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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

花言葉

作者: 小夜

軽くですが、ガールズラブの要素があります。あらかじめご了承のうえでご鑑賞ください。

俺には先日妻が出来た。高校の同級生で4年前からつきあっていたのだが、とうとう1週間前に入籍したのだ。


今は俺の幼馴染を主催者として、友人たちがひらいてくれた結婚式の途中だ。


「ーーーーー彼は私が困っているとき、さりげなく助けてくれました。そして新婦のーーーーー。」


今しゃべっている彼女が俺の幼馴染。高校・大学ともにちがうのだが、家が近いのでいまだに交流があるのだ。


そして妻の親友でもある。


4年前妻と付き合い初めたとき、真っ先に彼女に妻を紹介した。すると彼女と妻は話があったようで、まるで2人の方が恋人かのように仲良くなっていった。今日だって、俺をスルーして妻に「結婚おめでとう!幸せになってね。」だもんなぁ…正直ちょっとさみしかった。


でもまぁ、彼女のおかげでいい感じのプロポーズが出来たからなぁ。…許してやろう。


隣で彼女のスピーチをニコニコしながら聞いていた妻が俺に話しかけてきた。


「ねぇねぇ、見て!この髪飾り彼女からもらったのよ。どう?可愛いでしょう。」


そう言った妻の髪には、確かにさっきはなかった髪飾りがついていた。真珠の髪飾りで中央にピンクのバラが一輪ついている。妻にとても似合っている。彼女のほうを見ると、ちょうどこちらを見ていて、妻が髪飾りを指差し、くちぱくでありがとうというと、彼女は頬をピンクに染め、嬉しそうに笑った。


「あと、会場の花のこと聞いた?全部、《ルリ》から用意してくれたんですって。さすがよねぇ。とっても素敵!」

「おっ!やっぱりなぁ。」


ちなみに《ルリ》っていうのは彼女がやっている花屋の名前だ。


「えっ!やっぱりって、しってたの?」

「あいつの好きな花ばっかりだったからな。それに主催者だし。」


そう、ほんとびっくりする位に彼女の好きな花ばっかりだったのだ。でも、彼女が用意したというのには少し違和感があった。


彼女は花言葉が大好きで色々な花言葉を知っている。《ルリ》でもプレゼントの花束に花言葉を使ったりしている。(さっき言った彼女のおかげでいいプロポーズができたというのはそういう事だ。すげぇニヤニヤしながら花を選んでくれた。)


今回も祝福や幸福でスズラン.フクジュソウ.ジニア.カキツバタ、愛でゴデチア.ムスカリ.アイビー、清らかでオーニソガラム.スノーフレーク.キキョウなどなど。とにかく彼女の好きな花言葉の花ばかり飾ってあった。


さっき言った違和感というのは、その会場の中に不自然な花言葉の花が混ざっていたことだ。


嫉妬でシクラメン。



「ーーーでは最後に新郎新婦の二人に我が《ルリ》から花束を贈りたいと思います!まずは…レディーファーストということで…。」


いつの間にかスピーチは終わっていたらしい。彼女は、横にあった大きな袋から1つ花束を出した。結構な大きさがある。青をアクセントにした白い花束だ。カサブランカ.アマリリス.トルコキキョウ.白バラ.ワスレナグサ.を使っている。


ちなみに花言葉は、カサブランカが雄大な愛。アマリリスが誇り、美しい。トルコキキョウが優美、希望、永遠の愛。白バラが尊敬、純粋。そして、ワスレナグサが真実の愛、忘れない。


これまた彼女の好きな花ばかり。…でもサムシングブルー〔結婚式で花嫁が青を身につけると縁起がいいと言われている〕ということで使ったのだろうワスレナグサが俺としては意外だった。てっきり定番のブルースターを使うと思っていたからだ。会場にも飾ってあるし。


妻にゆっくりと花束を渡すと今度は小さめの花束をだした。


「えっ?」


つい声を上げてしまった…。でもそれぐらいに驚いたのだ。


花束はバラとマーガレットのカラフルなもので。黄色のバラをメインに赤いバラとマーガレットがちらばっている。


赤いバラ、愛情。マーガレット、真実の友情。これは別にいいのだが、俺が驚いたのはメインとなる黄色のバラだ。黄色のバラの花言葉は嫉妬。


嫉妬される覚えなんてないので、これはどういう意味なのかと彼女のほうを見る。しかし彼女は俺がぼぉっとしている間に自分の席にさっさと戻ってしまっていた。


この後も何度か話しかけようとしたのだが、彼女は妻や友人と話していたり、司会をしていたりとなかなか話せなく、結局この日彼女と話すことは出来なかった。


次の日、どうしても気になって彼女に花のことを聞きにいった。


「なぁ、俺にくれた花束のことなんだけど。俺ってお前に嫉妬されるようなことしてたか?」

「……え?…あぁ!バラのこと?」

「あぁ。」

「ごめんなさい!あとで言おうと思ってたんだけど忘れてたわ!あれね、色とか合わせるために使っただけなの。だから気にしないでね~。」


そう言って彼女は慌てて謝ってきた。


…つまり、俺の考えすぎってことか。でも良かったあいつと気まずくなるのいやだしな!


その後も今まで通り三人で集まったり、食事に行ったりした。どんどん時間が過ぎ、俺たちに子供が出来てからだって、呆れられるぐらい仲が良かった。


ただ、妻と彼女が二人で会うことはなくなったのはなぜだろう?



—————

あなたとあの子の、新しい家。結婚式も終わり、いつもの三人で飲みなおしていた。新郎の彼は、飲み物を取りに二階のベランダへ。新婦の彼女は酔いつぶれ、寝ている。私は彼女に近づき、ささやいた。


「あなた達きっと素敵な家族になれるわ。二人の…子供もきっとかわいいんでしょうね。…あのね、私ね。あなた達二人のことが大好きなの。だから二人が幸せならそれでいいの。結婚してくれてよかった。これでまた三人仲良しね。大丈夫。わたしは『親友』だけで十分よ。」


…でもちょっとだけなら、ばれなければ伝えていいよね?


彼にあげた黄色のバラ、嫉妬。何度も嫉妬したわ。わたしがあの場所に、あなたの隣に立ちたかったって…まぁ、彼に嫉妬するのは見当違いかもしれないけどね。

次に赤いバラ、愛情。やっぱり嫌いにはなれないものね。ずっと一緒にいたんだから。あとあなたにも会わせてくれたし。


あなたにあげたのはピンクのバラ、愛情。…そう、愛してる、ずっとずっと。

もう一つ、白いバラ、尊敬。だけどこれ、色に意味はないのよね。さっき言ったとおり色合わせのために使っただけだから。…別に嘘はついてないわよ。私黄色のバラなんて言ってないし。


でもね。知ってる?


(伝えたりはしないわ。)


バラは本数にも意味があるのよ。


(私は女だから。でも、)


白いバラの本数は七本。バラ七本で


(四年前初めて会ったときから)


秘めた恋ーーーー


彼の目を盗み、横に眠る彼女にそっと口付けをした。


「ずっとあなたが好きでした。」

なんていうか、ほほガールズラブないですね…。すいませんorz

ちなみにバラは1輪だと一目ぼれという意味です!

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― 新着の感想 ―
[一言] 色々な花言葉が物語とうまく絡み合って、とても読みやすく、勉強になります! がんばってください^^
[良い点] さまざまな花の花言葉が出てきたので、 学びながら楽しんで読むことができました! ミステリアスな感じで読んだ後、心に残りました。 [一言] これからも小説楽しみにしてます!! これからもがん…
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