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プロローグ〜ある始まり〜


大抵の世界はあるバランスで成り立っている。  


『光』と『闇』、『陰』と『陽』。


どちらかが突出しても駄目。

たとえ『光』が正義で在ろうとも、『闇』が悪で在ろうとも、二つが極端が故にその天秤は常に平衡を保つ。平衡が崩れる事はイコール世界の破滅を意味する。


そんな世界を創り支える存在を、知恵持つ者達は『神』と呼びまた崇めた。その信仰が根付けばいずれ『神』を支える原動力となるのだがそれは別の話。


さて。

『神』と呼ばれる存在も様々に自身のその能力や特性に応じて世界を創る。だが意外にも、『神』の大多数は互いに似たりよったりの世界を構成するのだ。その原因は世界を創る際に消費されるエネルギーに起因する。


『光』と『闇』とが産み出す混成物質の『魔素』。

最初から世界に当たり前に存在しているが為に特に変換が要らず、大小から強弱に至るまで能力を使わずとも思いのままに行使できる夢のエネルギーだったりする。

こうして『世界』は創り出されて行く、のだが。


……定型(マニュアル)でもあるのだろうか?


1、生き物の住める環境を調える。

空を創り、大地を創り、海を創って、そこに適応した生物を放つ。尚、それぞれに万遍なく。


2、神の姿に一番似せた人型の生物を創る。

知恵を持ち、国を興し、文明を発達させるだけの知恵と力を有する種類を各複数。尚、生態や能力や寿命もその種族の特性に応じて最適なモノを。


3、『魔素』を元にしたエネルギーから効率良く力を行使させる為の術、所謂『魔術』の基礎を確立させて各種族の知識へと刷り込ませる。尚、これ(・・)に関しては種族特性も鑑み、総ての者の能力とはならない様に調整されるモノとする。


4、…………………


などなど。


要は、「魔法アリ・人類以外の種族アリ・中世ナーロッパ風外観及び身分制度」なラノベ定番異世界が一丁出来上がりぃ〜♪(by複……いや多数)なワケとなったのだが。


さて、此処からが本題。


銀河系の地球を含む宇宙全体において他に人類は存在しないかも知れないが、実は次元を隔てた空間には別の世界が存在する。UFOだのUMAだのは未発見のまま騒がれて結局発見されず終わりかもだが、異世界は実は頑張れば発見は十分可能なのだ。誰も知らずに気づきもしないけど。


…………閑話休題(はたまたヨタ話)


そんな中、地球人に発見されずに終わりそうな以前に滅亡に片足を突っ込みかけた世界が在った。


実はそんな世界は珍しくない。

その原因の大半は『光』と『闇』のバランスの崩れ。

この世界を構成する絶妙なバランスを保つ為に神と呼ばれる存在はあらゆる策を尽くすのだが、力及ばず脆くも儚く滅する世界のなんと多いコトか……。


産まれ滅してその跡にまた産まれ……を繰り返す世界達。 


その中で、今回滅亡に瀕する事となったその世界は比較的永く存続していた。……今までは。

『光』と『闇』の特性を極端に限定して、互いにその頂点同士を争わせて拮抗させる事で敢えてバランスを保たてさせていたのだ。大抵の世界の知的種族の大半の者が好きそうな“正義と悪の戦い”は、一部に不満を残しながらも意外にも永くそのバランスを保っていた。


拮抗が崩れた切っ掛けはその一部の不満(・・・・・)

『光』の反勢力である『闇』の頂点。

俗に『魔王』と呼ばれる存在の反発心だったから笑えない。


『闇』の頂点として『魔王』。

『光』の代表として『聖女』。

ちなみにだが、『聖女』は戦闘能力でなく浄化能力が重視される為、戦闘能力補助の役割分担を担う『勇者』も同時代に存在する。


で、これまたテンプルあるあるだが、その存在の創り方は身体となる“器”よりも内包する“魂”の力に重きが置かれる。そして“魂”が選ばれるのは数百年から千年に一度。神にとってはそれほど短くも長くも無い絶妙な間隔との事はそれこそここだけの話(歴史的裏話)


そして神はその度にその時に一番適した“魂”を選んでそれぞれ『聖女』、『勇者』、『魔王』とした。但し、役割に応じた力は持たせど“記憶”は受け継がせない。『魔王』は傲慢に『闇』を増やそうと悪の限りを尽くし、『聖女』と『勇者』は『光』の力でそれを阻止すべく戦う、その繰り返し。


だが何事にも例外は存在する。

ふと歴史を振り返り、新しく産まれた『魔王』は考えた。

“記憶”などは無くとも、知的種族の歴史が記された文書が幾つもあり、更にそれを辿れば客観的視点に基づくモノながらも事実を知る事は出来るのだ。

そして当代『魔王』は疑問と不満を持つに至った。


『何故自分が?!』と。


このままでは待っているのは破滅だけ。 

幸いにも、まだ『魔王』自身の自我は正常に保たれて衝動に至っては居ない時期。だが歴史として繰り返されているのならばそれ(・・)は遠からず訪れるであろう未来。


ならば!と抗う事にした『魔王』。

そしてその結果、世界は滅亡へと徐々に向かい始めた。

寸でで神は気づき、慌てた後に策を講じるべく動き出す。


さてさて、この世界。

滅亡へ一直線を辿るのか?

はたまた起死回生なるか?


これからどんな物語が紡がれて行くのだろうか……?

 

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