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第八話

「いやああああああああああああ!」


 ボス部屋中に俺の叫び声が木霊する、なんと薄赤色のスライム達はぴょんぴょんはねて俺に攻撃してきたのだ!


「ちょいちょいちょい話が違う……話が違う!」


 走りながら弱音を吐く。

 スライムのスピード自体は人が軽くジョギングする程の速さだが、それが3匹。

 結構な威圧感である。


「解ーーー! 大丈夫ーー!?」


 部屋の端っこで楓が心配そうに叫んでいる。


(そうだ……今は俺が標的になってるけど、いつ標的が楓に変わるかわからない。少し無茶をしてでも倒さないと……)


 走りながら後ろを振り返るとスライム達は依然として俺を追いかけている。

 意を決して先頭の1匹に狙いを定め、俺は思いっきり蹴りを入れた。

 蹴りはしっかりヒット、上手く楓と真逆の方向へふっ飛ばし壁にぶつける事に成功する。


(よし! この調子で……)


 その瞬間、もう目と鼻の先に2匹のスライムが迫っていた。

 俺は1匹目のスライムの体当たりをギリギリで躱した。が、2匹目の攻撃は避けられず右肩に体当たりを喰らう。


「がっ!!」


 おいちょっとまて、痛い……かなり痛いぞ……!

 右肩を思いっきり殴られた様な衝撃が俺を襲う!

 これ何発も食らってたらかなりまずい……!


「くそおおおおお!」


 俺に無慈悲な肩パンの痛みを与えたスライムを動揺しながら踏みつけると、スライムは「ピキュ!」と鳴いて動かなくなる。


「1匹になったら対応できるんだよ!」


 最後のスライムの体当たりを躱し、スライムが着地したところを思い切り蹴飛ばす。

 スライムは壁にぶち当たり鳴き声を上げてから溶けて消えた。


「ふぅ……結構危なかったな……」


「解……右肩大丈夫?」


 そう言って楓が俺に走って近寄ってくる。


「ああ、打ち身にはなるだろうけどね……3匹のスライムと戦うまで簡単にスライムを倒してたから少し調子にのってたよ、反省だな。」


「本当に心配したんだからね! ………解、後ろ! 危ない!!」


 俺は咄嗟に後ろを振り向く。

 痛みによって踏みつけが甘かったのか、俺の肩に体当たりをしてきたスライムが勢い良く跳ね、目の前まで迫っていた。


 ドッ!


「ぐっ……!」


「解!」


 スライムの体当たりが俺の鳩尾に思い切り入り、立っていられなくなり膝をつく。


(まずいまずいまずいまずい!!!)


 すぐ立ち上がろうとするが、鳩尾への衝撃で上手く立ち上がれない。

 スライムはまたこちらに狙いを定め、鳩尾への攻撃で位置が低くなった俺の顔めがけて飛び掛かって来る。


(今の鳩尾への衝撃を顔面に受けたら、本当にまずい……! 動け動け動け!)


 しかし無慈悲にもスライムは俺の顔めがけて体当たりしてきている。

 俺の顔面に直撃するその瞬間


「ちょっと! 解に何すんのよー!」


 そう大声をあげると、俺の後ろから楓が飛び出しスライムに思い切りビンタをお見舞する!

 パアアアアアアン! と鳴り響いた音と共にスライムは10m程宙を飛び、壁に勢い良くぶつかった後、地面に落ちて溶けて消えた。


(えっ……なんか楓さん、力強くない……?)


「解! 大丈夫!?」


 見事なビンタを見て呆気に取られていたが、すぐさま我にかえり答える。


「ああ、まだ痛いけど歩けない程じゃないよ……てか楓、なんか俺より力強くない?」


「痛みが酷くないならいいんだけど……あー、さっきは無我夢中だったからよく分かんなかったけど、確かに普段より力込めれたかもしれない」


「もしかしたら……その強さって〈天啓力〉と関係があるんじゃないか?」


 俺は〈天啓力〉が身体能力をブーストしているんじゃないかという仮説を立てる。

 そう考えないとあの年末番組でよく見るプロレスラー顔負けの力強いビンタの説明がつかない。


 その時……。



『パーティー2名が儚きスライムのダンジョンをクリアしました』





どうやら俺たちはダンジョンをクリアしたらしい。


ここまで読んで頂きありがとうございます<(*_ _)>



■次回の更新は【7月18日12時】の予定です。



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