成長
遅くなりました。
基準がわかりにくかったので能力数値をなくしました。
「堕天セシ者」って曖昧だよなぁ…
堕天せし、って言ってるし堕天使のうちの誰かなのだろうがたくさんいて分からないぞ…
こういう系は七つの大罪と七大天使は絶対入っているとは思うのだが…。
これからの行動で取得スキルが変わってくるのだろうか?
なんにせよ、気をつけないと。人殺しは今俺人じゃないから罪にならないけど気持ちのいいものではないしな。
スキルについて考察しながら洞窟の奥を進んでいく。
村とかでこの世界の情報を知りたいのだが、龍はこの世界ではなぜかとても嫌われている。なので、とりあえず人に化けられるように進化していこうと思う。
洞窟を真っ直ぐ進んでいくと、3つの分岐点を見つけた。
さて、どこを進もう?
人間はこういう時無意識に左へ行こうとしてしまうとかどっかで耳にしたから1番右にしようかな??
なんとか理論を信じ分かれ道を右へ進むと、なんと下へ続く階段を見つけた!!
龍の脚では歩きにくく、途中で脚を滑らせてごろごろと階段を転がっていってしまった。
くそ、飛びてえ。
階段を降りた先には東京ドームよりは小さいくらいの空間が広がっていた。
結構な広さだったのでここに生活拠点を構えよう。ということで周囲に落ちている石を拾って積み上げていくこと数時間。ついにマイホームが完全した!!!
《スキル「物理大強化」が「物理大強化✩」になりました。
スキル「魔法大強化」が「魔法大強化✩」になりました。
スキルが進化します。
「物理大強化✩」が進化し、「強靭」になりました。
「魔法大強化✩」が進化し、「屈強」になりました。
魂の空容量が確認出来ました。スキル「未来予測」を取得しました。》
はやいわ!!!ヌルゲー過ぎないか!?
いや、もしかしたら使えないハズレスキルが多いのかもしれない。1回確認してみよう。
《確認しました。情報を表示します。
スキル「未来予測」:意思を持つ相手にのみ発動可能。データ収集のため発動に10分以上の戦闘が必要。
スキル「竜眼」:相手の隠れた力の流れを読み取る。マスターで壁の向こうの相手も読み取れるようになる。
スキル「演算処理」:思考加速、魔法の構築、攻撃速度上昇、パッシブスキルのON/OFF制御
スキル「魔力操作・感知」:魔力の感知、自身の魔力の操作、魔法が構築出来るようになる。
スキル「威圧」:相手を威圧し、一瞬動きを止める。相手が弱いと動かなくなるか死ぬ。》
うわ、すげー微妙やん…主に未来予測。魔物に使えないのとかなんかもう…って感じ。
魔力感知もこれだけ感知!ってのが出来なさそうだしそして更に威圧が…ね……
強いて使えそうなのは魔力操作、竜眼、演算処理かなぁ…
全智で魔法がどんなものかは分かっているので使ってみたい魔法を思い浮かべれば勝手に発動するように設定した。何回か撃てば構築にかかる時間がなくなるようなので、頼もしい限りである。ただ、魔法は魂の力の大きさで強い魔法を繰り出すので、まだ魂の力が弱い俺には弱い魔法しか使えないのだ。サンダー的な。
拠点を中心に試しうち出来そうな魔物を探しながら広間を探索する。
5分程移動した辺りで、ネバネバした動く液体を見つけた。
こ、こいつは!!
《確認しました。相手の情報を表示します。
種族名:エターナルスライム 属性:魔
所持スキル:「超再生✩」「不滅✩」「変化✩」「溶解✩」「物理激減✩」「吸収✩」
説明:その名の通り不滅のスライム。封印か光魔法で浄化させるのが定石。》
え…?めっちゃ強そうやんけ…?
しかも物理技しか覚えてない俺相性悪いだろ!!!
気がついたら5匹のスライムに囲まれていた。
やばい、やばいよ!急いで弱点らしい光魔法を構築しないと!!
自分の厨二力を信じろ…!!
演算処理と魔力操作で魔法の構築を始めた。
構築に意識を割かなくてはいけないので当然本体は棒立ちである。
スライム達が次々にたいあたりをしかけてくる。鱗に守られているとはいえ一撃が凄く…重いです。
《残り体力僅か。消滅の危機です。
光魔法の構築完了しました。光魔法「退魔光」を取得しました。》
なんとか間に合って魔法を発動させる。すると、 自分の身体を包む光の玉が複数自分の周りを漂い始めた。
スライム達が光に弾かれていく。隙の出来たスライムに光の玉を押し込むように追い打ちをかけると、スライムが霧になって浄化されていった。
この退魔光、魔族に対する弱い結界のようなものらしい。スライム系は力がないので結界を突破出来ないし押し付けると浄化され消滅するらしい。
エターナルでも所詮はスライムよのう。
とりあえずスライムしかいないうちに攻撃用の光魔法を構築するとしよう。
スライムが退魔光に弾かれるも退かずにずっと体当たりしてくる。諦めない姿勢は称賛できるが、意思がないからなだけだからなぁ…。
《光魔法の構築が完了しました。光魔法「光の槍」を取得しました。》
よし!すかさず魔法を発動させようと試みた、が発動しなかった。
《魂の容量が不足しています。光魔法「退魔光」を解除すれば容量の不足を補えます。》
どうやら今の俺では1度に一つしか魔法を発動出来ないようだ。仕方ないのでスライムの群れを正面に構えるように群れを抜ける。そして退魔光を解除し、光の槍を発動させる。
目の前に出現した光の槍を小さな手で持つ。そしてスライムに向けて投げる!命中!そして浄化されるスライム!!それもう一度。何度も繰り返す。そしたら
《スキル「射出」を取得しました。スキルの説明を表示します。
スキル「射出」:モノを飛ばすことが出来るようになる。魔法にも適用可能。その際の魔力の追加消費無し。
解放条件:モノを飛ばし続ける。
尚、「射出」は「魔力操作」に統合されました。》
嬉しいスキルを手にいれた。しかも魔力消費なし。
すぐさま演算処理にて光の槍を射出可能な用に調整する。
すると、何も無い空間から光が出現し、そこから光の槍が凄いスピードで飛んでいった。見事に命中。投げるよりも打つ方が当たるようで、何度か躱された光の槍投擲が、射出だと百発百中になった。なかなか強い。
だが、気づかないうちにスライムは二十体近くに増えていた。これではキリがないが、やるしかない。それまで俺は延々と光の槍を打ち続けた。打ち続けようとしたのだが、それは叶わなかった。
《魔力残量が無くなりました。代わりに体力を大幅に消費します。》
その画面を見た途端、身体をとてつもない疲労感が襲った。
(まだスライムが残っているのに…!!)
増え続けるスライムを倒し続けて残りようやく5匹まで数を減らしたのだ。だがもう魔力も尽き体力も殆ど残っていない。体を動かすこともままならない。
(ここまでかな…思い返すことも無いくらい短かったな、俺の人生…いや、龍生。人類の浪漫の結晶、魔法を使えるようになったのにそれの使いすぎで死ぬなんて、なんて恥ずかしいんだろう。記憶をなくしたいくらいだよ…でも、俺は今は龍だ。龍とは孤高の存在。最期まで強く格好よくいるものだ!!!)
ジリジリと迫ってくるスライム。俺は覚悟を決め静かに目を閉じ逝く時を待つ。
待つ。
待つ…ってあれ?攻撃が来ない?
不思議に思って目を開ける。そこにはスライム達の姿はなく、かわりに
《戦闘が終了しました。経験値を大量に獲得しました。レベルが25になりました。基本能力値が大幅に上昇します。体力・魔力全回復。
スキル「剣士」「魔法士」「強靭」「屈強」「旋風」「竜眼」「演算処理」「魔力感知・操作」「未来予測」「威圧」「源初の龍」「黒龍」「自動学習」「堕天セシ者」が「剣士★」「魔法士★」「強靭✩」「屈強✩」「旋風✩」「竜眼✩」「演算処理✩」「魔力感知・操作✩」「未来予測✩」「威圧✩」「源初の龍✩」「黒龍✩」「自動学習✩」「堕天セシ者✩」になりました。
スキルが進化します。
「剣士★」が進化し「剣豪」になりました。
「魔法士★」が進化し「魔道士」になりました。
「竜眼✩」が進化し「龍眼」になりました。
「演算処理✩」が進化し「高速演算」になりました。
「魔力感知・操作✩」が進化し「魔力探知」になりました。
「未来予測✩」が進化し「未来予知」になりました。
スキルの特殊進化の条件を達成しました。特殊進化を実行します。
「強靭」「屈強」「旋風」が統合され、「能力強化」へ特殊進化しました。
条件:「物理・魔法大強化」「旋風」またはこれの上位のスキルを持っている。3つのスキルの同時マスター。
「堕天セシ者」が「悪魔神」へ特殊進化しました。
条件:強くあり続けたいという強い想いを持ち「堕天セシ者」のマスター。
「源初の龍」「黒龍」「可能性の種」が統合され、「源初之龍種」へ特殊進化しました。
条件:「源初の龍✩」「〇龍✩」「可能性の種」の所持
レベルが上限値に達しました。余りの経験値を生命力に変換します。生命力が一定に達したので見た目が変化します。》
というメッセージが表示されていた。
レベル最大(25レベル)、全部のスキル進化!やったぜ。
そして、身体に変化が…
身長が2mくらいに伸び、カッコイイ翼が生え、人のような体格の龍になった。龍人っぽいな!体格だけで容姿は普通の龍だけど!
見た目の成長はこれで終わりのようなので、次は新しいスキルを確認してみよう。
「剣豪」「魔道士」「能力強化」はなんとなく分かるから保留で、他の気になるスキルを全部確認してみようか。
《確認しました。情報を表示します。
「龍眼」:生命の力の流れを読み取る。抵抗力のない者なら心を覗くことも可能。
「高速演算」:演算処理能力上昇_大。思考加速状態でも演算処理が可能。パッシブスキルのON/OFF制御
「未来予知」:意思を持つ持たないに関係なく自身の危険な未来を必ず予知する。
「魔力探知」:魔力の感知、自身だけでなく周囲の魔力の操作、魔法が構築出来るようになる。
「悪魔神」:生命操作。悪魔・神・風属性完全耐性。光・闇・聖属性耐性_激。能力上昇_激。神速思考。
「源初ノ龍種」:全属性耐性_大。無限の可能性。理ヨリ外レ対トナル能力ヲ全テ取得可能。》
まともに受け止めたら誰でも調子に乗るような内容だった。やばい。特に悪魔神と源初之龍種がえげつねえ。が、生命操作と全能力取得可能?ってのがまだよく分からないので詳細をお願いします全智さん!!
《確認しました。情報を表示します。
生命操作:自然、生物に流れる生命力の感知、吸収、放出。
全能力取得可能:その名の通り全ての能力を取得可能。悪魔系能力を所持していてもその対となる天使系能力を取得可能(本来は片方しか取得出来ない。)魔王と勇者も該当する。》
そういうことですか。わかりました。
・・・なわけねーだろ!!なんだよそのクソ能力!!俺にはもったいねえよ!そんな能力取得して何をすればいいんですか!?
〖悪魔系、天使系能力をたくさん集めれば元の世界へ帰れる力が手に入ります。それまで頑張ってください。〗
俺の問いに答えるかのように見慣れないメッセージウインドウが目の前に現れた。どうみても全智では無いな。ってか帰れるの??
〖はい。帰ることが出来ます。と言っても能力の収集以外にもう一つ条件があります。〗
条件とは?
〖この世界を愛することです。それも、離れたくないくらいに。〗
え!?矛盾してね??帰るためには帰りたくないくらいこの世界を好きにならなきゃいけないのか!??無理だろう…!!
〖ある能力を取得出来たならその悩みも晴れますよ。では、頑張ってください。〗
あ、ちょっ、待てよ!!消えやがったあの変なやつ。自己紹介くらいしていけよ…。
こんなことで悩んでいても仕方がないのでとりあえずこの世界で生き抜く、そして強くなろう。
先程の戦闘で倒されたスライムの生命力が空気中に漂っているはずなので、生命操作で認識し、吸収する。この生命力、視認すると綺麗なエメラルドグリーンのとても薄い布きれが空気中に漂っている、という表現が一番しっくりくる。所々キラキラしてるけどね。なんというか、ライフストなんたらみたいだな……。
それが体内に吸収されてゆく様はとても幻想的だ。
とか無駄な事考えているうちに生命力の吸収が終わった。
しかしなんであのスライム達は急に逃げ出したのだろうか?俺の強さにようやく気づいて恐れをなしたとか!?そういうことですか!!ははっ✩そうだったのか!!
最高の気分でマイホームへ戻ろうと振り返る。
そこには全長10mを超えそうな巨大な蛇みたいな蜥蜴?が俺を見下ろしていた。
あぁ〜。そういうことですか………。