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第十二話

誰も見てなさそうだけれど、まいっか。


この小説を読んで下さってありがとうございます。

では、どうぞ!

目が覚めた。

やはり初めてここに来たように知らないベッドの上にいる。

そう、第八十七部隊の兵舎である。


「お?ルーキー君じゃないか!!」

「あ!レイラーク先輩!!」


この人はレイラーク、ジョン・レイラークという名前だ。そして、俺の先輩だ。

実はこの部隊で一番こっちに来た、つまり残機は少ないが実戦経験豊富に実力も良いというこの部隊の大黒柱でもあるが、戦隊長に隊長の席を預けた人である。

戦隊長と同じくらいこの部隊の必要な人物で、突撃兵。

突撃兵というのは兵科の内の一つで、おもに部隊の中で一番戦闘をする役割だ。

兵科には色々あり、偵察兵、突撃兵、工兵、狙撃兵、戦車長などがある。

特別な部隊には決まった兵科がある。

例えば第三十一部隊~第四十部隊は狩猟兵と言って、ラギオンなどのモンスターを狩る対モンスター用の兵科である。

他にも第一部隊~第十部隊はレンジャー兵という、どんな武器も使える権利、実力を持つ兵科である。

第十一部隊~第二十部隊は戦車部隊で、モンスターやNPCを相手にする兵科|(?)である。

第八十八部隊~第九十部隊は本部護衛戦闘兵といって、レンジャー兵と同じである。

関係はあまりないが、第二十一部隊~第三十部隊は別名戦乙女部隊と呼ばれ、全員女性である。が、実力は第四十一部隊から第八十七部隊を凌駕すると言われている。

とまあ、こんな感じである。


「隊長が呼んでいる。至急、隊長室に向かえ。」

「はい?何でですか?いつもはヘリポートで集合なのでは?」

「さあ?俺も知らんがとにかく行って来い。

 あ、あと今回俺達第八十七部隊は後方で支援とけが人の回復アイテムの配給だ。

 だから戦闘はあまりしないらしい。」

「へ~・・・。ありがとうございます。」

「走ってこけんなよ~」

「こけませんって!?『ゴン』」

「・・・言わんこっちゃない・・・。」


――――――――――――――――――――――――――――


あの後二~三回こけたが隊長室まで迷わず行けた。

ドアを開けると椅子に座った隊長が地図を見ながら考えていた。


「あの、失礼します。今回は何の御用件で?」

「ああ!来たか咲十君!実はな、訓練に参加してほしいんだ。」

「え?訓練ってあったんですか?」

「ああ。実は残機が百~九十一までは訓練をしなくちゃいけないんだよ。

 ほとんどの人が一般人だったからね。」

「へぇ~・・・・・・・・・。じゃあ、なぜ俺は最初に戦場に駆り出されたんですか?」

「・・・・・・忘れてた☆」


この部屋に景気のいい音がなる。銃の装填完了。目標、前方約二メートル。


「ちょっと待って!?それ危ないからおろして!!

 あと、時間もないよ!?俺を撃つ前に早く訓練場に!!」


隊長室から悲鳴と銃声が聞こえたそうな・・・。



~咲十が出て行ったあとの室内~


扉が開き、ある人物が現れた。

戦は散らかった机の上を片付けながら振り向きもせず言った。


「なんで銃をあいつにやった?」

「・・・俺はそろそろやべーんだ。

 だから新しいあいつらに、あいつに任せたぞって、な。」

「・・・ウ~気色悪ぃ」

「うっさいな!・・・でも本当に残機が少ない。」

「・・・・・・あと、何機ある?」

「・・・――――」

「!!もう、そんな、に・・・。」


椅子をすっ飛ばし立ち上がるほど驚いた戦の顔は悲しい顔だった。

それとは対照的にレイラークは笑って、


「気にするな。その間に決着を付ければいい。

 ・・・少しさびしいがな。」


レイラークはそう言って部屋から出る。


「・・・クソッ!」


戦は小声でそう叫んだ。

もう、レイラークに時間は無い。

レイラークを、親友を、戦友を失うという現実に戦はめまいを感じた。

だから、あきらめてたまるか・・・!そう、戦は決意した。


―――――――――――――――――――――――


「ここが、訓練場・・・。」


明らかに素人な人たちが集まってきている。

教官は今来ていないらしく、ざわざわと騒いでいる。

小耳にはさんだ噂によると今回は第二十八部隊隊長が指揮をとり、訓練をするらしい。

戦隊長が好きな人、一体どんな人だろう・・・。

そう思っている内に戦闘服を着た女性だけで構成された第二十八部隊が来た。

そうして列を乱さず並んでいる俺たちの正面へ行き、一言。


「貴様ら!気を緩めすぎだ!!ここは戦場だぞ!常に最前線にいる気でいろ!」


・・・鬼隊長、か。着たころにはもう静かで、誰も話さず真剣な表情だったのに怒鳴る。

空気がピリピリしだした。なるほど、厳しいな。


「今回のメニューはここの障害物競走二十周!!

 腕立て、腹筋、背筋を二十分間何回もやれ!!

 休んだ回数×二回障害物競走!!異論は認めん!!」


・・・。ここのグランドの周りに何百個も障害物が・・・。

俺の見た感じでは一周五キロほどあるように見えるんですけれど・・・。


「では、開始!!!!」

「ちょ、ちょっと待てよ!ムリだってそんなん!」

「そうだそうだ!」


そう言って四人の男が立ち上がり言う。

それに続こうという気配を感じ取ったが、


「ふむ?もっと増やしてほしい?なるほど、分かった。

 障害物競走を八本追加!全員だ。」


なんて言いやがりました。

ってええええええええええ!?全員!?まじっすか!?

自分でもわかるくらい真っ青な顔だと思う。いつもの不幸が発動したのだ。

ああもう!!何でいつもこうなんだよ!!




「こん畜生~~~!!」


絶賛競走中です。

おかしいよ!?これ!!ホントにホント!

まずは平均台やら跳び箱などの小学生のもんから段々上がって行って、銃弾の雨降るロンドンっぽいところにクラスチェンジ。

そしてスタート地点にもどってまたはじめから。

絶対殺す気だぁ!!

俺は何故か体力が上がっていてまだそこまで息切れしてはいない。

んでもって身体能力も何故か上がっている。

おかげで今は五十二週目だ!!

もう、ほんとに訳が分からん。




なんやかんやで二十分間の腕立て、腹筋、背筋をすることになった。

さっきのでやられたと思ってたやつが生きていたので、やられときゃよかったかな~なんて思ったりもした。

さっきの障害物競走では六時間という好成績を決めれた。というかイカレてる!


「なぜこんなにも訓練させたかは、実を言うとこの世界では鍛えた分以上に力が付くのだ!そのため、次あるかないかの戦闘のために鍛えて貰いたかったのだ!」


へぇ~・・・。力がそれ以上にあがんのか・・・あ、だからあんなに早く走れたのか・・・。

でも、あっちでは上がるんだろうか・・・?


「じゃ、じゃあ、現実ではどう何スカ?」

「それが、現実では元のままだ。だが、現実で鍛えているとそれがこちらではもの凄く反映される。もちろん良い方にな。」


そうなんだ。ということは、元軍人の人とかはこの世界では強いということか。

・・・そういや先輩も言ってたな・・・第一部隊にはラギオンクラスのモンスターを一体倒せるほどの強さを持つやつだけしかいないって。


「次回は戦闘時の攻撃の仕方についてを教える。

 では、各自で反省をし、次回にに向けて休んでほしい。解散!!」


『はぁぁぁあああああああ~~~~~~・・・』


全員の溜息のタイミングがはもった。そんくらい疲れたのだ。

まだ元気のありそうな(といってもよろよろしている)男が女性陣のところへ逝った。

ん?字が違う?いや、だって、


「ね、ねえ、俺、やばいんだ看病してくれないかい?(キリッ」

「うるさい、だまれ、この腐ったミカンが。

 そこらへんで悶えてろ。」

「グペッ」


というように、急所を殴られているからだ。

と変なことを考えてると少し暗くなった。顔を上げると誰かがいた。


「えっと?なんですか?」

「あ、あの・・・咲十・・・君?」

「え?何で俺の名前・・・を・・・!?」


目の前にいたのは――――


「やっぱり咲十君だ!」


知らないところで知り合いに会えたかのように頬を緩くする、愛理さん(・・・・)がそこにいた・・・。

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