「俺、飛べないよ?」

「え?」

「え?」

「いや、正確には飛んだことがないってだけなんだけど…」

「そんな立派な翼を持っているのに飛んだことないのですか!!?」

「ま、まあ、進化したときに大きくなったからまだ試してないだけだから」

「では飛びましょう。」

「え━━」

「問答無用です。」

そう言って悪魔は俺を空に突き落とした。


「ちょっとまてえええええええええ!!!!」


思考加速と高速演算を使い打開策を考える。

とりあえず翼がないとどうしようもないので急いで翼と尻尾を創り出す。

「うおっ…!?」

思ってたよりも制御が難しい。

うまく制御できず、きりもみしながら落下しているのでとても気持ち悪い。

全智さん!!どうやればいいですか!?

《確認しました。龍種は全種族龍形態で飛行が可能です。》

それもそうだ!!生まれたままの姿なら違和感なく飛べるんだ!

今の俺は人間形態だからその違和感が感覚を鈍らせているってことなんだろうな。

全智に言われた通りに龍形態へ戻る。

すると、さっきまで違和感でうまく動かせなかった翼が違和感がなくなり、意識するだけで安定して飛行出来るようになった。

やった!やったよ!!俺はついに空を飛べるようになったんだ!!!

嬉しくてつい咆哮してしまった。そしたら悪魔が

とても焦って

「何をしているんですか!!早くこちらへ!!」

なんでそんなに焦っているのだろう?と、思っていると遠くから何かの咆哮が返ってきた。

それは、ガーゴイルに似た魔物と、竜のような魔物に乗る魔物。さっきの咆哮は竜の方向だろう。

《確認しました。相手の情報を表示します。


種族名:ガーゴイル

属性:闇

所持スキル:「騎士」「群之力」「闘志」「飛行☆」


種族名:ドラゴンライダー

属性:深淵

所持スキル:「無謀」「狂戦士」「調教(テイム)」「魔法耐性_大」「物理耐性_極」「防御結界☆」


種族名:レッサードラゴン

属性:龍

所持スキル:「竜種」「魔法・物理耐性_極」「再生力☆」》


なかなかの強さなようだが、スキル「無謀」って……

「彼らは卓逸した強さは無いですが、無謀と群之力というスキルの影響で自分より強いものに向かっていき、群の数が多いほど彼らの強さが上がっていく郡で相手をすると非常に面倒な種族です。」

「なるほど…」

「先程あなたが咆哮したので強い物がいると思い飛んできたのですよ。私は知りませんので、どうにかしてください。」

「む…仕方が無いか。」

今は龍種なんだから飛べても不思議じゃあないしな。これは自分が悪い。

「ギャギャギャ、相手ハ1匹ダ!余裕ダナ!!」

世紀末のような声で叫ぶガーゴイル。無謀ってスキルは本人には相手の力が分からないのか…。不便なスキルだな…

だが、こんなにカッコイイ龍をバカにされて黙っている俺ではない。しかもレッサーとかいう劣化種にも見下されているようだ。

「舐めるなよ、劣化雑種如きが。来い、格の違いを教えてやろう。」

滞空の感覚は掴めたので人型に戻り宣言する。

そして、とりあえず魔法を発動。

地獄周回(ヘルループ)。」

凶悪な魔法を発動させると、ガーゴイル群は全滅。ドラゴンは振り切れたようだが、ドラゴンライダーの半数以上が戦闘不能に陥ったようだ。

残ったドラゴンライダーは恐慌状態に陥り、ライダーのいなくなったドラゴンはどうしていいか分からず空に留まった。

そういえばまだ「黒龍」の上位の「源初之龍種」を戦闘で使ったことがなかったな。

龍種っぽくブレス的なのを出してトドメを指してあげようかな。

そう思ってゴ〇ラの光線のようなイメージでブレスを吐き出す。

そこから出たのは黒い光線。それは真っ直ぐ飛んでいき、射線上にある物体を全て黒い霧のようなもの変換させる。破壊光線というよりは破滅光線という名前の方が合う。

よし、これは「破滅光線(ルインビーム)」と名付けよう。そこ!安直とか言うなよ。

そして全滅した魔物群を「暴食」と「生命操作」で吸収していく。

お腹がはち切れそうだ…キツい。

《確認しました。スキルの取得を試みます。

成功。スキル「胃袋」を取得しました。》

このウインドウが表示された瞬間、満腹感は感じるのだが、お腹の辛さがなくなった。

これは分かる。多分だけど。

恐らくこれは「胃袋」と呼ばれる別の空間にしまっているのだろう。お腹が減ればそこから消費されるようなシステムだとおもう。伊達に転生シリーズ読んでないですよ!

「暴食」と「生命操作」で全て吸収したはずだが、黒い霧のような物だけは吸収できなかった。

何故だろう?と思って霧に近づくと、全智さんが

《黒霧の存在を確認しました。

専用武具を生成可能です。

スキル「黒霧収納」「精製」を取得しました。これは「源初之龍種」に統合されました。》

はあ?なんじゃそりゃ。

《確認しました。情報を表示します。

黒霧:幻龍が発生させる黒い霧。幻龍はこれを使い自身を強化するための武具を作成することが出来る。

※武具のグレードは使用した黒霧の量に比例して上がります。》

ほー。すげー、としかいいようがない。

黒霧の収納、武具生成スキルも手に入ったし、ラッキーでいいのかな?

とりあえず黒霧の量は少ないので収納してさっさと悪魔についていくことにした。

「待たせたな。行こうか。」

振り向くと悪魔は変な顔をして固まっていた。


━━━━━━━


アリオスは目の前の龍種の理不尽さに頭がおかしくなりそうだった。

ガーゴイル群を視界に捉えたと思ったら彼らの殆どが死に、破滅の象徴とも呼べるような光線を放ち、残りの魔物を一掃した。

そして破滅の光線を浴びた魔物は黒い霧を発生させ、消滅。それと魔物の死体を彼は全て吸収してしまった。

まさに破壊の象徴と言われてもおかしくない力である。

同時に、この()だけは敵に回してはいけないと確信する。

(他の龍種とは明らかに別次元の強さだ…もしかすると主よりも強いのでは…?)

そんな疑問が生じ、戦慄する。

彼は何も無かったかのようにふり向いて、「待たせたな。行こうか。」と私に呼びかける。

少し固まってしまったが、今は主に会わせることが最善だと頭が結論を出す。

こちらも何事も無かったように、「では、行きましょう」と言う。

「もうすぐなので、少し飛ばしましょうか。」


━━━━━━━━━


死ぬかと思った…。

悪魔が急に「飛ばしましょう」とか言って高速で移動し始めるから置いてかれまいと急いで飛行したらスピードの制御が出来ずに城に追突してしまった。

悪魔が「何やってるんですか…しっかりしてください。」なんて言ってくる。

「お前が飛ばすからだろ!!」というツッコミは抑えられなかった。


悪魔に連れられて城の中を進む。

到着した場所は玉座の間のような部屋だった。

悪魔は玉座に向かっていくので、俺も進む。

そして、玉座に座っていたその人物は…

「久しぶりね、何も変わっていなくて安心したわ。」

長い黒髪に整った顔、前世と違うところを挙げるとすれば、金色に光る瞳と、控えめに生えた悪魔の角だろうか。

彼女は俺のよく知る人物、同志の幸宮氷華その人だった。

「そうだな、お前も変わっていないな。」

そう言って思いっきり後方へ飛ぶ。

その瞬間、さっきまで俺がいた場所に雷が落ちてきた。

着地の瞬間、氷華が魔法で極大の光線を放つ。

それを龍形態(ドラゴンモード)になり破滅光線(ルインビーム)で迎え撃つ。

二つの光がぶつかり━━合わなかった。

破滅光線は魔法をも飲み込み真っ直ぐ進む。

これには氷華も移動せざるを得ないと瞬間移動(テレポート)の魔法を発動させる。

未来予知で後ろからの攻撃を予知し、前へ飛びながら発生した黒霧を収納していく。結構大量に取れたな。

そして振り向くと、氷華が召還したと思われる魔物が2体いた。氷華は魔物に補助魔法をかけている。めちゃくちゃ強化されてるじゃないですか…?

魔物は悪魔騎士の様なかっこいい魔物だ。

「高速演算」と「魔力操作」で破滅光線の対個体用魔法を急いで構築する。その後、自身の能力強化の魔法を構築。

《魔法の構築が完了しました。

破滅魔法「ルイン」を取得しました。

補助魔法「Aアップ」「Dアップ」「Sアップ」を取得しました。》

即補助魔法3つを自分にかける。

かけ終えた直後、騎士2体が同時攻撃すべくとんでもない速さで突っ込んできた。

こっちもすばやさは上がっているので、こちらからも突撃する。

俺の動きの方が速かったようで同時に切りかかる騎士の攻撃を避けボディーブローを喰らわせてやった。

少し後ずさる騎士に破滅魔法「ルイン」を発動させる。

右手に発生した破滅成分を大量に含んだ玉を騎士の1人にぶつける。

騎士は呆気なく消滅し、大量の黒霧を発生させた。

(こんだけあれば上位の武器が作れるだろう…!)

急いで霧を回収し、体勢を立て直し突きを放つ騎士の攻撃を避け距離を取らせるために強めに蹴りを入れる。

壁まで飛んでいった騎士を横目に武器を精製する。

精製に気づいた氷華が氷魔法を打ち込む。

かなり威力が高いが、全属性耐性と超再生で殆どダメージを喰らわない。

氷華は魔法を消し、自身の爪を魔法で強化し、突撃してきた。

あの爪は何かやばい。だが、当たらなければどうということはないよね。

《武器を精製が完了しました。

武器名:バスターソード

グレード:L 属性:無》

武器の精製が完了する。Lって…。

その思考は後回しにして完成した武器で氷華の攻撃を弾く。スキル「剣豪」を持っているので大剣でも剣なので、達人並の動きができる。

ちなみにこの武器、SDOでとあるゲームとコラボイベントを行った時に手に入れることができる人間種専用の大剣だ。今回はスキルで作成したので俺専用となっている。

「収納」で大剣を収納する。元が黒霧なので収納可能らしい。

騎士が起きあがり、剣戟を浴びせてくる。

こいつも達人級の太刀筋で、避けるのが難しいが、もう俺の敵ではない。

横薙ぎの一閃を躱し、懐に入りこむ。そして大剣を取り出し、剣に破滅属性を与える。

《確認しました。破滅魔法「属性付与(アトリビュートエンチャント)破滅(ルイン)」を取得しました。》

逆にこちらが横薙ぎの一閃をくらわせる。騎士が真っ二つになり、黒霧に変換される。それを収納し、剣もしまう。

そして、氷華と向かいあう。

「やっぱり、強いわね。そこも昔のままで安心したわ。」

「急に戦闘を仕掛けてくるのは相変わらずだな、こっちの身にもなってくれよ…。」

彼女はSDO時代から自分の強さを確認するためにフィールドでいきなり攻撃してくることが度々あった。

「ごめんなさいね。まだ貴方という確証が無かったから…。」

「…まあいい。それで、これで終わりでいいか?」

「そうね、せっかくだからもう少しだけ拳で語りあいましょう?」

「普通に語り合うのは駄目なのか?」

「駄目」

「即答かよ…、わかった、続きをしよう。」

『よかったわ…これからはこっちで話しながら戦いましょうか?』

…え?なにそれ?そんなの知らないよ!!

俺がきょとんとしていると

『…貴方まさか、思念疎通出来ないの?』

思念疎通?え、そんなのあるの?

《確認しました。スキルの取得を試みます。

成功。スキル「思念疎通」を取得しました。》

なんか全智さんが勝手にやってくれましたね。

馬鹿にされたような聞き方だったので、少し見返してやろうと

『馬鹿いうな、お前に出来て俺に出来ないことはない。』

仮面の男のような台詞になってしまった。

『ふふっ、そういうことにしておくわ。じゃあ、いくわよ。』

見透かされてはいないだろう、うん。

と、思考していると、氷魔法が飛んできた。

間一髪回避する。

『拳で語り合うんじゃないのかよ!?』

『私にとってはこれが魔法(こぶし)よ。』

『あーそうですか。』

大剣(バスターソード)を取り出し飛んでくる氷の塊を叩き割って応戦する。

くそっ!こっちの手札をどんどん切らせてくるなお前は!

仕方なしに「剣豪」スキル補正で手にいれた技を放つ。

「“剣技”音速衝撃波(ソニック)!」

叫んで大剣を地面に切りつける。その衝撃で大剣の先端からエネルギー波が3つ氷華へむけて飛んでいく。これは剣の衝撃エネルギーを具現化させ相手へ飛ばす技であり、剣の種類によって攻撃属性が異なる。大剣のソニックは衝と斬属性が付与されているので、氷は相性が悪く、切られたり割られたりして衝撃波を止めることが出来ない。

『悪いけど速攻で終わらせるぞ。』

そう伝え、衝撃波の作った道を3つに分かれ突撃する。幻龍ならではのスキル「分身」だ。

ただ、分身には攻撃力もなければ耐久力もない。触れられたらおしまいという使い勝手の悪いスキルである。

『生意気ね、今度こそ私が勝つわ。』

氷華が極大魔法を詠唱する。

「消え去りなさい。神聖魔法“聖神(ゴッドホーリー)息吹(ブレス)”!!」

氷華の後ろに特大の魔法陣が出現する。

そこから神聖属性の魔力弾の嵐が飛来する。

衝撃波と分身は掻き消え、本体に向かって飛んでくる。

俺は立ち止まり、「暴食」と「魔力操作」を起動させる。

飛来する魔力弾を「暴食」で喰らい、体内に入った魔力弾を「魔力操作」で純粋な魔力エネルギーに変換させる。それは、魂の力に変換され、魂の器を拡大させる。限界値を超えるのだ。

そして、

《スキル「暴食」が「暴食★」になりました。

「魔力操作」が「魔力操作★」になりました。

「剣豪」が「剣豪★」になりました。

「魔道士」が「魔道士★」になりました。

スキルが進化します。

「剣豪★」が「剣聖」になりました。

「剣聖」が派生し、「剣製」を取得しました。

スキルが特殊進化します。

「魔道士★」と「魔力操作★」が統合進化し、「魔導王(マーリン)」に進化しました。

条件を達成しました。スキルが特殊例外進化します。

「暴食」が神説能力「美食神(バアル・ゼブル)」に進化しました。

新たにスキルを取得します。

スキル「天の使い」を取得しました。》

結果として能力が進化し、さらに力を得た。

《確認しました。情報を表示します。

剣聖:神に一番近い剣士。神速思考、神速行動。

剣製:剣を創り出す能力。マスターでグレード補正+1

魔導王:神速演算、魔力操作、詠唱破棄、叡智、魔法耐性_激

美食神:空間捕食、魔力変換、浄化、状態異常耐性_激

天の使い:天使系能力の種。》

神速思考、神速行動、神速演算を発動させる。

すると自分以外の物の動きが止まった。

止まったように見えるくらいゆっくりになったのだ。

そして、「美食神」の空間捕食を使用し、周りに漂う魔力弾を捕食する。

空間を喰ったからか、氷華が目の前にいた。

とても驚いた表情をしている。

『すまない、俺に神、聖属性は効かないんだ。』

『そんなの反則じゃない!また勝てなかったわ…。』

うわ!!話しかけやがった!

『神速思考と神速演算は持ってるのよ。まさかあなたが神速行動を持っていたとはね。』

『いや、ついさっき手にいれたところだ。』

『私のせいなのね…悔しいけど、負けは負けよね。』

『そうだな、これに懲りたら急に攻撃するのをやめてくれよ。』

『そうね、控えるわ。』

『控える…まぁ、それでいいか。』

そして、神速思考、演算、行動を解き、お互いに戦闘態勢を解いた。

今回はスキルの進化のおかげで勝てたけど、次は分からないな。修行でもしよう。

「アリオス。彼を仲間にするわ。」

「…は?」

そうか、あの悪魔はアリオスというのか。かっこいいなちきしょう。

とりあえず一段落です

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