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急展開

ドォォォン!!というおっかない音を聞き飛び起きる。な、なんだなんだ!?敵襲か!?

急いで起き上がり当たりを見回すと、一つ目の巨人が数十体こちらへ向かって来ていた。

・・・はい?

目を凝らしてよく見る。30体くらいですね。っていやいや、そうじゃなくて。

なんで狙われてるのぉぉぉ~~!??!?

やばいやばい!逃げなあかんて!!

立ち上がり逃げようとした時に自分と巨人達に違和感を覚える。巨人達進んでこないぞ…?

よく見ると俺を中心にドーム形の結界の様なものが貼られているようだ。

《龍種は進化の時、その身を守る為に絶対防御結界を展開します。》

最強防御結界とかほんと壊れだなおい。って進化…?そうだ!俺進化したんだ!!

自分の手を見ると、肌色。自分が龍種であるはずなのに綺麗に肌色の手をしている。人間と同じだ。

おお!!やったぞ!!遂に人間になれたぞ!!!

早速自分のステータスと見た目を確認しなくちゃ!!


《確認しました。情報を表示します。


個体名:なし

レベル:0

属性:幻

種族名:黒幻龍(バハムート)


称号:人に化けし龍


種族スキル:「幻龍皇の卵」


取得スキル:「剣豪」「魔道士」「龍眼」「威圧☆」「高速演算」「魔力探知」「未来予知」「能力強化」「悪魔神」「源初之龍種」


・取得魔法

光魔法:「退魔光」「光之槍」「属性付与・光」》


バ、バハムートになってたんですか…。

新スキル見てみようか…


《確認しました。情報を表示します。

「幻龍皇の卵」:幻覚魔法の極み 変身》


んんん?まだよくわからんぞ…??


《確認しました。情報を表示します。

幻覚魔法の極み:幻覚魔法構築時間_激減、コスト破棄。幻覚魔法耐性_無効。幻覚魔法全強化。

変身:思い描く者に変身できる。物は不可。幻覚魔法の1種とされているが、本当は違う。》


はい。チートですわぁ…

人間になってる理由は分かったけどこれはやばいな…

しかもコスト破棄ってやばない??簡単に言うとMP消費なしで打てるようになるんだろ?強いじゃんか!!

強いスキルを手に入れちゃうと試したくなっちゃうよね。丁度そこに巨人が数十体いるし、試しちゃおう!!

進化が完了したからか、結界が消え、雄叫びを上げながら巨人。が突っ込んでくる。

魔法の構築は完了しているのでとりあえずあの巨人を鑑定解析でもして近づくのを待つ。


《確認しました。情報を表示します。


種族名:サイクロプス

属性:闇


所持スキル:「野性☆」「怪力☆」「強靭☆」「魔法耐性_半減」》


なかなか強いな。魔法半減が少し気になるけどまぁ俺のスキルの方が強いし。大丈夫でしょうよ。


《幻覚魔法:地獄周回(ヘルループ)を発動します。》


瞬間、サイクロプス達は動きを止め、突然苦しみだした。

この魔法は対象の者が苦手とするもの、恐怖するものを地獄として幻覚を見せ、それを延々と続けさせる精神攻撃魔法なのだ。これは、精神を鍛えるか一定以上の精神攻撃耐性を持たないと防ぎようがない魔法だ。そして当然地獄を周回して精神力が弱ってくると。サイクロプスが1人、また1人と倒れていく。

「威圧の餌食じゃああ!!!フハハハハ!!!」

どこぞの社長の如く高笑いしてサイクロプスが倒れていく様を見る。そして気づく。空腹感、食べたい。という欲求に。

流石に生はまだ怖いのでサイクロプスが幻覚を見ている間に龍種ならではの火炎ブレスで死体を炙って食べる。この火炎ブレス。龍の姿だと口からしか出せないのに、人間の姿だと掌から出すことが出来る。そこが口なの…?

10分程度でサイクロプス数十体の丸焼きが完成した。早速かぶりつく。

…うん。普通に肉です。シンプルな味で少し飽きる。しかもこいつデカいから時間がかかるな、なんか手っ取り早く胃袋に収める方法ないかな。


《確認しました。スキルの取得を試みます。

確認、成功。スキル「暴食」を獲得しました。》


え?いや!暴食って!!七罪スキルちゃうの!!?てか取得出来るんかい!!

ちょっと驚きの連続で疲れたのでとりあえず右手で「暴食」を使用しサイクロプス達をいただく。

予想はしてたけど、腹は膨れるのに味がしない。すっごい違和感するなあ。慣れるしかないか。


少し落ち着いたので自分の容姿を確認したり色々試す。

まず人間。バリバリ生前の面影残っとりますね。どうせならイケメンにしてほしかったわ…

それにしてもこの「変身」色々アレンジが出来るようで、人間の身体に翼と尻尾を生やしたり、手足の部分だけ龍に戻したり、頭だけ人間で身体が龍、その逆と、色々なことが出来るようだ。だが、人間の頭で身体を龍にすると、大きさが合わないので身体に鎧をつけたようなデザインに変わる。翼と尻尾は付け足してるから元のままなんだけどね。

とか色々試していたらまた何かがやってきた。


《確認しました。情報を表示します。


種族名:サイクロプス“固有種(ユニーク)

属性:火闇


所持スキル:「爆炎☆」「剛力☆」「能力大強化」「魔法耐性_無効」「超再生☆」》


ユニークモンスターか!!確かSDOのユニークモンスターは通常種の3倍近い強さだったな。しかも魔法無効ときた

いい戦いになりそうだ!!わくわくしてきた!!

戦闘民族なみにわくわくしていると巨人が。

「グ、グォォ。ヨクモ、ヨクモナガマヲ!!!」

シャ、シャベッタアアア!!!と驚いた隙に巨人は常人では避けられないような速さで突進してきた。常人では、ね。

俺はそもそも人じゃないし龍の上位種なので難なく躱す。

「先に仕掛けてきたのはそっちだろう。なぜ怒る。」と、軽く挑発しながら隙を伺う。超再生と魔法無効があるので渾身の一撃で葬らなければ何回でも再生して襲ってくるに違いない。

「ウ、ウルザイ!!ニンゲンノグセニイイイ!!!!」振り返ってボクサーのように拳を構える巨人。

「その構え…!貴様、それをどこで習ったか教えてくれたら命は見逃してやるぞ?」

「ダマレ!ジネェ!」

ジャブ、ジャブ、ストレート、と基本な動きをしてくる巨人。一つ目のくせにいっちょ前にボクシングしやがって…

だが体格差がありすぎて巨人の方が前傾姿勢になっている。これを利用しない手はないな。

次のストレートのタイミングで巨人の手を優しく引っ張る。そして体制が崩れた巨人の腹に掌を当て。

「破ァ!」と短い掛け声と共に体内へ衝撃を送り込む。所謂発勁だ。

「ウゴアアアア!!!」と呻く巨人。その隙にもう片方の手を腹に突き刺し、生命操作でエネルギーを全ていただく。

「グオアアアア!!ヤメロオォォオオォオ!!!」苦しむ巨人。超再生で辛うじて命を繫ぐエネルギー部分を即再生しているので命がまだあるのだが、それが今巨人に長い苦しみを与えている。

「可哀想だし、もう楽にしてやるよ。」

「グガアアアア!!!」

心臓部分のエネルギー体を貫き、吸収する。すると、さっきまで苦しんでいたサイクロプスは静かになり、命を絶った。

《戦闘が終了しました。経験値を大量に獲得しました。レベルが5になりました。基本能力値が上昇しました。体力・魔力全回復》

レベルが上がった。スキルはまだマスターしないか。

《固有種のエネルギーを吸収。解析。解析完了。スキルを取得します。

スキル:「能力大強化」を取得しました。「能力強化」が統合されました。「能力大強化」が「能力大強化☆」になりました。能力が進化します。「能力大強化☆」が「能力超強化」に進化しました。

スキル「超再生」を取得しました。》


結局進化するんかーい!!しかも再生スキルまで取得するしさあ…調子乗っちゃうよ??いいかな??


「すみません。少々よろしいでしょうか??」


んん?誰だ?敵か??


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アリオスは自分の鳥肌を抑えることが出来なかった。他の龍種とのコンタクトを終え最後の龍種の元へ到着した時に見た景色は龍種特有の進化用結界を壊そうとするサイクロプス軍団。そして、結界が消えたと思ったらサイクロプス達が倒れ、そして燃え、突然何かに吸われ消える。その中心にいたのは1人の人間。サイクロプス自体数十人の討伐隊を編成して2、3体倒すのが限界だというのにその10倍以上をたった1人で葬る人間。恐らく勇者なのだろう。だが、ついさっきまであそこには龍種の特殊結界が張ってあったはず。一体どうやって入った?その疑問はすぐに晴れた。アリオスはその人間が翼と尻尾を生やしたり、龍に変身する姿を見た。もはやあの人間が最後の龍種なのは間違えようがない。が、なぜ人間に化ける?何のために?そして自身の「魔眼」で彼の力を見た瞬間に全身に鳥肌がたった。今にも爆発しそうな膨大な力。そしてエネルギーの流れを視て恐怖した。地面、空気のエネルギーの流れが全て彼に向かっていっている。そのくせ彼から空気中へエネルギーが出ていっていないのだ。それは、彼が空気や物質からエネルギーを吸収しているということ。今まで5000年近く生きてきたがそんな龍種どころかそんな存在はどこにもいなかった。驚愕するアリオスをさらに驚かせたのが、先程の彼の固有種のサイクロプスとの戦闘だ。アリオスは彼が勝つだろうと思っていた。だがその勝ち方に驚愕した。サイクロプスのエネルギーを全て吸収してのけたのだ。他者のエネルギーの吸収なんてものは特別な儀式でもしないと出来ないもののはずだった。それを彼は1人で、自身の能力でやった。明らかに次元が違う。そして確信する。魔王様の探し人はこの方なのだと。

そして、戦闘が終わり、一段落ついた時に声をかけた。

「すみません。少々よろしいでしょうか??」

彼は少し殺気を滲ませながら振り向いた。

失敗は許されない。失敗したら即消滅。湧き出る恐怖を押し殺し、大悪魔の貫録を纏い、最後の龍種とコンタクトを取る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


なんかめっちゃ悪そうなイケメンが俺を呼び止めてきやがった。ああん?やんのかコラ。

とりあえず鑑定解析。

《確認しました。情報を表示します。


種族名:悪魔(デーモン)・名前有

属性:真性・魔


所持スキル:「悪魔」「叡智」「拳士」「大魔道士」「超速演算」「精神力」「魔法耐性_無効」「物理耐性_半減」「真性」》


どうみてもボスレベルですわ…もしかして、負けイベントですかぁ??嫌だあああ!!!死にたくねえ!!こ、こうなったら命懸けで逃げ道を作ってやる!!

と、闘志(?)を燃やしていると悪魔が慌てて

「私は争いに来た訳ではありません。どうかお話をお聞きください。」

思ってたより紳士的な話し方をする悪魔。でもさ、こういうのってまず名前を名乗るものではないのかな??

「実は私共の主が━━━」

「名乗れ。」

「━━━え?」

「名を名乗れと言っている。」

「━━お許しください。悪魔は軽々しく自分の名を名乗ることは禁止とされているのです。」

「操られる可能性があるからか?」

「ッ!?そ、その通りです。ですので、名を名乗らないことをお許しいただけますか?」

「…わかった。それで、用件は?」

「はい。実は私共の主が人を探しています。不躾なお願いではありますが、探し人の協力をしていただきたいのです。」

ふむ…探し人、とな?困っている人がいたら助けてやれ、っていうのがギャルゲ主人公の教えだと俺は思っているからこういうのは積極的に協力していこう。

「その人の特徴はないのか?」

「主の口ぶりから察するに、雄であると思われます。」男か…てことは主は女?流石にそれは早計か。友人って感じかもしれないしな。

「他には?」

「それだけです。」

…は?

「は?」

しまった、心の声が出てしまった。

「申し訳ございません。実は具体的な特徴は主も分からないらしいのです。ただ雄としか…」

「それでは探すのはまず無理だ。君の主は他に何か言っていなかったか?」

「そういえば、その人にのみ伝わるらしい暗号のような言葉を教えていただきました!」

めちゃくちゃ曖昧だな…ほんとに探せるのか??

「はあ。んで、その言葉とは?」

「ヒョウカ。と仰っておりました。」

「…なに?」

「ヒョウカ、と伝えればいい。その人はそれだけで分かるはずだ。と仰っておりました。」

ヒョウカ…ひょうか…氷華?…まさか!!

「おい!その主。種族は分かるか!??」

「え?ええ、私達にとってはとても珍しい種族なので覚えております。彼女は私達の先祖の種族。源初の悪魔族でした。まさかまだ存在していたとは思いませんでした…!」何やら興奮して話す悪魔。だが俺はそれどころではなかった。

(源初の悪魔…ヒョウカ…女…やっぱり氷華?あいつもこっちの世界へ来ていたのか…?ということは瞳奈と陽平もこっちへ来ているということだよな…?探したいけど、まずはヒョウカ・仮とコンタクトを取って協力したほうが効率がいいか…?うん、とりあえずはその方向で行くか。)


「悪魔!俺をお前の主に会わせてくれ。」

「御意!」その言葉を待ってましたと言わんばかりに即答された。こいつ本当は知っていたんじゃないのか??まあ、いいか。

「では行きましょうか。」悪魔が歩き出す。

「え、歩きで行くの?」

「近いのでわざわざ転移する必要もないでしょう。それに、私に聞きたいことがたくさんありそうですしね。」

「…流石だな。悪魔。」

「ふふっ。主も同じことを仰っていました。」

「まあ、似た者同士だからな。多分。」

そして俺は悪魔についていき、ヒョウカに会いに裏世界、魔界とも呼ばれる大陸へ出発した。


氷華と会わないでいようかなと思ってたんですけど、会った方が色々都合がいいので会う方向にしました。

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