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孵化

ステラ・ドラゴンを倒した日の夜。変な夢を見た。


《転生先種族を選択してください


源初の龍種:ステラ・ドラゴンと同じ龍種。レベルがあがりにくいが、とんでもなく強い。最終的には源初の龍神(龍人)となって人型にもなれる


源初の人族:仙人に近い。人族を比べると10倍近いステータスを持つが上限値が割と低い


貴方が選択出来る転生先種族はこの2つです。どちらを選択しますか??》


声…?夢か…これ?ステラ倒して変なメッセージ見たからこんな夢みてるのか…

夢ならどっち選んでもいいよね。

うん。人生ならぬ龍生も歩んでみたいかも!


《確認しました。源初の龍種で転生します。


源初の龍種は特別個体なので、色を変えることができます。(後からスキルで変更できます。)

選択してください。

“蒼、紅、碧、白金、黒、白”》


色なんてあるのか…苗字黒だし黒にしようかな。


《確認しました。黒の龍種で転生します。


源初のスキルを一つ取得できます。選択してください。

「全能の情報」:全ての能力の情報、説明、能力の獲得経験値上昇

「全智の情報」:全ての能力の情報、説明、取得条件の確認。

「全智全能」:万能能力の取得、パッシブスキルの取得不可。》


これ、結構チートスキルだよな…どれにしようか。

…よし、決めた。


《確認しました。


続いてクエスト完遂報酬の転生スキルを選択してください。


「勇者」:称号“勇者”を得る。ステータス上昇

特攻スキル「魔王特攻」取得、スキルによる魂の侵食。

「魔王」:称号“魔王”を得る。ステータス上昇

専用スキル「地獄」取得、スキルによる魂の保護(死んでも魔王としてまた生き返る)

「全智全能」:万能能力の取得、パッシブスキルの取得不可

「万物創造」:無から有を創り出す能力。魂の力によって性能が変わる。

「可能性の種」:全てにおいて可能性を秘めた種。進化すると種族により「可能性の獣」「可能性の塊」と派生する。》


魂の侵食?なんかやばそうだから却下。

魔王を選ぶと死なないけど将来ずっと勇者に殺され続けるのか。つらいな。

全智全能こっちでも取れるんかい!!パッシブスキルは欲しいのでこれも却下。

あとは2つの内からどちらかを決めるだけ。うむ、どちらも捨て難いが、こっちにしよう。


《確認しました。以上で転生の準備が完了しました。転生を開始します。》


その声が聞こえた瞬間、俺は謎の浮遊感に襲われた。そして


《転生が完了しました。個体名:黒峰聖との通信を遮断します。》


という謎の言葉を最後に俺の意識はまた深くに落ちていった。



_______________



んん…?何か声が聞こえる…てか暗い。そしてゆっさゆっさ揺れている。凄い揺れるなあ…何かに運ばれてる?

もしかして拉致だったり?もうそうだとしたら絶対許さん!ここから出しやがれぇー!!

とりあえず暴れる。ん?なんか身体に違和感を感じる。

まず、声が出ない、歯が鋭くなっている気がする、自分の皮膚が硬くなっている。

これは…どういう状況??人間じゃなくなっているのか?自分がどうなっているのか知りたいな…どうすれば……

《スキル「鑑定解析」を取得》

突然目の前に表示されたメッセージ。少し驚いたぞ…。

鑑定解析ってSDOのスキルだよな…物の解析ができるヤツ。使えるのか??

とりあえず自分に「解析」と念じてみる。すると



『個体名:なし (旧 黒峰聖) レベル0 属性:全

種族:源初の龍種(黒)


称号:黒龍


能力値:不明


種族スキル:「源初の龍」「黒龍」

取得スキル:「全智の情報」「可能性の種」「情報取得」』


・・・はあ??

なんじゃこりゃあああああ!!!


___________________



落ち着いた。OKよくわかった。

まずあの夢は夢であって夢じゃなかったということ。SDOで言ってた転生はゲーム内ではなく現実世界での転生であったこと。そして今俺は卵の中にいて何者かに攫われていること。

そして俺のオタクスキルを存分に発揮して導き出した答え。


SDOの世界のデータを媒介にして異世界転生した。そして俺は今死への階段を登っている。


これで間違いないなうん。よし。

転生させた目的はわからんが、とりあえず死んだらおしまいなので目玉焼きにされんうちに脱出だ。

翼は生えているが恐らくまだ飛べないので襲ってきたら死ぬ気で応戦しないとな…

内包魔力(エネルギー)は凄く多いのでそこそこいい戦いは出来ると思う。自分の能力値が分からないから過信は出来ないけど。

では、いざ!脱出!!


___________________


私達はこのでかい龍の卵を持って運んでいる。

理由は龍がこの地に復活する前にその根を絶つためだ。龍種は、我ら人間族の敵であり、世界の敵である。数百年前にこの世界を創ったと言われている龍種“ステラ・ドラゴン”が突如人間族、悪魔族の領土を破壊し尽くした。人間の勇者と悪魔王によって封印されたが、ヤツは卵を産んで隠していた。卵が孵りまた世界を壊されないために王国から派遣された私達騎士団の手でこの卵を破壊しようとしているのだ。が、卵は恐ろしく硬かったため、王国へ持ち帰り兵士全員で壊そうということになり今卵を運搬していた。

私たち人類は間に合わなかった。

卵にヒビが入り、動き出す。

「全員退避!!」

隊長の命令に従いすみやかに卵から距離を取る。

そして、卵から生えてくる手足。その色は、おぞましい程の黒。それだけで死神を連想させてしまう。

隊の1人が情けない雄叫びと共に卵に剣を振り下ろす。瞬間、卵の黒い爪が伸び、その者の胸を貫いた。

「ユージーン!くそぉ!バケモノが!!!」

声もなく崩れ落ちるユージーンを見て他の兵が卵を殺すべく突撃する。

「全員!連携を意識してかかれ!!油断するなよ!!」

隊長の声を聞き、逃げという選択肢は無いものと理解する。

そこそこ強いはずの騎士が1人瞬殺された時点で龍との力の差は歴然としていた。だが、王国騎士としての誇りが逃げを許さない。そして私は負け戦へ身を投じる。



________________



おう、やっちまったぜ…

卵割れたと思ったら手足しか出なくて別のバケモノにしか見えないとかそれもそうなんだけどやっちまったのは転生して早々に人間を10人殺ってしまったのだ。

卵を脱いで、現場を見る。

うわー、グロ。

最初貫く時とか首切断することに罪悪感なんてものは全く抱かなかったけど感触は気持ち悪いな…慣れるか遠距離攻撃にするかどっちかにしないとな……


《戦闘が終了しました。経験値を獲得しました。レベルが12に上がりました。能力値上昇。》


一気にレベルが12も上がった!?人間うま!!

この世界ではステータスは数値で表示されないみたいだな。きっと敵もそうなのだろうけど、これでは相手の力量が分からないな…。めっちゃ強い奴と知らずに戦って死んだらどうしよう。うん。今考えても仕方がない。その時はその時で考えよう。


適当に散歩していると洞窟を見つけた。一先ずあそこでスキル確認をしよう。ついでに修行だな。

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