第五話
楓が、家に来るまで俺は地震で散らかった所を片付けたり、物置にしまってあったいつからあるか分からない古いブラウン管のごっついテレビを引っ張り出して繋げたりと結構頑張った。
そして夕方になり楓が家にやってきた。
入ってくるなり「鍵を見せて!」と言ってくるのを予想したのに「えええええ!テレビデオじゃんこれ!!レア!!すごおおお!」と言ってきた事にびっくりしつつ本題の鍵を渡すと一変、綺麗だねと静かに鍵を見ている。
確かにこの鍵、仄かに光ってて綺麗なんだよな。
その後ソースカツ丼を作ってもらい二人で食べる。
ちなみに味はめちゃくちゃ美味かった。
薄いカツに甘辛いソースを浸して丼にして食べる! これがうめぇーんだ!
てか毎回思うけどなんで楓ってこんな料理上手なんだ?
「じゃあ片付けも終わったし、そろそろ塔に行こっか?」
二人で片付けを終えると、楓がそう切り出してきた。
いよいよか…なんか緊張してきた。
現地で何かあったとき用にバックパックの中に水やらカロリーメ○トやらライトやら用意し担いだ。
楓からは用意良すぎと笑われたが何かあった後じゃどうしようもない、備えあれば憂いなしである。
俺の家から塔のある東尋坊の雄島までは車で15分程の距離だ。
俺達はワクワクしながら塔に向かう。
……
……………
………………………
東尋坊の駐車場に車を停め、徒歩で島へ続く赤い橋を渡る。
スマホで時刻を確認すると時間は20時を超えたところだった。
「やっぱり夜は雰囲気でるね……」
楓が少し怯えたように話す。
「確かに一人で夜の雄島に行けって言われたら無理って思うな……」
「ほんとだよね……あ、解。警察の人がいるよ」
小声で楓は指を差す、その方向に目を向けると橋を渡りきった先の島の入り口ら辺に立ち入り禁止と書かれたテープが張られ、その前で会話をしている二人の警察官がいた。
「よし……テープから塔の間は結構間隔があるな。バレないように裏から回り込もう」
「おっけー」
そう言うと俺達はバレないようにゆっくりと塔の裏手にまわる。
ここまで来るのに駐車場から15分程で、スマホの時刻は20時15分を示していた。
「そういえばテレビでも言ったけど、このいきなり現れた塔ってどこにも入り口がないらしいんだよね」
「そうだな、俺もネットで調べて分かったけどどうやら扉がないみたいだな。ただどこかに鍵穴さえあれば、この鍵が使えるか試せるし鍵穴を探そう」
俺はそう言って軽く塔に触れると、
『パーティー2名が儚きスライムの鍵を使用し、ダンジョンに入ります』
!?
「解? この声って……」
「え、楓にも聞こえたn」
次の瞬間、目の前が真っ白になる。
何秒か経ち、眩しさが収まり目を開けるとそこは洞窟の様な場所だった。
「…楓!?」
俺は楓が無事か確認する。
「びっくりしたねー」
楓があっけらかんとした感じで答える。
良かった……怪我とかは無いようだ。
ここまで読んで頂きありがとうございます<(*_ _)>
■次回の更新は【7月17日12時】の予定です。
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