表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

黒リボン・ドール・ガール

作者: 正猫

学園【購買部】


学園を徘徊するコト、数日。

見るもの全てが新鮮で、鼻歌混じりのフェアリーステップも、だいぶ板についてきたと思うの。


お気に入りの場所もいくつか見つけたし…今日は、そこで暇つぶし。

購買部の棚の一角、たぶん、私の為に空けてくれてるんじゃないかなぁ…と思う場所。


気に入ってるトコロは、なんと言っても、学園の案内板に載っていない所。

私も最初は、探検気分で探した購買部、自主運営なお店。

案内に載っていないのは、欲しいものがないと来れないから。

願わないと来れない『願いの購買部』


ちょっと不思議で素敵よね。


そんな購買部、先日もこんなコトがあったわ。


「なんでだっ!?」

私は、ハイ・エルフの男子生徒のおっきな声で驚いてしまい、危うく棚から落ちそうになったの。


「…ごめんなさい、あるけど、貴方には売れないの」

購買部の妖精さん、ビクビクしながら、カウンターから耳を寝せて目だけだしてる。


「だからなんで!…たかが、消しゴム一つだし、ちゃんと料金だって支払うって言ってるんだぞ!!」

カウンターにフェアリー通貨をバンッと投げ付ける。


「ほ、ほんとに、ごめんなさい。怒らないで…」

もういい!!

そう言って立ち去るハイ・エルフさんに、妖精さんは、申し訳なさそうに頭を下げた。


これは面白そう♪

私は、ハイ・エルフさんの後を付けるコトにしたの。


二年生の教室…さっきのハイ・エルフさんは…とっ、いたっ、みつけたっ♪

授業が始まり、不機嫌そうに席に座ってる。


正直、少し退屈な授業風景、ハイ・エルフさん真面目にノート取ってる。


「ぁ…やべ」

筆箱を開けて見たものの、消しゴミがないのに気づき、困ってる。


「どうしたのよ? いいわ、私の貸してあげる」

隣りの女子生徒、みるにみかねて、兎のかたちをした消しゴムを出した。


ぁ、なるほど。

私は、教室を出たわ。


これで三人目♪

数日後、噂になるのよね、あの二人。


購買部に戻って、お気に入りの場所で、足をぶらぶらしている私。

妖精さんの独り言が聞こえる。

私の気づいていないのに、まるで、私に話しかけるように。


「想いを寄せる殿方に…貸すと両想いになれる兎消しゴム」

妖精さんは、箱いっぱいの兎さんの消しゴムを、並べているの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ふんわりとした可愛らしい一人称。 妖精さんの購買部なんて中々にファンタジーで素敵。 剣呑な雰囲気になる事もなく優しい話のまま終わるのは読後感が良い。 [気になる点] ちょっと話が短すぎても…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ