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悲しい誘拐

昨日の夕方、北町で4才の男の子が誘拐されるという事件が起こりました。



風磨「誘拐だって…」


流「おう」



この事件は昨日午後4時頃北町にあるここ中央公園で母親と一緒に帰宅途中の男の子、勇大君が誘拐された事件です。犯人は母親が目をはなした瞬間に勇大君を誘拐し逃走しました。




風磨「誘拐かぁ…」


流「おう」


風磨「これ絶対shipに要請くるよね?」



流「おう」


風磨「流、聞いてる?」


流「おう」


風磨「絶対聞いてないよ…」


流「おばちゃん‼おかわり‼大盛りで‼」



陸「おばちゃん今のおかわり取り消しで‼」



流「陸~何してんだよ‼」


陸「お前何杯目だ?」


流「まだ4杯目…」


陸「4杯も食ったら十分だろうが」



流「バカ‼俺は満腹になるまで食わないといけないんだよ‼…おい、聞いてんのか?」



風磨「陸おはよ‼」


陸「おう‼あれ隼人と美羽は?」


風磨「隼人はまだ寝てるんじゃない?美羽は多分ランニングかな。それより北町の誘拐事件聞いた?」



陸「あぁ、警察庁から要請がきてるらしい。」


風磨「やっぱり」


流「誘拐事件なんて初めてだよな?」



陸「確かにな。まぁそれだけshipも信用されてきたって事だろ。」



隼人「でもその事件、長官が要請を拒んでるって噂だぞ?」



風磨「いつのまに‼」


隼人「いやぁ、なかなか髪型決まらなくてさ~遅くなっちゃったよ」


美羽「誰もあんたの髪型なんて見てないって‼」



陸「おう美羽‼もう走ってきたのか?」



美羽「うん‼今日は3キロしか走らなかったから‼」



隼人「朝からランニングとかおやじかよ‼」



美羽「なんか言った?」


隼人「いや別に…」


長官「朝から仲がいいな~」


ship「長官‼おはようございます」


長官「ミーティングまであと30分だぞ?遅れるなよ‼」



隼人「30分⁉やっべ‼おばちゃん‼Aセット1つ‼」



風磨「ごちそうさまでした。」


陸「ごちそうさま、流いいかげんおかわりは終わりにしろ‼」



流「はいはい。ごちそうさま」


美羽「着替えてこよう」


隼人「おい、おい‼置いて行くなよ‼おい‼」




Go ship

それは過酷な試験を突破した者だけがとれる資格だ。年齢制限なしの国を守る警察官のような者。shipの仕事は警察庁からの要請で始まる。次々と起こる事件に今日もshipは戦い続ける。




長官「ミーティングを始める。知っているものも多いとおもうが昨日の夕方、北町で誘拐事件が起こった。その事件で警察庁から正式に要請がきた。詳細は資料にのせてある。お前達は警察と一緒に動いてくれとの事だ。」



流「警察と一緒⁉勘弁してよ。」


長官「なんだ流、不満か?」


流「長官、警察と一緒だと俺たち自由に動けないんですよ。なんかバカにされてるっていうか…。雑用ばっか押し付けてくるし、それでかんじんな事件の情報は何も教えてくれない。やってられないです。」



陸「流‼言い過ぎだって…」


流「陸が1番言ってたじゃんか‼」


陸「でも一緒にやるしか方法ないって」



長官「分かった分かった。私の方から言っておく。それまでは一緒に捜査しててくれ。いいな?」



流「……。」


長官「じゃぁ、ミーティングは以上だ。何かあればすぐに知らせてくれ。くれぐれもむちゃしないように」



流「あぁ~マジかよ…」


陸「我慢しろって」


美羽「まぁしょうがないよ」


流「しょうがないですむかよ」



風磨「それよりさ隼人が朝言ってた、長官が要請拒んでるって話しなんだったの?別にあっさり受けてたけど」



隼人「確かに言ってたんだけどなー」


流「いいから行くぞ」





陸「ここが誘拐された公園だよな?」



流「こんな見晴らし良い公園で誘拐なんて犯人もたいした度胸だよな」



警察官「なんだお前達は‼勝手に入るんじゃない‼」



陸「Go shipの者です。事件現場見に…」


原田「やっときたか‼このガキ共が‼」



警察官「原田さんこの人達は…」


原田「クソガキ共だ。」


流「また原田さんが担当なのかよ」


原田「おぉおぉ言ってくれるじゃないか。俺だってお前らの面倒みるのはごめんだよ‼警察庁もこんなガキ捜査に入れてどうすんだよ…。」



流「警察だけじゃ頼りないんじゃねーの?だからshipに要請するしかないって思うんだよ。」



原田「なんだと?」


流「やんのかよ‼」


陸「流いいかげんにしろ‼原田さん今のところの事件情報教えて下さい。」



原田「俺に聞くな‼違うやつに聞け‼ったく、お前ら見てるとイライラしてくる。」



流「はぁ~?なんだよそれ‼…あれ?美羽たちは?」





美羽「母親が目をはなした瞬間ってなんではなしたんだろ」



風磨「一瞬ぐらい目はなすだろ普通。携帯いじるとか…」


美羽「じゃぁ、なんで通報は携帯からじゃなく公衆電話からなの?」



風磨「あっ本当だ。公衆電話から通報って書いてある。」


美羽「なんでわざわざ公衆電話まで行ったんだろ。」



隼人「携帯持ってなかったとか?」


風磨「忘れてきたとか?」


美羽「よし‼母親に聞きにいこう‼」



陸「美羽‼ダメだ」


流「聴き込みは警察の仕事に入るからお前らは絶対に行くなって…」



美羽「じゃぁ、どうするの?何にも手がかりないし…」




子供A「おい早く来いよ~ブランコあいてるぜ‼」


子供B「よっしゃー‼」


流「おいお前らちょっと待て‼」


子供A「えっ…僕達…?」


流「そうだお前らだ。ちょっと話し聞かせろよ‼」



美羽「バカ‼怯えてるじゃん。ごめんね~。僕達さぁいつもこの公園で遊んでる?」


子供B「うん。雨降らなければここで絶対遊ぶ‼」


美羽「そっかぁ~じゃぁさぁ昨日も遊んだよね?この子見なかった?」



子供A「あっ勇大だ‼」


子供B「本当だ‼こいつ昨日1人で遊んでたよ?そしたらお父さんみたいな人が来て車でどっか行った。」



美羽「お父さん⁉」


陸「お母さんはその場にいなかった?」



子供A「いなかったと思う」


美羽「そっかありがとう‼お礼にアメあげる‼」


子供B「やったぁ~‼お姉ちゃん達shipでしょ‼僕ね将来shipになりたいんだ~」


子供A「僕も‼」


美羽「そうなんだ~」


流「shipになりたきゃ今のうち遊んどけ‼この仕事し始めたら休みなんてないぞ‼」


子供AB「わかった~笑」



隼人「なんとなくつかめてきたね」



風磨「あの場に母親はいなかった。」



美羽「けど勇大君には父親がいないはず…」



流「なんでだよ」


美羽「1年前に離婚してるみたい。」



流「そっかぁ~。ん?ちょっと待てよ…」



陸「流、なんか思いついたか?」


流「母親と父親…どっちが経済力ある?」



風磨「母親はパートで父親は一流企業だよ?」



隼人「たぶん生活費は父親が出していたんだろ…。あんなマンション、パートだけじゃ生活できないよ?」



陸「いつの間にマンション調べてたんだよ…」



原田「おいお前ら‼ごじゃごじゃ何喋ってんだ‼」


美羽「原田さん‼身代金の要求はきてないんですよね?」


原田「お…おう…」


美羽「あと勇大君は普段携帯とか持ってました?」


原田「いや、子供携帯みたいなのも持ってないらしい…。ただ出掛ける時はなるべく母親の携帯を持たせていたらしい」



美羽「つながった」


原田「なんだ‼わかったのか?」


流「だから警察では頼りないんだよ~これは誘拐なんかじゃない。」



原田「は⁈」



ship「任務終了」




流「母親は勇大君に携帯を持たせ先に公園で遊んでるように言ったんだ。そして遊んでる間母親は勇大君のケーキを取りに行った。」



原田「ケーキ?」



流「ここの資料よく見ろよ‼誘拐された昨日が誕生日だ。」



隼人「流‼今確認とってきた。確かにケーキ屋に行ってる。」



流「その間に父親から母親の携帯に電話がきたんだ。多分、誕生日だからプレゼント渡したいとかなんとかって…けど、電話に出たのは勇大君…それで父親は会いに行ったんだ。」



原田「じゃぁ、今も勇大君は…」



流「父親と一緒だろ…」



母親「刑事さん‼勇大見つかったんですか?」



原田「お母さん、勇大君はきっと旦那さんと一緒です。どこか行きそうな場所とか…」



美羽「その前に…お母さん…勇大君の事ちゃんと愛してましたか?」



母親「何言い出すの?」


美羽「勇大君…きっと何回も父親に会いたいとか言ってたんじゃないですか?」



母親「それは…。確かに何回も言われました。パパは?パパは?って…。本当情けなくって…でも離婚する時勢いで旦那に絶対勇大には会わせないって言ってしまって。私のプライド的に会わせるのは嫌だった。勇大は私だけの者にしたかった…。



知ってました。


父親と一緒にいる事…。


悔しかった。勇大は父親を見た瞬間大喜びで抱きついていった。」



美羽「それで、誘拐されたなんて嘘を…」



原田「勇大君迎えにいきましょう。」






流「なんか事件って感じじゃなかったな。」



美羽「悲しいね…。」



陸「さっ帰ろう。」





?「あれがship……。思っていたより手強そうだ。」




















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