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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編まとめ

正義の下で

作者: 猫面人

 「正義は絶対的でなくてはならない」

この国のお偉方は皆口を揃えてこう言う。

「悪人には正義の名の下に鉄槌を!善人には慈愛の精神を」

まるでどっかの喋る鳥みたいにおんなじ事ばっか繰り返し言いやがる。俺たち悪人にとっちゃクソおもしろくもねぇ。

 善人、悪人と言っても、両者には大した違いは無い。ただ、感情や思考に社会的に不都合な事がある。ただそれだけだ。誰だって思うような事だ。

「なんだこいつむかつく」

「死ねばいいんだこんな奴」

「殺してしまいたい」

実際に行動に移す訳では決して無い。中にはそういう者もいるかもしれないが、俺はそんなことしない。やって良いこと悪いことの区別は付いてるつもりだ。

 しかし奴らは容赦しねぇ。正義の名の下に鉄槌を下しに来る。悪い思考を持った人間を殺す為、さんざん街中歩き回って悪人探しだ。俺は悪いことなんざ何一つだってしちゃいねぇ。思っただけだ。一時考えただけだ。ただそれだけで悪人扱い。どうやって思考読み取ってんのか知らねぇが、俺は追われる身になっちまった。クソッタレ。

 窓の外を見ると、すぐ近くまであいつらが迫ってきていた。あと二つか三つ家調べたらここに来るだろう。それまでに逃げなくては。

 とりあえず屋根に登った。奴らの姿が丸見えだ。空の監視は今まで無い。だから屋根の上に隠れてりゃ安全だろう。しばらく観察する事にした。

 奴ら、子どもすら悪人扱い。でっかいハンマー振り回して、子どもをかばう親ごとぺしゃんこにしやがった。

「正義の名の下に!!」

「「「正義の名の下に!!!」」」

まったく狂ってやがる。どっちが悪人だよ。

 なんでこんなことになったのかは分からない。いつからこうなのかも忘れてしまった。奴らはただ、虐殺を繰り返した。正義の名の下に。もはや誰の目にも悪人と映る、絶対正義の守護者共。世の中ひでぇことになっちまった。


バババババババ……


 ヘリの音がする。見上げると、でっかいハンマーを持った大男が俺めがけて落ちてきた。そこからは分からない。そこで意識が途絶えてしまった。

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